東海道中膝栗毛 [初篇]

十返舎一九が1802年に発表した「東海道中膝栗毛」。ここでは「初篇」を現代語に超意訳しご紹介いたします。意訳ではありますが、ストーリーはかなり原作を忠実に再現しました。 「道中膝栗毛發端」エピソードゼロはこちら→ http://togetter.com/li/398358 【文中で使用されている表現は、時代背景や作者の意図を尊重しています。ご了承ください】
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現代語訳 旅行用心集 @yajikita_douchu

弥次「おねえさん、そこのお椀を見せてくれるか」店員「はーい、お持ちしま、あっ、いらっしゃいませー」他の客のところへ行ってしまった。そこへすかさず店の婆さんがササッと駆けつけ、婆さん「はいはい、こちらでございますかの」

2013-01-08 19:27:22
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弥次「(婆さんを呼んだんじゃないよ?) いや、それじゃねえ。おねえさーん、そっちの盆を見せてくれ」また婆さんがササッと駆けつけ、婆さん「はいはい、こちらですかな」弥次「ちがーう!(ババアてめえじゃねえよぉお?) おねえさーーーん、その手に持ってる物はなんですかぁー?」

2013-01-08 19:27:35
現代語訳 旅行用心集 @yajikita_douchu

店員「はい、こちらはお煙草入れでございます」弥次「そう、それ。それだよ。いくらするの?」店員「こちらは3500円です」弥次「うーん、ちょっと高いな。1500円にしてくれよ」店員「え、それはご勘弁ください。こちらはとても良い品物なんですよ?」

2013-01-08 19:27:44
現代語訳 旅行用心集 @yajikita_douchu

おねえさんが困ったような顔つきで見つめるので弥次はキュンとなり、弥次「じゃあ2800円でどうだ」店員「それも困りますぅ」うるんだ瞳で弥次を見つめる。弥次「じゃ3500円」店員「あと少しお願いしますぅ」弥次「よし、じゃあ5000円出そう。これでどうだ」

2013-01-08 19:27:58
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店員「わぁっ、ありがとうございます」弥次「よし、もってけ」ポンと5000円を渡して店を出た。弥次「じゃあね、おねーさん」満足気な弥次に、喜多が呆れる。喜多「3500円の品物を5000円で売るとは新しい商売だな」

2013-01-08 19:28:08
現代語訳 旅行用心集 @yajikita_douchu

弥次「おい、あの子の俺を見る目つきを見たか? あれはこの俺に惚れた顔だぞ」喜多「バカじゃねーの」弥次「だってさ、俺のことずっと見つめてたぜ」喜多「いや、あれは睨んでたんだと思うよ…」

2013-01-08 19:28:17
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【中ぼん】箱根といえば寄木細工ですが、200年ほどしか歴史がないのはちょっと意外でした。東海道中膝栗毛が出版された頃は寄木細工が誕生する直前のようです。箱根丸山物産さんのHPなどに歴史が紹介されています。 http://t.co/PKsUQYvl

2013-01-07 19:26:08
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店を出てしばらく行くと、イガグリ頭をした地元の子供4~5人、向こうから歩いてきた。近づき弥次喜多に声をかける。子供箱根の権現様へ御代参しますちゃ。どうぞ10円お預けくださーい」喜多御代参ってなんだ?」子供「あなた方の代理でお参りいたします」

2013-01-09 19:41:41
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喜多「ふむ、俺の代わりねえ。だけどおまえら、俺の代わりになるようないい男はいないよな」ゴ~~~ン。遠くから鐘の音が聴こえる。喜多「ん、今のは何の鐘だ」弥次賽の河原だな」喜多「三途の川か?」

2013-01-09 19:41:50
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弥次「ここの賽の河原は極楽なんだぞ。向こうで僧侶達が鐘を鳴らしながら念仏を唱えてるんだ。ちょうど湖の畔の地蔵堂んとこだ」喜多「へえー」弥次辻堂は さすがにさいの かわら屋根 されども鬼は見えぬ極楽、だ」 http://t.co/oEPlpPMS

2013-01-09 19:42:00
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喜多お茶漬の さいのかわらの辻堂に 煮しめたような なりの坊さま、ってのはどうだ」弥次「どんな意味だ?」喜多「お茶漬の "菜" と "賽" をかけたんだよ。坊さんは醤油で煮たような服を着てる」

2013-01-09 19:42:10

箱根宿
江戸から二十四里三十五町 (98.1 km)

現代語訳 旅行用心集 @yajikita_douchu

やがて箱根の関所に到着した。とくに何事もなく通過し、峠の宿へ入る。「春風の 手形をあけて 君の代の 戸ざさぬ関を こゆるめでたさ」弥次「おつかれさん。さ、飲もう」喜多「おつかれー。かんぱい」道中三日目の夜はまったりと過ぎた。 http://t.co/nbLY5FkY

2013-01-09 19:42:19
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