明日は車検でオートバイを神戸に持ってかなきゃならないので、思い出した。確か二人とも安全運転(!)で、車線はみ出しの対向車にぶつかった。これは逃げられないね。
2012-07-04 03:07:12「飛ぶクラゲはひとりで光る ひとりで飛んでも そこは世界」これは夷斎・石川淳の戯曲『おまへの敵はおまへだ』の歌。不眠症の就寝儀式のおまじない。おやすみなさい。
2012-07-04 03:21:00車検預けに出発準備。神戸まで60キロ。阪神高速はあまり面白くない道路。湾岸線は湾岸の工場地帯の上を走るがコース違い。湾岸工場地帯は近代国家!の機械仕掛けが剥き出しになって滅亡と張り合っているような風景で好き。例えば黒沢清監督の『叫』はその風景が美しい。
2012-07-04 10:39:23湾岸道路からは大阪最大のゴミ処理場が見える。フンデルトヴァッサーの遺作になったデザイン。大阪の人はそれをさほど凄いこととは思っていない様子。じっさい、途中でデザイン通りに完成させるのをやめてしまった。結果、頓狂で巨大なラブホテルみたいな建物が出現した。それはそれで奇観。
2012-07-04 10:46:09湾岸工場地帯で思い出したが、笙野頼子さんの『タイムスリップ・コンビナート』はもっと美しい小説になるべき小説だったと、初読の時思った。今でもそう思う。湾岸を描いた小説は美しさの予感の中で失敗しているのが多いような気がする。大岡さんの『酸素』もそう。ベタ過ぎる風景なのか・・・
2012-07-04 11:11:098万キロ走っているから仕方ないとはいえ車検−修理が高い! 須磨の通りは海開き前なので相変わらず閑散。『ガス灯』という如何にも映画好きが出したらしい古い喫茶店が閉店していた。喫茶店に入る習慣は全くないから入ったことはない。ともかく、いまさら神戸に映画の街は期待しないけれど。
2012-07-04 19:11:32帰りは久しぶりに電車。灘のあたりか、「ピカソ美科学研究所」という看板の出た古そうなビルを発見、目礼。相変わらず梅田地下で谷町線を探して迷う。
2012-07-04 19:18:24EP-4の曲はアルトーを主題としたものだった。全体が直接身体を襲うような絶妙の周波数に調整された超絶大音響。佐藤薫さんんの天才を感じた。キーボードの鈴木創士の音が残念ながらわたしの位置では聞きづらかったが熱演。なんていう無茶な才能。なるほど中島らもとため張れたはずだ。
2012-07-04 19:27:31石川淳さんにロカビリーのライブを聞いて震撼されるという場面の小説があったはず。どれだったか。『ダール・グレイ』を読むくらいなら『狂風記』を読みましょう。・・・と、これはディレイニーがおおかた好きになれないわたしの偏見だと言われてもかまいません。これは独り言(!)です。
2012-07-04 20:09:47「石川さんのポンプから送られてくる救命用酸素を待つ者はいまなお跡を絶たないのです。(・・・)そして救命ポンプは現に作動中です」。これは安部公房さんの石川淳さんへの美しい弔辞の一節。昨年孤独に急死した江中直紀にとっても?だったろうか?最近出た江中さんの論集に石川淳論があった。
2012-07-04 20:16:50安部公房は或る時期から、石川淳さんと三島由紀夫とドナルド・キーンさんくらいしか「友人」と感じていなかったのじゃないだろうか? ともかく新潮の全集を読んでいると、ほんとうに奇妙な感じに「独りぼっち」の人だったと感じる。ユープケッチャを自分だと感じていたのじゃないだろうか。
2012-07-04 20:34:37・・・ってなあことを考えながら(!)梅田の地下街を歩いていたわけで・・・というのは無論フィクション。電車が苦手なので、何を考えてたんだか。「やつらが梅田にやって来る!」というポスターのキャッチコピーが不気味だった。「やつら」? おお、たかだかムカデみたいな怪物展の宣伝ポスター。
