「100mSv以下は安全」説はいつから語られはじめるのか?―JCO臨界事故報道を見直す:『読売新聞』

 3.11以後、日本では「100mSv以下にはリスクがない」あるいは「100mSv以下はリスクが観察できない」とし防護や安全対策を軽視ないし無視する説が広がりました(注1)。  なぜこうした説がひろまったのでしょうか。そもそも、この説はいったいいつごろから存在したのでしょうか。そのことを考えるために、JCO事故時の報道をふりかえってみることにしました。  「100mSv以下はリスクはない」や「100mSv以下ではリスクは観察できない」と語るひとは「この説は通説」だといいます。ほんとうにそうなのでしょうか。今回は、さしあたってまずは『読売新聞』の1999年10月から2000年2月までの記事を見ていくことにしました。 続きを読む
48
dabitur @dabitur

「自然界からも年間二・四ミリ・シーベルト(世界平均)の放射線を浴びている。医療以外で人工的に浴びる一般人の年間被ばく限度は一ミリ・シーベルトと法令で定められている」(ibid.)

2012-05-03 12:53:07
dabitur @dabitur

「原爆追跡調査の結果などを冷静に受け止め、放射線の影響を過度に心配しないことが大切だ。しかし一方で行政側は、住民の不安を払うためにも、単にデータで“説得”するだけではなく、長期的な疫学調査を実施し、科学的証拠をきちんと残すべきだ」(ibid.)

2012-05-03 12:54:38
dabitur @dabitur

「また、万一健康に問題が出た場合は、めんどうな手続きなしで専門病院で受診できる体制をつくるなど、具体的な対応を講じる必要がある」(ibid.)

2012-05-03 12:55:06
dabitur @dabitur

『読売新聞』1999.12.04「JCOが臨界事故後にアンケート 妊娠への影響は… 社員に不安の声=茨城」 

2012-05-03 12:56:30
dabitur @dabitur

◆中性子線被ばくの後遺症は「JCO東海事業所が、臨界事故後に、社員に実施したアンケートで、「年間の被ばく量を短時間に被ばくした場合の体の影響は」、「中性子線被ばくの後遺症は」、「妊娠・出産への影響」など、健康や被ばく、放射線の影響について強い不安の声が上がっていたことがわかった」

2012-05-03 12:57:08
dabitur @dabitur

「アンケートの概要は、県医師会報十二月号に掲載された。JCOが十月末ごろ、心配事を自由に記入する形で社員約百人に実施し、一部をまとめたものを、被ばくについての不安解消のために開催した社員説明会の講師の医師に、資料として提出した」(ibid.)

2012-05-03 12:57:28
dabitur @dabitur

「心配事では、「五十ミリ・シーベルト以下は大丈夫というが、絶対に大丈夫なのか」、「事故後、頭痛や体調不良が続いたが放射線の可能性があるか」、「被ばく者と一緒に家族が生活しても大丈夫か」といった被ばくによる生々しい健康への不安があった」(ibid.)

2012-05-03 12:57:51
dabitur @dabitur

もしかして:JCO事故時は「50mSv以下は安全」説が通説だった?

2012-05-03 12:58:16
dabitur @dabitur

『読売新聞』1999.12.06「放射線どこまでなら安全? 人体への影響評価は困難 年間被ばく量も単なる指針」

2012-05-03 13:00:05
dabitur @dabitur

「茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で起きた臨界事故。作業中の社員3人は、18―2・5シーベルトという大量の放射線を浴び、2か月たった今も入院中。1人は危険な状態が続いている。放射線とは何か。人体にどんな影響があるのか」(ibid.)

2012-05-03 13:00:41
dabitur @dabitur

「1ミリ・シーベルト以下なら問題ない」とは言い切れないのが放射線影響の難しさだ。発がんの確率が増加する線量当量の値も、50ミリや200ミリなど諸説ある。病気になっても、原因が放射線なのか突き止めるのは困難だ。微量なら逆に体に良い作用があると考える専門家もいる」(ibid.)

