双子でＤＱ風パロ～ロッカクカクの兄弟～

煌＠妄想専用【ベカ☆ひと300】 @kou_humo

青年の話では、突然坑道に魔物が現れ、同時に毒ガスが噴き出したそうです。毒ガスを浴びた町の住人はたちまち倒れ、多くがそのまま息を引き取り、僅かに残った者も毒に苦しみ寝込んでいるか町を逃げ出していったとのこと。「町は終わりです。今から坑道に向かうなんて無謀すぎる」 #テニプリＤＱパロ

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アツシとサエキは顔を見合わせました。そんな危険な場所に行かなければ火薬が手に入らないなんて…。別の作戦を考えようと提案しようとしたとき。「き、君！危ないって！」青年が叫びました。リョウが坑道に向かっていたのです。 #テニプリＤＱパロ

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「リョウ！？」「坑道に入らなきゃ火薬は手に入らないんだろ？行くしかないじゃん」「だけど毒が…」「ちょっとくらい平気さ」「そんな、」「俺たちは！父さんの仇を討つんだろ！？その為なら命なんて惜しむもんか！」「リョウ…」 #テニプリＤＱパロ

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サエキがゆっくりとリョウの元へ向かいます。「サエ？」「リョウはああなったら説得なんてきかない。俺は師匠の代わりに二人を護ると決めたんだ。どこへでもついていくさ」「…じゃあ僕も行く。二人だけ危険な目にはあわせられない」三人は頷き、坑道に向かいました。 #テニプリＤＱパロ

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坑道の中は薄暗く、毒ガスのせいか空気もじっとりと重く感じます。三人はなるべく呼吸を抑えながら急いで坑道の奥に向かいます。そんな三人の前に、魔物が立ちはだかりました。たくさんのベビーサラマンダが大きく息を吸い込みます。 #テニプリＤＱパロ

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「っまずい、火を吹くぞ」「時間をかけてる暇はないっ！二人とも下がって……イオ！！」リョウが両手をベビーサラマンダにつきだして叫びます。するとベビーサラマンダの中心で爆発が起き、壁に叩きつけられたベビーサラマンダたちはしゅうしゅうと煙をあげて消えていきました。 #テニプリＤＱパロ

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「ありがとう、リョウ」「軽い軽い」「時間が惜しい。早く下の階に」「あ！宝箱はっけーん！お宝お宝何かなあ！」サエキの言葉を遮るようにリョウが駆け出します。こんな場所でも相変わらずのリョウにアツシがため息を溢し、サエキも苦笑いしました。 #テニプリＤＱパロ

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「はい、アツシにあげる」「これは…」リョウが宝箱から手に入れたのは銀色に輝く神秘的なタロットカードでした。「とても強い魔力を帯びてる…」「占いの幅が広がるだろ、貰っときな」「…ありがとう」アツシは銀のタロットをしまい、一行はようやく下の階層に向かいます。 #テニプリＤＱパロ

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最下層には火薬と、こんな状況でもまだ一攫千金を夢見て発掘を続けるある意味見上げた根性の持ち主がいました。「一攫千金だってさ、リョウ」「俺は地味な労働はパス」「はは、じゃあ俺たちは地上に帰ろう」火薬壺を手に、キングルド城に戻ります。 #テニプリＤＱパロ

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キングルド城の扉を再びサエキのアバカム(あくまで自称)で抉じ開けた三人は、大臣の部屋の横に火薬壺を置きます。「行くよ…メラっ」リョウが放った炎は壺にぶつかり、中の火薬に引火します。ほったらかしで湿気った火薬は爆発はしなかったものの凄まじい轟音を放ちました。 #テニプリＤＱパロ

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「！？！？！！？」途端に目を白黒させた大臣が部屋から飛び出してきました。「へへへ、陛下ー！お助けをー！」大臣は叫びながら赤○不二雄先生の漫画のような足取りで走り出します。「追うよっ！」リョウの声で三人は大臣の後を追いかけました。 #テニプリＤＱパロ

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大臣は城の突き当たりまで走っていくと壁をガンガンと叩きつけます。すると壁にぱっくり切れ目が現れ、大臣はその中に消えていきました。「隠し扉か！」「あんなところにスイッチが…」三人は頷きあうとスイッチを押し込みました。 #テニプリＤＱパロ

