プラウトゥスとテレンティウス(西洋古典叢書)を読む

プラウトゥスの喜劇の翻訳が西洋古典叢書で出ているので読んでみた。テレンティウスも含めた。
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花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス『ポルミオ』、主人が金儲けに誘われて旅に出た、家来1「もうあれだけ財産があって、あまってた人なのにかい」家来2「そういう性分なのだから」家来1「ああ、おれが王様だったらなあ」(西洋古典叢書) これだと金儲けが性分だと読める「王様だったら」も意味不明。

2011-06-24 14:20:26
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス『自虐者』(西洋古典叢書)。この翻訳はだめ。単独で読んでもストーリーがわからない。シュルスが娼婦のバッキスに来ないように言ってくるといって出かけたのに、次のシーンでバッキスは来ている。計画変更があったのだが、その経緯がセリフからわかるように訳せていない。

2011-07-01 00:44:31
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス『宦官』、タイスの妹を指す言葉も、「女の子」→「娘」→「その子」と変わる。次のタイスのセリフ中にいきなり「娘が美人で」。これが同じ女の子ことであるのがわかりにくい。原文通りに訳したのだろうが、読者の理解を考えていない。

2011-07-01 02:13:57
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス『義母』、老女が娼婦に説教。娼婦の客なんて敵と同じなんだから復讐するつもりで仕事をしたらいい。それとも「敵に復讐するのが悪いっていうのかい。連中が人をだまそうとするのと同じやり方で、かえってだまされるのが」って、騙されたら復讐にならないじゃないか。

2011-07-01 02:39:54
花房 友一 @tomokazutomokaz

実は原文を見ると、受け身である「騙される」の主語は連中なのだ。原文に忠実な訳。それなら「人を騙そうとする連中がそれと同じやり方で騙されるのが悪いのか」とすべき。『義母』はかなりレベルが低いようだ。結局、テレンティウス6作品の翻訳のうちで読めるのは2つだけ。

2011-07-01 02:43:36
花房 友一 @tomokazutomokaz

Terentius 読むには、ここ逃せない。要フランス語だが。hyperdonat.ens-lyon.fr/IMG/html/DonAd…

2011-07-13 01:34:30
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス『アンドロス島からきた女』、既存の翻訳ではわからないが自分で読んで日本語にしてみると、これはすごい。単なるコメディーを越えたドラマがあるなあ。2000年の歴史を生き残ってきただけのことはある。

2011-08-03 03:07:25
花房 友一 @tomokazutomokaz

古代ローマ喜劇『アンドロスの女』(テレンティウス作)のわかりやすい和訳はこちら。geocities.jp/hgonzaemon/and…

2011-08-18 03:13:53
花房 友一 @tomokazutomokaz

古代ローマ喜劇テレンティウスの『自虐者』のわかりやすい?和訳はこちら。geocities.jp/hgonzaemon/HEA…

2011-09-23 00:43:46
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス「宦官」冒頭。「あなたさまが、こういうはっきりしないものを、理性によってはっきりしたものにしようとするなら、それは理性を働かせて気違いになろうと努めるのと同じです」。恋についてあれこれ思案する主人公に対する召使の忠告。

2011-09-24 22:41:56
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウス「宦官」の訳の出展はグロティウスの「戦争と平和の法」の論文。appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/hougaku2… 西洋古典学者たちより、よほど正確に訳している。

2011-09-24 22:44:07
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウスは「理性的に発狂」などという新しい概念を発明したわけではなく、うまくいかない恋についてあれこれ理屈をこねて考えていると、しまいにはノイローゼになるよ、というごくありふれたことを言っているだけ。

2011-09-24 22:48:08
花房 友一 @tomokazutomokaz

西洋古典叢書『ローマ喜劇集2』(プラウトゥス)5つ入ってるが、読めるのは『カシナ』『クリクリオ』。あとは睡眠剤。脈絡のわからない文章を読むと眠くなるんだな。『エピディクス』は後書きを先に読むと読めるので文章はいい。

