プラウトゥスとテレンティウス(西洋古典叢書)を読む

プラウトゥスの喜劇の翻訳が西洋古典叢書で出ているので読んでみた。テレンティウスも含めた。
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花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス2(西洋古典叢書)『バッキス姉妹』は『クリクリオ』と同じ訳者だったが、平板な訳で退屈。眠気を抑えるのに苦労したなあ。原文にはない敬語を使いわけないと日本語にならないよ。

2011-11-17 19:09:30
花房 友一 @tomokazutomokaz

『バッキス姉妹』でも遊女に払う金に窮した若旦那を助ける番頭が大旦那を騙して金を工面するという話はテレンティウスと同じ。違うのは大旦那たちも最後は遊女に惚れてしまうところがプラウトゥス独特。

2011-11-17 19:21:47
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス『アンフィトリオ』のマーキュリーのプロローグは、神として偉そうにしゃべっているかと思うと、急に一役者の立場になって「だから静かにして見てね」と観客に媚びる、とまた偉そうに神の態度をとるかと思うと、また「お客さんにうけないとあたしらも後で罰を受けるのよ」と泣き言を言う。

2011-11-17 23:17:23
花房 友一 @tomokazutomokaz

だから西洋古典叢書のプラウトゥス1の訳「そんなわけで、わしは穏やかにこちらにやって来て、その穏やかさをそなたらに伝えている」(8p)はトンチンカン。「静かに見てね」ということを神の立場で偉そうに言っているんだよ。「われは静穏の内に来たりて汝らに静穏をもたらさんとする者なり」。

2011-11-17 23:37:25
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス1『捕虜』、他国で戦争捕虜となっている自分の息子と交換するために、自国で戦争捕虜となっている若旦那と召使を買い取って、その片方を他国に派遣して息子を連れ戻す話。その中に昔さらわれたもう一人の息子との再会や召使が旦那をペテンに掛けるいつものストーリーが組み込まれる。

2011-11-18 21:34:30
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス1『捕虜』、西洋古典叢書の訳はよく分からないままに訳し始めて途中から分かってきたという経過が訳文に現れている。最初の梗概の訳などはさっぱりわけが分からないものになっている。そのうちはっきりしてきて訳文もはっきりしてくる。後半まで辛抱するしたら読み終えられる。

2011-11-18 21:38:05
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス1『捕虜』。太鼓持ちが旦那に息子の帰還を知らせる場面は、太鼓持ちがなかなか知らせないで、ひっぱりまくるセリフの遊びがたっぷりある。これは全部笑わせる仕掛けなんが、それを翻訳で再現するにはものすごい力量が必要。西洋古典叢書の訳では、ただ長くて退屈なだけになっている。

2011-11-18 21:40:34
花房 友一 @tomokazutomokaz

テレンティウスの『ポルミオ』の和訳は講談社から昔出ている。西洋古典叢書の訳は参考にしたと書いているが全然別物である。いいところとって進歩させればよかったんだが、一からやっているので欠点も多い。日本人の訳はこういうのが多い。

2011-11-22 00:33:53
花房 友一 @tomokazutomokaz

TerentiusのLoeb叢書の新しい英訳は何も言っていないがペンギン文庫の英訳を完全に受け継いで発展させたもので、同じ訳文があちこちに出てくる。いいところは受け継いで変えるところだけ変えているというやり方。

2011-11-22 00:35:59
花房 友一 @tomokazutomokaz

西洋古典叢書プラウトゥス4『プセウドロス』これはひどい。粗筋しか分からない。「お前何言うとんのん」と言いたくなるセリフの連発。分からないまま訳してるんだろうなあ。

2011-11-22 18:06:39
花房 友一 @tomokazutomokaz

西洋古典叢書プラウトゥス4『スティクス』。これはゲラシウムのセリフが笑わせどころ。ところが、これが訳せてないのでチンプンカンプン。アンティポンのセリフも笑うはずなのだが、日本語になっていない。この巻はまだ読める訳に出会わない。

2011-11-23 18:11:42
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス4『三文銭』の訳者はテレンティウスの『義母』のへたくそな訳者なので下手だろうと思ったら予想通り。最初の梗概がチンプンカンプン。漢字だけを目で追うナナメ読みに切り替えて読了。これは荒筋だけを知るにはいい方法だ。