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隠し扉の奥には慌てふためく大臣とそれを宥める兵士。そして立派な玉座からそれを下らなそうに眺める男が居ました。「…バルザック！？」アツシが叫びます。そこに座っていたのは間違いなく憎き父の仇、バルザックでした。 #テニプリＤＱパロ

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「キサラヅの息子たちか…久しぶりだな」「バルザック、お前…その格好は…」「くく、そうさ…俺はこの国の王になった。貴様らの父親から奪った進化の秘法と引き換えにな」「進化の秘法…？」「大いなる力を手に入れる秘術。キサラヅは偶然それを編み出した」 #テニプリＤＱパロ

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アツシがサエキを見上げると、サエキは首を横に振りました。どうやらサエキも知らないもののようです。「その素晴らしい秘術をな、奴はあろうことか葬ろうとした」「っ！だから、父さんを殺して奪ったっていうのか！？」「そうさ」「許せない…そんなことのために師匠を…！」 #テニプリＤＱパロ

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「そんなこと？随分な言い方だな。いいだろう…進化の秘法の素晴らしさ…貴様らに身をもって教えてやろう…！」バルザックがニィと笑った瞬間、みるみるその姿が変貌していきました。とても醜い魔物の姿へと。「これが…進化の秘法…？」「なんて強く、邪悪な力だ…」 #テニプリＤＱパロ

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「こんな…こんなもののために父さんはっ…うぉおお！イオ！！」リョウはバルザックを睨み付け、渾身の魔法をぶつけます。バルザックの前で爆発が起こりますが、バルザックは平気な顔です。「なっ…」「くく、お返しだ、ギラ！」「うわあああ！」「リョウ！」 #テニプリＤＱパロ

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炎の渦に巻き込まれ、膝をつくリョウにアツシが駆け寄ります。素早くホイミを唱え、傷を癒しました。「このっ…」サエキが二人を庇うようにバルザックに駆け寄り、剣を浴びせました。斬られたバルザックの体から毒々しい緑の血が溢れます。「おお、痛い痛い。…ベホマ！」 #テニプリＤＱパロ

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バルザックの傷があっという間に塞がります。「くそっ」サエキは悔しそうにバックステップでバルザックと距離を置きました。「ベホマ…あんな強力な回復呪文を易々と」「くっ…呪文を封じなきゃ。…そうだ！」リョウは袋から小さな石を取り出しました。「喰らえ！」 #テニプリＤＱパロ

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リョウが念じると石が眩く発光し、バルザックを包みました。「ん？どんな小細工か知らんがこの俺様に敵うはずがない！ギラ！……、何っ！？」バルザックが高らかに呪文を唱えても炎は起こりません。「…まさか静寂の玉を…！」「よし、これで呪文は封じた！」 #テニプリＤＱパロ

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「ありがとう、リョウ！」サエキが素早くバルザックを斬りつけます。バルザックも思わずよろけました。切り口から血が流れてももはや癒す術がありません。「おのれおのれおのれー！！」バルザックは鋭い爪を振りかざしました。 #テニプリＤＱパロ

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魔法を封じたと言えど、進化の秘法で化け物になったバルザックは強敵です。剣や魔法でも致命傷を負わせることが出来ず、逆にこちらのダメージも増えてきました。「このままじゃ…競り負けるっ…」サエキにホイミをかけながらアツシはいつかの占いを思い出しました。 #テニプリＤＱパロ

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七つの光と中央の弱い光。今はまだか弱い勇者を七つの光が守り、そして光が合わさった時、究極の大いなる光と化す。それは逆に言えば、自分達だけではまだ力不足だということ。やはり自分達だけ敵討ちなんて無謀だったのかもしれない…。アツシの脳裏にそんな不安がよぎりました。 #テニプリＤＱパロ

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「ぐっ…」そんなアツシの傍に吹き飛ばされたリョウが倒れました。「リョウ！」アツシはすぐさま回復呪文を唱えます。リョウはふらふらと立ち上がりました。「負けるもんか、アイツがどんなに強くても…絶対に…！」「……リョウ…」 #テニプリＤＱパロ

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アツシが視線を向けた先ではサエキが必死に戦っていました。「リョウ、サエ…僕は…」アツシは弱気になっていた自分を恥じました。出来るかどうかじゃない、絶対に成し遂げなければならないんだ。アツシも再び決意を固めた、その時でした。アツシの胸元が光ります。 #テニプリＤＱパロ