2012-07-04 20:39:12『ダールグレイ』と書いてしまったけれど『ダールグレン』の打ち間違い。原書で読んだのじゃないので留保を入れるとしても、読後の印象は徒労感でした。あくまでもわたしにとっては、です。「暴力都市」のイメージ? まあ、似た主題を持つバラードの最後の連作も彼のものとして説得性を欠いていた。
2012-07-04 21:31:16説得性と言うより、なんのひねりもないそのまんまの通俗心理学の援用にしか思えなかった。或いは最後のバラードには世界がそう見えていたとすれば悲痛だけれど。
2012-07-04 21:37:34アーノンクールの『マタイ』期待したほど面白くない、たるい・・・どうもリヒターを聴いてきた世代(!)の偏見があるのかもしれない。一応自分を疑うこと。どっちにしろ、音楽を耐えるのはきつい。自分には音楽は余計なことかも知れないと思う。
2012-07-04 23:14:40ピンチョンの音楽の途方もない趣味の悪さには全身同調。ザッパの『Band from L.A』の『Call any vegetables』から『Dog breath』に至るファイナルを最高だと思ってた時期が長いんだからしかたない。しかし安部公房さんの音楽の趣味は何ていうか・・・謎
2012-07-04 23:29:00小説家になったHが神戸に来た時、昼に競馬で有り金すっちゃったからカードが使える店で飲もうと言った。Hは将棋観戦記も書いているくらいだから勝負事が好きだ。子供の時から一切の勝負事に無能の私は、あ、こいつ世界と博打を打ってるな、と、羨ましかったのかどうか、ともかくそう思った。
2012-07-05 00:47:03邦訳では「狂気、営みの不在」となっているのか、フーコーの文章があって、原文ではそれが「未来形」によって書かれていること・・・つまりフーコーは未来からわたしたちがどう見えるかを書いている。とするとしかし、その「未来人」はフーコーにはどのように「仮説・仮設」されていたのだろうか?
2012-07-05 00:53:29「営みの不在」とは如何にも誤解を生む訳語だ。sans oeuvre。じゃあどう訳すか? たとえばフィービとセルジ・ウォージントンの「くまさん」シリーズのくまさんの営みに近い感じ? 或いは中原昌也がそうなろうとしている感じ? とすると「未来人」には僕らは中原昌也に見える? クール!
2012-07-05 01:05:25「連中」? 或いはカメラのようなものだけがそこに「残っている」のかもしれない? ルーセルの『ロクス・ソルス』みたいに・・・或いは・・・いろいろ・・・ともかく「人間」ではなくて・・・
2012-07-05 01:12:28読み返したら「ドゥルーズ」というCDもプロフェッサーズが出しているように読めてしまう。正確には、Mille Plateauxはレーベルらしい、題名は「In Memoriam Gilles Deleuze」、フランクフルトで1996年に出ている。代表名はSzepanskiだろうか。
2012-07-05 01:25:00中原昌也「と」安井豊作・・・豊作! 安井豊という同姓同名の知人がいるからこんがらがらなくていいけど。黒沢さんの『大いなる幻影』を見なおそうかしら・・・
2012-07-05 01:34:21マネの後継者はゴダールだと言ったのは小林康夫? 蓮實さん? ちなみに、無責任に、マネの後継者はアンリ・ルソーだ、とか言ってみる。宮川淳もルソーを愛していた気配がある。・・・しかし驚いたことに、フランスのアマゾンで調べても、ルソーに関してろくな本が見つからない。
2012-07-05 01:41:30導眠剤が効いてきた。ネパールの農村地帯ならマリファナというところなんだろうが、僕は体質的に効かないので手にしたことがない。韜晦ではありませんよ。ナムジュン・パイクさんも効かないタイプと言っていた。アルコールを受けつけないのと同じで頭痛がするだけ。ともかくようやくおやすみなさい。
2012-07-05 02:30:40