【ネタバレ】 #屍者の帝国 感想ツイート 【 #projectitoh 】

ネタバレ防止アカウント使ったのに「ハッシュタグでネタバレをするな」と怒られてショボーンだったので、タイトルにハッシュタグ入るようにまとめました。これならきっと怒られない。
8
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

けっきょく今日になってしまったけどとにもかくにも『 #屍者の帝国 』だん。読みながらも読み終わってからも大爆笑だった。(いい意味で)なんだよこれw3年ぶんの期待を明後日の方向から真正面に投げ飛ばしてくれやがったwwあと河出さん詰めが甘い、掛け算にするなら順序が逆よこれwww

2012-08-25 16:13:29
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

文句なしに伊藤計劃の系譜に連なる物語であり、且つ正真正銘俺たちの円城塔が紡いだ世界であり、同時に円城塔の名も、伊藤計劃という名前さえも必要としない、掛け値なしのエンターテイメントだったよ。 #屍者の帝国

2012-08-25 16:14:00
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

読んでる間「松ノ枝の記」が何度も頭を掠めて、盟友の絶筆を書き次いだのでなく、今もそれぞれ創作を続ける2人の作家がほんの戯れで、漫画家がネームを交換するように、互いのプロットを交換しただけのような気がしてきて、こういう企画もっとやってほしいね!って素直に思った。 #屍者の帝国

2012-08-25 16:14:40
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

もちろんそれは望むべくもないんだけど、いくらベースがあったとはいえ、円城塔が円城塔のまんま、問答無用に面白い物語を帽子の中から取り出して見せたというのはもう最高のご褒美で、これきりというのはあまりに勿体ないというか( ´・ω・`) #屍者の帝国

2012-08-25 16:17:14
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

ただまあ個々には不幸としかいいようのない物事をも含め、この5年間に日本のSF界隈で起きたすべてをリアルタイムで経験できたことは、いちファンとして幸運でした(もちろんここは終着でなく、なにがしかの区切りですらないのだけど)。願わくは僕自身があと10年若かったなら。 #屍者の帝国

2012-08-25 16:17:46
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

しかしこのふたりの名前の英語表記はいつ見てもほれぼれする調和。 http://t.co/tCuAqSgv

2012-08-25 20:38:20
拡大
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

さて、昨日くじらが出て投稿できなかった #屍者の帝国 についてである(・ω・)まあまだざっと読んだだけでとても分析とか批評とかできるものではないんですが、ひとまずフレッシュな感想を留めておきたく。

2012-08-26 13:41:25
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

ここからはネタバレ防止用アカウント( @EOC_now)を使いますので、読まれるかたはEOC_nowさんフォローするかホームからどうぞ(・ω・)

2012-08-26 13:45:08

(ほんとはここから続いたのですが、後日「ハッシュタグでネタバレをつぶやくな」とクレームが来たので一旦削除しました。)

あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now 屍者の帝国、何を措いてもまず目立つのは、徹底的ともいえる「キャラ借り」で、名前が出てくるような登場人物はすべて過去の名作に登場するか、そうでなければ実在している。解析機関、ノーチラスのような小道具まで必ずどこかから引っ張っている。

2012-08-28 00:51:38
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now これはプロローグの時点で伊藤計劃によって示された意図を円城さんが忠実に推し進めたということだろうけど、つまりは最初の二重化がここにあって、屍者を働かせるという物語じたいを死者によって演じさせているのが、この「屍者の帝国」の基本構造じゃないかと。

2012-08-28 00:54:59
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now 死者といっても半分は架空の人物なわけですが、「屍者の帝国」本編の終盤で描かれた「大規模演算が物質に転化する」ことを踏まえれば、じゅうぶんな量の情報の集積は実体とイコールになるわけで(続

2012-08-28 00:57:57
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now つまりワトソンやヘルシングやフランケンシュタインのように、じゅうぶんに多くの人々に読まれ、繰り返し描かれた存在は実在するのと同じ、ということで、彼らはみな「実存する死者」として「屍者の帝国」に召喚されたんですね。

2012-08-28 00:59:07
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now で、円城さんは予め二重化された「屍者の帝国」を書き継ぐにあたってもう一段の多重化を施すことにして、それが円城パートの書き手を務める屍者・フライデー。エピローグから明らかなように、彼は単なるレコーダでなく意思を持った記述者である。そしてここでも使われるのは死者。