2011-11-24 17:51:40
花房 友一 @tomokazutomokaz

若旦那と相思相愛の遊女を軍人が身請けして連れ去るのを防ぐために、若旦那の召使が置屋の主人をペテンにかけて、遊女を横取りしてしまうというのが、プラウトゥス『プセウドロス』の筋書き。

2011-11-24 17:56:29
花房 友一 @tomokazutomokaz

軍人は身請け代の20ミナのうちの15ミナだけをすでに先払いしている。召使のプセウドロスは、置屋が留守の時に残りの金を持ってきた軍人の使いから軍人の手紙を預けられる。そこでプセウドロスは、軍人の使いの替え玉を立てて残りの金と手紙を持たせて置屋に会わせて、遊女を身請けして横取りする。

2011-11-24 18:05:59
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス4『トルクレントゥス』「彼女は法に反して、僕から家畜税ではなく家畜を取った」。ここから意味不明。『ロバ物語』もひどかったからこの人の訳はこんなもの。あまり考えずにナナメ読み。

2011-11-25 17:06:52
花房 友一 @tomokazutomokaz

西洋古典叢書プラウトゥス4は読める翻訳なし。全滅だったなあ。荒筋を知りたい人には役に立つかも。でも、それなら解説を読んだほうがわかりやすい。

2011-11-25 17:31:58
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス4最後の『旅行かばん』は断片集で、荒筋もよく分からないと解説に書いてある。

2011-11-25 17:34:00
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス3『商人』p80「もしも夫が妻に隠れて商売女を連れ込んで、罪ある妻が離婚されるように、同じ罰を受けるのであれば」。3回読んでも分からない。推敲が足りない。はじめのデミポの夢の話で「猿の女房の持参金を食いつぶした」のあたり意味不明。残りの部分ははまあまあ読める。

2011-11-26 21:51:12
花房 友一 @tomokazutomokaz

ローマ喜劇集プラウトゥス4『ほらふき兵士』p197 パラエストリオのセリフが二つ並んでいる。印刷ミス。前のほうはピュルゴポリュニケス。二刷があれば直ってるはず。

2011-11-27 23:04:15
花房 友一 @tomokazutomokaz

講談社テレンティウス『ポルミオ』の翻訳は考えぬかれていることがわかる。西洋古典叢書のよりも深い。ただし、言葉の選び方が下手なのでスムーズに読めない。分かったことを全部言葉にして放りこんであるからあとの訳者が使える言葉がいっぱいあるが、バランスが悪くて理解の妨げになっている。

2011-11-29 01:28:03
花房 友一 @tomokazutomokaz

プラウトゥス、ローマ喜劇集3『カルタゴ人』の訳者は日本語ができるねえ。この人はキケロー弁論集(岩波文庫)も訳しているから、借りてきて読んでみよう。

2011-11-29 18:12:46
花房 友一 @tomokazutomokaz

ラテン語 di vostram fidem は「いやはや」「やれやれ」「いやまったく」だな。

2011-11-30 00:07:46
花房 友一 @tomokazutomokaz

ポルミオ1021「この件のかたをすぐに付けたいわ。でも何の望みがあるというの?」(講談社) 旦那の浮気を終わりにしたいというなら「かたをつける」ではなく「けりをつける」ではないかなあ。

2011-12-03 00:13:35
花房 友一 @tomokazutomokaz

ポルミオ1025「どういう訳で、あの人が今後別の人間になると期待していい、なんておっしゃるの」(講談社)の「別の人間になる」は原文にはない。ローブ叢書の英訳に引っ張られたね。"he will be a changed man?"(Loeb)

2011-12-03 00:32:58
花房 友一 @tomokazutomokaz

ポルミオ1043 DEM. facite ut voles 「あの子はあなたの言う通りするでしょう」(講談社) Penguinでは「クレメースはあなたの言いなりですよ」とクレメースと明記。その前の「安全を計っておこう」もLoebの英訳そのまま。最後の方は訳が雑になっているなあ。

2011-12-03 21:49:04
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