【カオス理論】3.カオス理論の性急な応用、あるいは拡大解釈による混乱

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アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

カオス理論を物理学や生物学、社会科学などの具体的な状況に応用しようとする際、これをきちんと行うためには、まず系を記述するのに必要な変数がなんなのか、そしてそれらがどのような法則に従って時間発展しているのかを知っておかなければならない。これは非常に難しいことで、容易なことではない。

2010-01-27 00:21:52
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

数学的にしっかりと確立しているはずのカオス理論が、複雑系や自己組織化の未だ現れていない理論と混同されることも多い。ビジネス管理や文芸批評へとカオス理論が応用されているような節があるようなものにでくわしたら、ほら話としか言いようがないものが多いので、常に懐疑的であるべきである。

2010-01-27 00:44:09
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

「些細な原因が大きな結果をうむことがある」などというような、皆が持っているような知恵と、カオス理論を一緒くたにしてしまうことによる混乱もある。たとえば「クレオパトラの鼻がもう少し低かったなら」とか「釘が一本足りなかったために大帝国が滅びた」というような物語の類との、である。

2010-01-27 00:56:11
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

歴史学や社会学といった人文諸科学に、カオス理論が応用されているかのようにみえるものは、見栄えだけで大体嘘くさい。人間の社会というのは、莫大な数の変数が絡み合った複雑極まりない系であるから、それについていかなる意味のある方程式を書くこともできないものなのである。

2010-01-27 01:05:27
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

他には、哲学用語における「カオス=渾沌」という様々なイメージを想起させる言葉の数多くの意味を(意図するしないにかかわらず)混同することによって生まれる濫用もある。

2010-01-27 01:13:27
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

「初期条件への敏感な依存性」を意味する数学や非線型動力学での用法と、しばしば無秩序と同じように取られている社会学、政治学、歴史学、神学などにおける広義の用法の混同である。

2010-01-27 01:16:10