プラトンから始まる、本当に怖いアフリカの童話

イソップやグリム兄弟はどれだけの民話を葬り去ったんだろうね‥
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古川 @furukawa1917

「プラトンおるやろ、プラトン」「知っとるで。戦争映画やろ」「それはプラトーンや」「じゃ、四次元怪獣か」「それはブルトン」「ソ連のロケット?」「それはプロトン」「ベイスのピッチャー」「それはブランドン」「白亜紀後期に棲息していた翼竜の」「それはプテラノドンやーっ」

2012-09-25 21:40:03
古川 @furukawa1917

純粋理性批判を読んでたらしょっちゅうプラトンプラトン出てくるので、カントは少し置いといてプラトンの「国家」を先に読んでみた。とりあえず上巻を読了。ソクラテスと友人たちが、正義とは何であるか、正義を実現するためには何が必要かを語り合う。

2012-09-25 21:41:44
古川 @furukawa1917

といっても、友人たちは「はい」とか「おう」とか「せやな」とか合いの手を入れるだけなので、実際はソクラテスの独演会状態なのだが、俺はソクラテスについては知らんので、本書の思想はすべてプラトンのものとして扱う。

2012-09-25 21:44:04
古川 @furukawa1917

正義とは、個人が節制と調和を堅持することによって自分自身を支配することであり、正義が実現されるためには、完璧に調和された理想的国家の建設が必要である。そして理想国家を実現するためには、哲人支配こそが唯一の方法だったんだよ!な、なんryというあたりまでが上巻の内容である。

2012-09-25 21:46:51
古川 @furukawa1917

たぶん、当時のギリシャには「正義」についての統一的見解が無かったのだろう。なにせ王政、民主制、僭主制、寡頭制が並存していたのだ。正義について語るのも命懸けだったと思われる。実際、ソクラテスやイソップは処刑されてるわけだし。

2012-09-25 21:51:15
古川 @furukawa1917

本書で面白いのは、理想国家を維持する方法として、特に教育が重要視されているところだろうか。曰く、ギリシャ神話やホメロス等歴史書には悪が栄えるような話があるが、こういうものは教育上よろしくない。(プラトン的)正義がなされるような話のみを読み聞かせるべきである云々。

2012-09-25 21:58:07
古川 @furukawa1917

確かに、ギリシャ神話に限らず、近代以前の民話には無茶苦茶な話が多い。それはそれで民衆の感情の発露なのかもしれんが、善人が報われず死ぬ話や、泥棒が主人公の話、なにがなんだかまったくわからない話などがあって、どす黒い感情に慄然とすることがある。

2012-09-25 22:03:04
古川 @furukawa1917

例えばアフリカに「コーロモドモ」という民話がある。コーロモドモという怪物があらゆる人類を飲み込んでしまうが、ある母親と少年のみが逃れて洞窟に隠れる。少年は成長してコーロモドモを殺し、腹を切り裂いて人々を救う。人々は少年を王に推戴するが、ある男が異議を唱える。

2012-09-25 22:09:40
古川 @furukawa1917

「俺がコーロモドモの腹の中にいたとき、こいつの剣先が当たって怪我を負った。絶対に許さない。大体こいつはコーロモドモを殺すようなやつだから、こいつ自身も化け物に違いない。殺してしまえ」この男の意見が勝ち、少年はなぶり殺しにされましたとさ。めでたしめでたし。 あのさあ…

2012-09-25 22:13:44
古川 @furukawa1917

マダガスカルの話。あるところにドソという鼻つまみ者がいて、神は敬わず、物は盗む、女は攫うと酷いので、ついに捕まって籠に詰めて川に沈められることになった。ところが、籠の近くに羊に逃げられた老婆が通りかかったので、ドソは羊の鳴き真似で婆あを誘き寄せ、婆あを籠に詰めて逃げてしまった。

2012-09-25 22:19:22
古川 @furukawa1917

で、籠は川に投げ込まれて罪もない婆あは溺れ死に、ドソは外国へ逃亡。海外でもえげつなく儲けて、億万長者になって戻ってきた。人々は驚いて問い詰めるが、ドソは涼しい顔で答える。「川の底に黄金の王国がありましてね、そこで一儲けしたんですよ。まったく皆さんが川に放り込んでくれた御蔭です」

2012-09-25 22:25:08
古川 @furukawa1917

男たちは石を抱き、先を争って川に飛び込んだ。当然誰も帰ってこない。未亡人たちにドソは言った。「さあお前ら、くよくよしたって始まらねえや。俺がお前らの父親、旦那、息子になってやるからよ」こうしてドソは村の支配者になりましたとさ。 なんやこれ・・・

2012-09-25 22:28:43
古川 @furukawa1917

こういう物騒な話はプラトン的正義観、すなわち西欧的価値観が浸透していくに従って淘汰され、子供たちはかちかち山や舌切り雀やこぶとり爺さんを聴かされて育つようになった。つまり、我々は知らず知らずのうちにプラトン的正義の世界の住人になっていたわけだ。

2012-09-25 22:34:26
古川 @furukawa1917

日本が西欧的文明観を受け入れて発展してきた以上、いくら「欧米帝国主義植民地支配を打破せよ!正義は我にあり!」とか叫んだところで、その正義はプラトン的な正義なわけで、所詮俺たちはプラトンの掌の上で踊っていたに過ぎなかったんだよ!な、なんry

2012-09-25 22:40:36