科学報道のあり方

内村直之さん、古田彩さんのツイートまとめ。
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内村直之 @Historyoflife

私は、昔、真崎先生、柳沢さんのエンドセリン発見を書いたことがあります。ネイチャーに載せる前(当時はそういうことができた)です。本人に取材し、隣の研究室のG先生にも聞き、さらに、その分野に詳しかった別大学のN先生に聞き、周辺の論文も調べて出稿しました。数年後に朝日賞を受賞しました。

2012-10-17 02:37:14
内村直之 @Historyoflife

そういうことはもう出来ません。でも、しなくてはいけないと思います。科学はアカデミアだけのものではない。プロフェッショナルのための科学だけではなく、一般人も含めて意味のある文化としての科学を、われわれはもっと重要視することが必要だと思います。その分野の歴史を知ることなども重要です。

2012-10-17 02:41:40
内村直之 @Historyoflife

文化としての科学をみんなのものとするために、もっと風通しよく、だれでも分かる形で、科学のニュースが流通しないといけないと思います。そのために、私たちは惜しまず勉強をし、調べ、人の話を聞き、今のいる位置を十分に考えながら、リポートをしないといけないと思います。

2012-10-17 02:44:21
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

今,この状況で記者の側から発言するべきかどうか,かなり迷った。私も今日,自分の記事に訂正出したばかりだ。だけどやっぱり書いておこうと思う。

2012-10-18 00:10:29
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

大学や研究機関が研究発表・取材を一元管理せよ、との声が散見されます。そう仰る理由もよくわかります。ですが,それをしたら科学報道は死にます。(続)

2012-10-18 00:10:59
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

発表だけを書いてると,記者が無能になるからです。みんな一緒に1時間の発表を聞いて,2時間で記事を書く。記者には必要なスキルです。でもそれでは知識はつかないし,研究者との関係も築けません。記者は鍛えられません。(続)

2012-10-18 00:11:40
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

わからなくても論文を眺め,研究会に出て,面白いと思った研究者に会いに行く。自分で考え,ほかの研究者の意見を聞き,記事を書く。そういう取材をしていれば,その分野の風景が見えてきます。「!」と思ったら誰かに電話をかけ,議論することができるようになります。(続)

2012-10-18 00:15:43
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

記者は自分で研究していません。たとえ理系の大学院なんかを出ていたって,あらゆる先端研究の内容を,自力で評価できるわけがないのです。記者の判断は,研究者の話を聞く中からしか生まれません。(続)

2012-10-18 00:20:56
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

ある成果に対する評価が研究者の間で大きく割れることもあるし,分野や立場が違うと全然違う見方をすることもよくあります。記者はそれを聞き,比較し,伝える必要があります。発表では決してわかりません。(続)

2012-10-18 00:21:40
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

大学や研究所の広報といえども,個々の研究発表の妥当性を検証するのは不可能です。広報が宣伝していた人が実はおかしかった,という実例もあります。またどういう縛りをかけようと,あさっての方向に行っちゃった研究者が自らマスコミに接触するのは防げません。記者を鍛えるしかないのです(続)

2012-10-18 00:22:45
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

理系出身の記者、研究経験のある記者を増やすのは大賛成ですが,そこが本質ではありません。私は理系の修士ですが、記者の検証能力は理系・文系の別より,圧倒的に取材量で決まります。(続)

2012-10-18 00:23:33
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

大学と研究機関にお願い致します。記者が研究者に会うハードルを上げないで下さい。取材の度に広報の許可を取れなんて言われたら記事の質は下がり,誤報は増えます。いつでも議論し,疑問を持った瞬間に携帯に電話し,その場で話を聞く。それができる研究者が何人いるかで,科学記事の質は決まります。

2012-10-18 00:28:19
Satoru Inoue @Inoueian

なんかとんでもない勘違いをしてる人が結構いるらしいのは分かる。(古田さん連続ツイートの件)

2012-10-18 02:22:14
Satoru Inoue @Inoueian

良い物を見て、育てようとしないで、悪いところだけ取り上げて文句言ってもなんも変わらんのじゃないかと思う。

2012-10-18 02:31:29
内村直之 @Historyoflife

そういうふうに努力する記者を増やすしかないでしょう。そういう記者を評価する社会にもしなくちゃいけないですね。 http://t.co/1jYy4Vfh

2012-10-18 02:42:41
Satoru Inoue @Inoueian

(RT)そういう事だと思う。自分を外に置いて叩くのは簡単。

2012-10-18 02:45:00
S.Hirano @Bimaterial

@ayafuruta http://t.co/spbK6bym 一連のツイート拝見しました。それら問題の多くは、研究者の時間を奪わなくとも博士号取得者を科学記者にすることで改善するように思います。専門知識、業界の慣例、研究者とのコネクション、検証能力などが備わっているためです。続

2012-10-18 04:13:50
S.Hirano @Bimaterial

@ayafuruta 業界ごとに要求されるものが違い、それに応じて人を雇うわけにはいかないでしょうが、せめて1社に分野の異なる2人がいれば劇的に改善されるように思えます。そのような狙いのリクルート活動が盛んでないのでは何故か…不躾な質問ながら見解を賜ることが出来れば幸いです。

2012-10-18 04:14:50
Satoru Inoue @Inoueian

広報とか報道に研究者が時間を使うのが勿体ない、という発想がまず徹底的にダメだと思うよ。もちろん研究者の中で向き不向きがあるとかそういう話はあるけれど、研究者の協力なしで伝えることなんて不可能。で、伝えることなしでは(特に基礎)研究する意味はそもそもほとんど無い。

2012-10-18 04:21:00
Satoru Inoue @Inoueian

そういう事に費やす時間がないのなら、その事のほうが問題視されるべき。

2012-10-18 04:21:54
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

.@bimaterial 博士号を持った科学記者が増えることは素晴らしいと思います。でも、そういう記者なら研究者にアホな質問をせずにすみ、取材も短時間で終わる、とはあまり思わないです。

2012-10-18 04:51:31
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

.@bimaterial 博士号を持った方でも、論文やリリースを読んで判断し、記事を書ける分野は限られます。例えば地震研究で博士号を取った方が、ヒッグス粒子の記事を書こうとしたら、やはり必死で取材しないと書けないです。それに科学はどんどん先へ進み、学生時代の知識は古くなります。

2012-10-18 04:56:42
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

.@bimaterial 弊誌の編集部に物理・工学系と生物・医学系の博士号を持った方がいたとしたら、前者のここ2年の担当エリアは巨大地震、原子力事故、ヒッグス発見、量子コンピューター、abc予想、小澤の不等式、はやぶさ帰還、クロスカップリング、太陽異常.モノポールなどです。

2012-10-18 05:01:28
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

.@bimaterial 科学を知る人であればなおさら、必死で専門家に聞こうとすると思います。知らずに書くことの怖さを知っているからです。記事の質はきっと向上すると思いますが、研究者に頂く時間はかえって増えると予想します。

2012-10-18 05:06:16
S.Hirano @Bimaterial

@ayafuruta 学生時代の知識を更新すること、担当分野が広いこと、知るがゆえに密なコミュニケーションを要すること…素人考えでは、どの問題も、記者の基礎知識や科学者集団内における経験があれば効率化が望めるように思えますが、既に失敗事例が相次ぐなどしているのでしょうか。続

2012-10-18 05:24:53