教育がやばい「掛け算の順序にこだわる教科書」

小学校では掛け算の順序にこだわり、正答しているのにバツが付けられる教育が行われている。そのため子どもは算数が苦手になっていく。 その問題点と背景事情について、東北大の黒木玄さんが解説しました。 黒木玄さんによる特設ページ【算数の教科書とその指導書の問題点】をご覧ください。 続きを読む
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 実はすべての教科書会社が掛算の順序にこだわる教え方を推進し続けているという事実の内実については十分にわかっていない。教科書指導書(朱註)を閲覧できる人による問題のある箇所の紹介、他の文献の調査、などなどをみんなで協力してすすめる必要がある。

2012-12-14 10:08:44
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 娘が小学校に上がったら、これと戦わなければいけないのか、と思うと本当に気が滅入る。この件についてずっとツイートし続けているのは、この件は大問題なので、ぼくひとりの力ではどうにもできなさそうに見えるから。「みんな助けてくれえ!」という気持ちでツイートし続けている。

2012-12-14 10:12:56
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 掛順こだわり教育推進派の先生であってもその全員が算数の教科書にしたがって、九九について教えながら掛算の交換法則を教えているはずです。学習指導要領にも小2で掛算の交換法則を教えると書いてある。掛順こだわり教育は掛算の交換法則を否定していない。続く

2012-12-14 10:26:07
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 日本の算数の教材は文章題の解答欄は「しき」と「こたえ」に分かれている形式になっていることが多い。算数教育業界の標準では、掛算の順序にこだわるのは「しき」の欄に書く式だけであり、計算では交換法則などを自由に使って良いことになっている。

2012-12-14 10:28:28
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 算数教育業界標準のルールを覚えるのは結構大変である。「25人に4個ずつ配る」問題では「式:25×4=100」と書くと誤りになるが、「式:4×25=25×4=100」は正解になる。長方形の面積の問題では「式」の欄であっても掛順にこだわらない。などなど。

2012-12-14 10:31:27
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 日本の算数教育業界標準の教え方をしたい先生は(ぼくは止めてもらいたいと思っているのだが)、その複雑なルールを全部覚える必要がある。ときどきルールを覚え切れずに、長方形の面積であっても「横×縦」で式を書くとバツを付ける先生も一部に存在するようだ。

2012-12-14 10:33:34
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 ちなみにぼく自身も日本の算数教育業界標準のルールを十分に覚え切っている自信はない。どう考えても時間と労力の無駄。ぼくは掛順こだわり教育について調べているうちに自然に一部のルールを覚えてしまうという不幸な目にあってしまった。

2012-12-14 10:35:12
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 みなさんにお願い。ぼくを「先生」と呼ばないで!

2012-12-14 10:36:26
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@kouheimorita #掛算 「「問題文が読めない子」に問題を解かせるための知恵として,掛算の順序を説明にいれ」ている事例でそれなりにまともに見えるものがあればその問題に考える価値が出て来ると思います。ぼくはそのような事例を一つも知りません。

2012-12-14 10:38:39
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 算数教育業界標準の掛算の導入の仕方は「一つ分×幾つ分=全部の数」のスタイルです。a個を含むグループがb個あると考えたとき、aを一つ分、bを幾つ分と呼びます。ただし、算数の学習指導要領解説には「一つ分×幾つ分」の順序で掛算を導入せよとは一切書いてありません。続く

2012-12-14 11:08:44
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 業界標準用語は「一つ分」で、「1あたり」ではない。「1あたり」は数教協ローカルな用語。遠山啓氏が有名なせいか、一般人がよく使う傾向があります。「一つ分の数」と「1あたりの数」はほぼ同じ意味。ただし、数教協は独自の「量」概念に異様にこだわる。続く

2012-12-14 11:11:53
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 学習指導要領解説では「同じ個数を含むグループが何個かあるとき全体の個数を掛算で計算できる」というスタイルで掛算を導入するという方針になっています。これを「何の幾つ分」の考え方と呼ぶことがあります。もちろんその考え方と掛算の順序は無関係です。続く

