「言葉」の表現による「印象」の変化@榊一郎
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yukiminagawa
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さて、では最初の伝奇モノの場合。こちらは読み手に「主人公が戦うべき手強い敵」としてその犬を描写せねばならない訳で。そうなると、読者には主人公と同じ緊張感を覚えてこの先読んで貰った方がいい。
2010-08-26 14:24:17
で、我々は、見慣れぬものに基本的に警戒心を、緊張感を抱き易い。だから「まっくろ」という音の表現でも、敢えて、全部漢字を使う「真っ黒」の方が何処か固く怖い感じがするし、より普段使わない表現――「闇色」となると、より緊張しやすい。
2010-08-26 14:25:57
日常会話で、「お、その闇色のコート、いいじゃん」とか評してくる人居ないでしょ、普通。もしそんな表現ばかり使う友人とかいたら、その人は中二病という恐ろしい病にかかっているので、生暖かく見守ってあげてください。そのうち自然治癒します。ラノベ作家とかにならない限り。
2010-08-26 14:27:17
では。3の「夜空色」ではなくなぜ「闇色」の方がより相応しいのか。これは単純に「闇」という言葉と「夜空」という言葉に対する我々の反射的なイメージの差です。
2010-08-26 14:28:36
夜空、という言葉は必ずしも悪い意味、緊張を促す意味に使いません。むしろ叙情的で肯定的な意味に使う事が多い。だから、むしろ、ミステリアスだけど美しい、とかそういう場合に使う方が相応しい感じがしますよね。
2010-08-26 14:29:33
逆に「闇」というのはつまり「先が見えない」「視界が塞がれている」「つまり迂闊に一歩踏み出したら崖下に転落するかもしれない」的な恐怖の象徴な訳で。闇=「怖い」が我々の間では割と定番化しているというか。
2010-08-26 14:36:37
だからこそ、一番読者に緊張を強いる単語、「闇」を、黒い事を表現するのに使うのが、場面の雰囲気を盛り上げるのに相応しい、という判断が生じる。「その時まっくろな猛犬が彼に向かって飛びかかってきた」よりも「その時、闇色の猛犬が彼に向かって飛びかかってきた」の方が緊張感が「わずか」に高い
2010-08-26 14:38:27
もちろん、単語の一つ一つは大した影響は無いのですが、これが積み重なると、雰囲気というか空気感というかそれが変わってくる訳ですよ。つまり、自分が「読者を緊張させたいのか」「ほんのり優しい気持ちにさせたいのか」によって同じ事実を表現する際に使うべき単語は異なり、
2010-08-26 14:39:47
これが何百何千と積み重なれば、かなり読み手の意識に植え込まれるイメージには差が出てしまう訳ですね。要するに、「小説の文章」とはこういった取捨選択の繰り返しであり、その集合体である、と。
2010-08-26 14:40:51
じゃあ、「榊、お前いつも一つ単語選ぶ度にそんないちいち考えて悩んでるのか?」と聞かれると「NO」です。当たり前ですわな、んな事いちいち悩んでいたら、一冊書くのにどんだけかかるやら。
2010-08-26 14:41:51
まあラノベ作家に限定されるかもしれませんが、大抵の小説家は、その辺、「無意識に」選んで書いてます。そこらは繰り返し繰り返し文章を書いてきた人間の感覚が、瞬時に、殆ど本人も意識しない形で選択しているのです。
2010-08-26 14:42:53
こう書くとなんだか凄い事やってるよーに見えるかもしれませんが、はっきり言ってこんなもん単なる慣れです。だからこそ「文章が上手くなるには?」と問われれば大抵の人が「とにかく書け」と言うのです。
2010-08-26 14:43:47
ただ、私個人の持論ですが、先日も言った様に、「俺はこういう技術を身に着ける為にこれをしてるんだぜ」的な目的意識が在れば、最低限必要なレベルが身につくのが早い様に思うのです。別に統計とった訳じゃないけど。
2010-08-26 14:44:48
実際、うちのアシスタントをしている内弟子の子なんかは、「榊のアシスタントをする」という意識があるせいか、ものっそい勢いで文章が上達してます。私の文章に似てくるという弊害なんだか利点なんだかよくわからん副作用もありますが。
2010-08-26 14:46:25
ともかく、漫然と文章書いていても、その量が膨大ならば、自然と文章は上手くなると思うんですけどね。実際、私がそうでしたし(お前の文章ヘタだよ、というツッコミはとりあえず聞こえないふりをするとして)。だからって「さあ、今から○年文章修行するぜ!」ってのもしんどいでしょうから、
2010-08-26 14:48:24
「小説の文章とはどういうものか」という事を理解した上で、それに近づける努力の一巻として、いわゆる「写経」なり大量の文章書きなりを繰り返すと、上達が早いのではないかなあという、ご提案。
2010-08-26 14:49:27
さかきさんこわいですぜったい銃をみつゆしています RT @ichiro_sakaki: キネノベ大賞の審査員座談会第三回がアップされた模様。相変わらず自分のヤクザっぷり(写真ね)が凄いが、まあ、狙ってやってる事なんでw
2010-08-26 13:58:05
@TomoHirokawa しーっ! こんど、なめたら幸せな気分になれる白い粉あげるからだまってて! ――ってこれで本当に家宅捜索とか入ったりしてw ちなみに砂糖の事ですよ?
2010-08-26 14:51:19
@takadonomadoka リッツカールトンときましたかw 高殿さんらしい表現だw
2010-08-26 14:52:07
@evetan そうですね。うん。皆の平和の為にそういう事にしましょう。うんw
2010-08-26 14:52:37
@ichiro_sakaki だからこそ読書の積み重ねは重要だし、直感的にそのフィーリングを取捨選択できるのが望ましいのですね。そして、どうしても迷った時には広辞苑を引くとw
2010-08-26 14:48:41
@yukiminagawa おっしゃる通りで。というか小説書く人は、一太郎だのワードだの買う前にマイクロソフトブックシェルフだの、英二郎だの、広辞苑だの、各種辞書ソフトを買うべきじゃないかなあと思ったりします。
2010-08-26 14:54:08
僕の文章など別段上手いわけでもないというのは棚上げして、榊さん(@ichiro_sakakiさん)に便乗。文章(ひいては言語)っていうのは個人的に『表現という服を着た論理』だと思うのです。だからまずは「論理的であること」を心がけると上達が早いんじゃないでしょうか。
2010-08-26 15:01:30