2012-08-28 01:01:10
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now 「屍者の帝国」特設ページの「あとがきにかえて」 http://t.co/cbHOomcp で書かれていた「伊藤計劃という死者を働かす」ことを含めて、どうせならとことんまで死者を使ってやろう、というのはなんかいかにも円城さんらしい気がする。

2012-08-28 01:02:08
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now で、みんなこだわってる文体の件なんですが、僕は「屍者の帝国」にそこまで「伊藤計劃の文体模写の意図」を感じなかった。もちろん言葉の使い方は慎重に選んでいたけど、円城さんにはGoldberg Invariantなんていう作品もあるわけで。

2012-08-28 01:03:00
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now そもそも「屍者の帝国」では明確に「書き手の交代」を示している以上、あえて模写する必要がない。円城さんが言っているように、あれが伊藤計劃の文章に見えたというならそれは伊藤計劃の文体がそれだけ幅広いというだけのことだと思う。

2012-08-28 01:03:55
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now むしろ円城さんが心を砕いたのは「屍者の帝国」が決して伊藤計劃の集大成には見えないように、ということで、そのために「世界観で語る」「エンターテイメント作品」という2点を極端すぎるくらいに突き詰める必要があったんじゃないかと。そしたらこうなった。

2012-08-28 01:07:55
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now 「屍者の帝国」はあらゆる点で行きすぎ。キャラ借りも歴史改変もパロディもこれでもかと詰め込まれた小ネタも。言葉と意識の根源といった「伊藤計劃的」テーマを正面から扱いつつも全体がどぎつい悪ふざけの様相を帯びるのはそのせいだけど、これはある程度意図してのことでしょう。

2012-08-28 01:13:51
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now つまり「屍者の帝国」は明らかに神林長平の「いま集合的無意識を、」に対する強烈な反論であって、伊藤計劃にはまだいくらでも語ることがあったし、神林さんが「呪詛」と読んだ伊藤計劃の言葉を自分は祝福として浴び、今こうして進んでいますよ、という壮大な惚気話でしたね。

2012-08-28 01:17:59
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now 掛け算が逆といったのはそういうことで、結局BLで締めるんかいという感じですがほんとに「屍者の帝国」、これ以上のラブレターはないと思いますよ…エピローグのⅡなんか深読みするまでもなく伊藤計劃へのメッセージだし。見せつけてくれるわ…

2012-08-28 01:21:14
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

@EOC_now ところでみんなストライクウィッチーズやら斬鉄剣やらにザワザワしてたけど、個人的にいちばん好きな小ネタは最後、リットンに「敵は誰だったかね」と訊かれたワトスンが自分の頭を指さすとこですね。虐殺器官でアレックスが「地獄はここにあります」というときの仕草。

2012-08-28 01:36:54
あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

そうこうしてるうちにうっかり読み返してしまってこんな時間なんですが、やっぱりどう考えても「屍者の帝国」の最重要関連図書は(2人の著書を別にすれば)神林長平「いま集合的無意識を、」だと思う。キャラやセリフの元ネタなんて分からなくてもじゅうぶん面白く読める。

2012-08-28 02:02:50

神林長平「いま集合的無意識を、」(『いま集合的無意識を、』表題作)
http://amzn.to/NOewCl

東日本大震災後の日本にとてもよく似た、でも少しだけ異質な世界で、SF作家である「ぼく」は、突然コンピュータに現れた「伊藤計劃」を名乗る存在と対峙する。
作中の「ぼく(=神林自身)」は、伊藤計劃の『ハーモニー』について、病をきっかけに神仏の不在を知った伊藤が、自分の死後も何事もなく続いていく世界と人類に向けて放った「呪詛」だったと述べている。

これに対する円城さんの見解は明らか。
http://www.kawade.co.jp/empire/
「伊藤計劃が闘病生活を送った故に、『虐殺器官』や『ハーモニー』を書くことができたという見解にわたしは与していません。当然、経験は小説の内容を変化させたはずですが、それが決定的で本質的なものであったとは、わたしにはどうしても信じることができません」
(あとがきにかえて より)

あさみ㌠(ダヨー) @adonis_fish

2人の本って書いたけど、伊藤計劃のほうはもちろん虐殺器官とハーモニーとして、円城さん側の関連図書って選ぶとしたらなんだろう…とふと。やっぱBoy's surfaceかなあ。

2012-08-28 02:14:05