2012-12-14 11:14:28
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 算数教育業界標準でも、掛算が使えるかどうかを「同じ個数を含むグループに分けられるか」で判定するという考え方で掛算を導入することになっています。それだけにこだわることが無ければ、これはこれで十分合理的な教え方だと個人的には思います。続く

2012-12-14 11:16:31
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 脱線。以前は「一つ分」「幾つ分」をそれぞれ「かけられる数」「かける数」と呼ぶことが多かったみたいです。どちらにしても分かり易い用語だとは思えない。英語ではそれぞれ「group size」「number of groups」。これは分かり易い。

2012-12-14 11:19:45
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 算数教育業界標準のスタイルでは「同じ個数を含むグループに分けられること」を確認できれば掛算を使えるということになっている。ここまでは別に間違った考え方を教えているわけではない。問題は2つに分けられます。続く

2012-12-14 11:22:52
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 算数教育業界標準の問題のあるスタイルは次の通り。(1)式の解答欄に書くとき掛算を「一つ分×幾つ分」の順序で書かなければいけない。(2)2つの数の掛算で解ける文章題にどちらの数が一つ分の数であるかはその文章題だけで決まる。続く

2012-12-14 11:24:59
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 まず「4×100メートルリレー」や「数量×単価」など多数の事例があることから、一般常識として掛算の順序はどちらでも正しいということになっています。(1)の一つ分×幾つ分の順序で固定するのは世間一般では非常識なルールを導入していることになる。続く

2012-12-14 11:26:42
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。一時的に世間一般では通用しない非常識なルールを教えるための便宜として導入することはそうした方が教育効果が高いという強い証拠があればやっても良いと思うが、掛順こだわり教育についてはそのような証拠は一切見付からない。害だけが目立っている。続く

2012-12-14 11:28:10
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 (2)の考え方も間違っています。(1)の「一つ分×幾つ分の順序で書く」というルールを認めても、掛算の文章題の文だけでどちらの数が一つ分になるかが決まるわけではない。たとえば、7人に6個ずつ配るときに、7個を含むグループが6つあると考えても正しい。続く

2012-12-14 11:30:04
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。そもそも一つ分と幾つ分の考え方で掛算の交換法則を解釈すれば、どのような文章題であっても一つ分と幾つ分の立場を交換できることが導かれます。掛算の交換法則の「意味」を正しく理解していれば文章題だけで掛算の順序は決まらないことがわかる。続く

2012-12-14 11:31:29
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 以上ではちょっと難しい言い方をしてしまいましたが、7人に6個ずつトランプのように配る様子を想像してもいいでしょう。この考え方は1972年の論争で保護者がすでに指摘しています。 http://t.co/OJ6ZP1Qi

2012-12-14 11:33:24
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 トランプ配りの話を持ち出すと「トランプ配りのような考え方をするのは算数が特別によくできる子だけである。よくできない子の教育のためには掛算の順序にこだわった方が良い」のような複数の意味でナンセンスな反論が出て来る場合があるようです。続く

2012-12-14 11:35:50
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 実はよくできなさそうに見える子であっても家庭内の環境によってトランプ配りのような考え方をしてしまうようになったと思われる事例が存在します。 http://t.co/7ziAwHtN のトピ主の母親の報告を読んでみて下さい。続く

2012-12-14 11:38:10
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 http://t.co/7ziAwHtN のトピ主の家庭では母親が子どもたちにトランプを配るようにお菓子を配っていたらしい。その娘さんは「自信満々で、全問、数字を逆に書いて」いたらしい。よくできる子だけがトランプ配りの考え方をするわけではない。

2012-12-14 11:40:47
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 要するに算数教育業界標準のスタイルの(1)一つ分×幾つ分の順序に固定、(2)文章題の文だけ一つ分の数がどちらであるかが決まると考えることはどちらも教え方として間違っていると考えられます。

2012-12-14 11:42:31