「被曝の真実」命懸け問うた科学者の遺言

『放射線被曝の歴史』(中川保雄)より http://www.akashi.co.jp/book/b94582.html
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放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

彼らはこの深刻な被害に対して、より多くの被害者が生み出される事柄を引き合いに出し、放射線被曝による影響はその何%にすぎないというように、深刻さを相対的に小さくみせてごまかしをはかる。そうでなければ、その深刻な被害を平然と無視する。⑪

2012-10-22 23:31:02
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

彼らは、自らが抱くそのよこしまな恐れ、政治的・経済的な理由にもとづく恐れを「理性的」なものと誉めそやし、誰もが自然に抱く危険な放射能への恐れは「感性的」なものとさげすんでいるのである。⑪

2012-10-23 02:30:59
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

危険なものを危険でないと強弁するところから、ごまかしと矛盾が始まる。本質的に安全なものは、「安全」の言葉をもって身を飾りはしない。「原子力の安全性」や「放射能汚染食品の安全性」などというのは、それ自体が矛盾である。危険なものは危険とすることからしか前進や発展は生まれない。⑪

2012-10-23 05:30:59
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

ごまかしやでたらめを許さないためには、原発推進・容認への批判が強められ、反原発運動が大きく発展させられる以外にない。もちろん、ヒバクの被害を源から絶つには、核廃棄、原発・核燃料サイクルの全面的な停止を実現する以外にない。⑪

2012-10-23 08:31:06
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

反核・反原発運動は、世界中のヒバクの被害を可能な限り少なくするために、ヒバクに反対する運動をいっそう進める必要がある。⑪

2012-10-23 11:31:04
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

放射線の危険性を抜本的に見直すことがまず求められている。すなわちICRPのリスク評価とそれにもとづく被曝線量限度を現行のものより少なくとも一桁以上引き下げる大幅見直しを求める運動を発展させることである。それは、広島・長崎をはじめとする原爆被爆者の犠牲を無にしない運動である。⑪

2012-10-23 14:31:03
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

放射能汚染食品の場合も、キログラムあたり三七〇ベクレルの基準を少なくとも一桁以上、特に幼児向けのものは少なくとも二桁以上引き下げること、放射能の測定値を公表することを、厚生省、自治体および食品関連機関に求め、実現してゆくことが必要である。⑪

2012-10-23 17:31:02
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

被曝基準の大幅な引き下げは、原発や再処理工場などの運転を経済的、技術的にきわめて困難な状態へと追い込むことになろう。⑪

2012-10-23 20:31:04
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

放射線被曝の危険性の認識の広がりと深まり、そしてその危険性を生み出す根源を明らかにすることこそを、われわれは「科学の進歩」と呼ぶべきである。⑫

2012-10-23 23:31:03
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

その進歩は、ICRPを中核とする“エスタブリッシュメント”の「科学」や根本思想に反対し、ヒバクの押しつけと犠牲の強要を告発する人びとによって目的意識的に追及され、獲得されてきたものと言わねばならない。⑫

2012-10-24 02:30:59
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

絶えず生み出されるヒバクの犠牲者によって凝視することを求められ続けている放射線のリスク問題、放射線の危険性の評価の問題は、原発推進派のアキレス腱である。⑫

2012-10-24 05:30:59
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

ICRPなど原発推進派のリスク評価の誤りが、それに反対する側から過去一貫して指摘され続けてきたが、彼らはその批判を受け入れることを拒み続けてきた。彼らはこの最大の弱点を隠し続け、問題にすることを極力避けようとしてきた。⑫

2012-10-24 08:31:06
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

これまでの放射線被曝防護の考え方の根本におかれてきた考え、すなわち人びとの生命や健康よりも原子力産業の経済的利益を重視する思想を批判すること、ICRPとその勧告を批判することが、きわめて重要になる。その点が放射線のリスクと被曝線量の大幅見直し問題を考えるうえでの核心である。⑫

2012-10-24 11:31:02
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

放射線被曝を一般的には危険と認めはするが、ICRPが果してきた歴史的・社会的役割をみようとしない科学者が多くいる。⑫

2012-10-24 14:31:02
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

原発推進を支持する者は、ICRPとその勧告をもまた支持してきたのである。⑫

2012-10-24 17:31:03
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

原発に反対する科学者の中にも、数多くはないが「ICRPの精神」を支持する人がいる。このことはヒバクの押しつけへの反対がまだまだ弱いものであること、ICRPとその思想への批判が不十分なものであることを教えている。⑫

2012-10-24 20:31:03
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

放射線被曝に対する防護策の一番の基本は、被曝を可能な限り少なくすることである。⑫

2012-10-24 23:31:02
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

自然界からの放射線被曝による被害は、今日のところ避けられない。大切なことは、そのうえに余分な被曝をつけ加えないことである。余分な被曝の最たるものが、核兵器開発や原発・核燃料サイクルによる放射線被曝である。⑫

2012-10-25 02:30:59
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

ICRPなど原発推進派は、人の健康上の判断からは、被曝を少なくすることを認めざるをえないが、それでは原子力産業の活動が不可能になるために、原子力利用の社会・経済的利益を考慮せよと迫って、線量限度内の被曝を強要する被曝防護基準を作り上げてきた。⑫

2012-10-25 05:31:00
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

彼らが高らかにうたいあげているICRPの精神とは、被曝を、人の生命を、金勘定する精神である。原子力産業は、現代の死の商人である。彼らは被曝を可能な限り少なくしようなどと考えはしない。⑫

2012-10-25 08:31:07
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

核の時代に入って以後、被曝防護の体制は、核兵器と原子力発電を至宝とする支配層が、被支配者にヒバクを強要するための社会的仕組みとなった。放射線量限度は、支配者による被支配者へのヒバク押しつけ限度である。⑫

2012-10-25 11:31:04
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

ICRPは国際的科学権威の組織などと言える代物ではむろんない。ICRPとは、ヒバクは人民に押しつけ、経済的・政治的利益は原子力産業と支配層にもたらす国際的委員会である。⑫

2012-10-25 14:31:03
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

放射線被曝の押しつけへの反対は、その源を絶つことによって徹底される。核兵器と原発・核燃料サイクルとをなくさない限り、現代の主要なヒバクの押しつけを絶つことはできない。⑫

2012-10-25 17:31:02
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

核兵器に反対するものの、原発には反対しない人びとがいる。諸悪の根源を絶つことに徹底しない、したくない人たちである。そのヒバクの押しつけに不徹底にしか反対しない姿勢が、ICRPとその勧告への支持となって現れる。⑫

2012-10-25 20:31:04
放射線被曝の歴史 @YNakagawa_bot

ICRPに対して徹底した批判を加えうるかどうかは、ヒバクの押しつけに対して徹底して反対していけるかどうかをはかる試金石である。⑫

2012-10-25 23:31:03
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