教育がやばい「掛け算の順序にこだわる教科書」

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 算数教育業界には「具体的状況を式だけで忠実に表現させるべきである」という教義があるように見える。これは不合理かつ無理のある考え方である。式はそのように使うための道具ではない。掛順こだわり教育はこの教義の一部分とみなせる。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 他にも言いたいことがたくさんあるのだが、日本の算数教科書会社6社すべて掛順こだわり教育推進派である限り、掛算の順序にこだわる(場合によっては小6の文字式でもこだわる)教え方の問題は解決しないだろう。続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。実は6社6学年すべての算数の教科書およびその指導書のチェックが不十分なまま放置されている。教科書会社が出している教科書指導書は一般人には購入できず、購入できても値段がべらぼうに高い。だから万人の批判に開かれた状況になっていない。続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。これは算数の教科書だけの問題ではない。おそらくほとんどの教師が参照することになる教科書指導書(教師用アンチョコ)が万人による批評の目を逃れている状況はどう考えても不健全。掛順こだわり教育の問題は実はこのような大きな問題と関係している。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 ぼくは数学の研究者だが、掛順こだわり教育について話すときの気持ちは完全に数学者では無くなっている。お父さんの親馬鹿モード。他のことでは意見が合わなくても、この件で意見が合う人が増えると、滅茶苦茶心強い。算数教育業界全体に関わる大きな議論ではぼく個人は無力。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 掛順こだわり教育に保護者が過剰適応してしまうのはかなり危険。インターネットで質問すると「答えが個の付く数になるなら、文章題の中の個の付いた数を掛算では先に書けば正解になる」というような教え方をアドバイスされることがある。これが怖い。続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。所謂「単位のサンドイッチ」というやつである。「6(こ)×8=48(こ)」のスタイルを厳密に守れというのが「単位のサンドイッチ」。詳しくは http://t.co/HJlTK02l を見て下さい。でも、これって「はじき」「きはじ」の類より～続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き～ひどい教え方なんですね。「はじき」の類は意味や内容を理解してなくても、一応生活で役に立つ速さ、時間、距離の関係式が得られるわけです。しかし単位のサンドイッチで得られるものは「正しい掛算の順序」以外に何もない。不毛の極地。続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。掛算の順序のような形式的なことにこだわるのは意味や内容を軽視することそのものです。単位のサンドイッチは以前の東京書籍の教科書指導書でも採用されていた。「2×8ならタコ2本足」も単位のサンドイッチと同じ理屈。意味や内容を軽視している。続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。算数があまり得意でない自分の子どもに単位のサンドイッチを教えてマルをもらえるようにしたい親もいるかもしれない。しかし、それによって算数があまり得意でない子どもが意味や内容を考えずにマルをもらえることに味をしめたとしたらどうなるのか？続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 続き。算数が苦手な子どもは将来もっと算数が苦手になることでしょう。これは怖い話です。掛順こだわり教育のごとき教え方は http://t.co/IhdKuKTa に書いてあるような怖い話に関係している可能性があると思います。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 ちなみにこの季節になると毎年のように、掛算の順序が逆なだけでバツを付けられた答案の写真がインターネット場に出回って、結構話題になる。そういう季節。続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 ぼくが住んでいる仙台も掛算こだわり教育が結構盛んである疑いがある。近場では東北大学の事例 http://t.co/BHh8z0Sl が存在する。この話は滅茶苦茶怖い。Yくんがかわいそうでたまらない。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 掛順こだわり教育に関する信頼できる否定的な情報は比較的簡単に見付かるが、肯定的な情報で信頼できるものはぼくが調べた範囲内では皆無。ぼくも一応大学で先生をやっているので、先生の「実感」があてにならないことはよく知っている。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 http://t.co/GEGwBdak http://t.co/ljpU8sd3 の拡散がきっかけになって出て来た意見を大量にふぁぼっておきました。 http://t.co/MCZpKJBN でまとめ読みできます。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 http://t.co/wgVYFgux 「長いすが6つあります。1つのいすに7人ずつ座ると、みんなで何人すわれますか。」に「(しき) 6×7=42」がもろに誤り扱いになっている。

拡大

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 https://t.co/AEsvyeWy 「1㎡あたり15本の花のなえを植えます。120㎡の花だんでは、なえは何本用意すればよいでしょうか。」に「式 120×15=1800」は誤りだと採点されている。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 啓林館『わくわく算数6上』の58頁の問題とその答え。文字式なのに掛算の順序にこだわっている。これは6年生の算数の教科書そのものであり、指導書(朱註)ではない。こういう教科書が検定を通っている。 http://t.co/6tA5cH0Z

拡大

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 この啓林館の6年生向けの算数教科書はぼくが知る限りにおいて最悪の事例。6年生でかつ文字式でかつさらに教科書そのもの！あわてて他社の6年生の文字式の部分をチェックしたが、ここまでひどいのは見付けられなかった。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#掛算 http://t.co/wgVYFgux の問題は http://t.co/rkc66NP9 で紹介されている東京書籍の教科書の問題にそっくりである。2つの写真を比較してみて欲しい。 http://t.co/IXo75dJb

拡大

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 東京書籍の算数教科書指導書に「6人にあめと7こずつ」の問題について「6×7では、6人が7つ分になり、答えは子どもの人数となってしまうことをおさえる」と書いてあったことは覚えておくべき。現在ではこの説明は無くなっているらしい。こっそり訂正したらしい。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 もちろん(と言わなければいけないところが悲しい)、東京書籍は掛順こだわり教育を推進することを放棄したわけではない。非難されることを恐れて、「6×7では～答えは子どもの人数となっていることをおさえる」という説明をこっそり削除したのだろうか？続く

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 教科書の指導書(朱註の類)は全国の小学校の先生を通して子どもたちの教育に多大な影響を与えている。そのような重要な文書の内容をこっそり訂正するだけですますのは無責任である。あらゆる人が読める場所に「間違ってました。ごめんなさい」と書くべきだと思う。

黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki #掛算 十数年前に掛順こだわり教育の議論に参加したときには、「これはどこにでもほんの一部いる変な人が変な教え方をしているという問題」だと勘違いしていた。現実にはすべての教科書会社が掛算の順序にこだわる教え方を積極的に推進していたのだ。だからこれは大問題。