2011-11-09 21:50:20
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス『綱曳き』(講談社)松平千秋訳はさすがに読めるように訳してある。落語の口調を取り入れてあり快調に読める。

2011-11-10 21:51:30
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥスを訳すなら、どれだけ短く訳すかが鍵だな。書いてあることを全部日本語にすると長い長い。同じ事ばかり言うし寄り道はするし言葉遊びはするし、で訳文では飽きてしまう(おまけに五七調じゃ)。テレンティウスは逆に全部訳すほうが面白い。

2011-11-12 00:50:39
花房 友一 @tomokazutomokaz

ローマ喜劇集1プラウトゥス『アンフィトリオ』。この翻訳は分かって訳しているところと分からずに訳している所がはっきりしている。分からなかったところの翻訳はわけの分からない日本語になっている。原文を自分で読んで自分で考えてくれと言う態度だな。

2011-11-13 14:22:46
花房 友一 @tomokazutomokaz

ジュピターはアルクメネの旦那のアンフィトリオンの姿をして旦那の留守に家に入り込んでアルクメネと共寝をしてヘラクレスを身ごもらせるという神話。夫アンフィトリオンが帰ってきたとき、どんな夫婦げんかが起きるかという観点から喜劇にしたのがプラウトゥスの『アンフィトリオ』。

2011-11-13 18:26:00
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス『ロバ物語』(西洋古典叢書)153行、クレアレタ「誰か買い手がやってきて、ピリップス金貨を積んだとしても、あなたの言葉の一つでも、私から持っていくことはできはしない」。意味不明。

2011-11-13 19:11:32
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス『ロバ物語』(西洋古典叢書)155行「失礼にも私たちにおっしゃったことは、純金、純銀ともいうべきもの」つづけて意味不明。悪口が純金ってなんだよ。

2011-11-13 19:32:49
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥスの上記箇所の注釈はStudien zu Plautus' Cistellaria books.google.co.jp/books?id=9CamW…

2011-11-13 19:42:39
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥスの『ロバの話』。息子が花魁と相思相愛になるが金がなくなって遣り手婆に追い返される。大旦那の父親に相談すると出してやると言う。ロバを売った代金が入ってくるので、その金を番頭には内緒で受け取って息子に渡すが、自分も花魁のご相伴に預かる。それが妻にバレて叱られるという話

2011-11-15 15:12:58
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥスの喜劇ではテレンティウスに見られる親子の葛藤がなく、むしろ父親が花魁に通う金を出してやる引き換えに自分も仲間に入れさせたり、金を預った手代が金を息子にわたす前に渡して欲しけりゃああしろこうしろと、息子をいたぶり倒す、スラップスティックのどたばた喜劇。

2011-11-15 15:20:32
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウスの喜劇では役のせりふのそれぞれが全体のストーリーの中で役割を持っているのに対して、プラウトゥスの喜劇のセリフはその時その時の受け狙いか、言わせたかったから言わせているという類いのものが多い。だから一つ一つのセリフの意味がはっきりしなくてもストーリー展開は理解できる。

2011-11-15 15:25:05
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス喜劇『メナエクムス兄弟』もまたストーリーの面白さはない。別れて育った同姓同名の双子の兄弟の一方が片方を捜してある町に来ると、やたらと別の人と間違えられる。その間のやり取りをセリフにしているだけ。二人が出会うまでそんなことばかりが続くどたばた喜劇。

2011-11-16 14:05:43
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス1『黄金の壺』(西洋古典叢書)は一部を除けば快調に読める。写本の不備で途中で終わってしまうのが残念なほど。黄金の壺を自分の家で見つけたケチケチ爺さんが壺が盗まれないか心配する様子は落語『水屋の富』、切った爪も惜しがるケチぶりも落語にそっくり。

2011-11-16 17:36:15
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