2012-05-03 13:01:14
dabitur @dabitur

「一般人、放射線業務従事者の年間線量限度などを定めているのは国際放射線防護委員会(ICRP)で、これを日本の法律も取り入れているわけだが、今回の事故のような問題が起こるたび、この基準の「あいまいさ」が専門家間で論議となる」(ibid.)

2012-05-03 13:01:39
dabitur @dabitur

「「一般人は年間1ミリ・シーベルト、放射線業務従事者は年間50ミリが限度になっているが、果たしてこの値を超えると危険なのかどうか」。国の原子力安全委員会が設けた健康管理検討委員会の席上、座長役の長滝重信・放射線影響研究所(広島市)理事長はこう問いかけた」(ibid.)

2012-05-03 13:02:16
dabitur @dabitur

「「危険だ」と明確に答えた委員は1人もいなかった。*「年間限度はあくまで通常の場合の目標値。事故など緊急時は、この数字に意味はない」(草間朋子・大分県立看護科学大学長)(ibid.)

2012-05-03 13:03:14
dabitur @dabitur

「『1ミリ以上浴びると危険』と受け止めている人が多いようだが、この数字は単なるガイドライン。安全と危険の境目ではない」(小佐古敏荘・東大原子力研究総合センター助教授)(ibid.)

2012-05-03 13:03:24
dabitur @dabitur

「 ICRPの委員でもある小佐古委員は、放射線業務従事者の年間限度である50ミリ・シーベルトについても、「ICRPはこの数字を『空気中から持ってきた』と説明している」と指摘、科学的根拠が希薄なことを強調した」(ibid.)

2012-05-03 13:03:46
dabitur @dabitur

「放射線被ばくによる人体への影響は、まだまだ分からないことが多い。今回の事故では、1ミリ、50ミリといった数字だけが独り歩きして、それ以上の被ばくは危険という誤った認識が広まり、風評被害の原因の一つにもなっている」(ibid.)

2012-05-03 13:04:02
dabitur @dabitur

『読売新聞』2000.01.26「東海村臨界事故 「住民の健康に影響なし」原子力安全委で報告」

2012-05-03 13:07:18
dabitur @dabitur

「茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で起きた臨界事故で、放射線被ばくした住民らの長期的な健康管理について協議していた原子力安全委員会の健康管理検討委員会(主査・長滝重信放射線影響研究所理事長)は」

2012-05-03 13:08:01
dabitur @dabitur

「二十五日、「今回の事故では、被ばくによって健康に影響が出る可能性は極めて小さく、特別な健康診断は必要ない」とする中間報告書をまとめた」(ibid.)

2012-05-03 13:08:35
dabitur @dabitur

「そのうえで、推定被ばく線量が一ミリ・シーベルト以上や、事故現場から三百五十メートル以内の避難対象区域に住む人には「健康に関する一般的な助言のため、年に一回の健康診断を実施するのが適当」としている」(ibid.)

2012-05-03 13:08:47
dabitur @dabitur

「同委員会は、昨年十一月から九回の会合を重ね、広島、長崎の原爆被ばく者の追跡調査結果などから、五百ミリ・シーベルト程度の被ばくで血液中のリンパ球が一時的に減少するが、五十ミリ・シーベルト以下ではがんによる死亡率の増加もなく、健康への影響は認められないと結論付けた」(ibid.)

2012-05-03 13:09:04
dabitur @dabitur

『読売新聞』2000.02.01「東海村の臨界事故 119人が被ばく限度超す 科技庁が全容調査」

2012-05-03 13:10:17
dabitur @dabitur

「◆住民最高21ミリ・シーベルト 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所」の臨界事故による人への放射線の影響について、科学技術庁は三十一日、周辺住民やJCO職員など合わせて四百三十九人の調査結果をまとめ、*」(ibid.)

2012-05-03 13:10:56
dabitur @dabitur

「このうち周辺住民百十九人が公衆の年間被曝(ひばく)限度の一ミリ・シーベルトを超えていたと、原子力安全委員会(佐藤一男委員長)に報告した」(ibid.)

2012-05-03 13:11:09