月刊「概念分析」:2013年02月
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@kasa12345 前から気になっていたのでひとつお尋ねしたいのですが、ひとついいですか?笠木さんは、哲学者には「概念の交通整理はできない」という立場なのか、それとも哲学者の仕事は「概念の交通整理だけではない」という立場なのか、どっちなのでしょう。
2013-02-12 18:28:56@kasa12345 (「分析哲学」が何かについてはひとまず置いておきます。概念の分析可能性については、僕もまだ議論がよくわかっておりませんので。)
2013-02-12 18:29:35@conchucame 概念の交通整理というものがあるとしたら誰でもできるし、それはいろんな学問で(中心的活動としてではないけど)行われていることになるはず。そして、それは哲学でも、中心的活動ではない、というものですね。
2013-02-12 18:34:27@conchucame 記述的なレベルで、規範的なことを意図してはいません。分析哲学の歴史の中から、これが概念分析の明確な一例だというものを、誰かに示して貰いたいです。また、「概念」という概念がちゃくちゃ多義的なので、その分析ということで、皆が何を意味してるのか興味がありますね。
2013-02-12 18:39:54@kasa12345 なるほど。美学方面で、そのへん明示化して語ってている人をぼくはまだ知らないので興味がありますね。ただ最近はanalytic aestheticsという言葉も聞かなくなってきています。90年代の教科書では、まだイントロダクションで概念分析が強調されてましたが。
2013-02-12 18:56:15@conchucame 僕の考え方は、最近出てきたPhilosophical Methodologyと呼ばれる分野の研究を受けてのものですからね。まあやってる人が少ないので、この辺のいろんな見解はこちらでも知っている人はそんなに多くないです。
2013-02-12 19:03:23訳者あとがきの予稿にも書いたけど、「分析美学」の「分析」ってのは正直定義が難しい。分析美学にはもともと日常言語学派のながれをうけて「批評文の言葉遣いを分析しようぜ!」っていうモチベーションがあったりするのだけど、だからといって概念分析ばかりやってるわけでもないように見える。
2013-02-12 19:06:13@conchucame あと、僕は現在使われている「分析哲学」という言葉に、通常の文脈では、概念分析とか、言語分析という含意はないと思いますね。僕らが普通に使うときは、単純に英語圏でさかんなスタイルの哲学という程度のことしか意味してないと思います。
2013-02-12 19:07:29今回の翻訳のタイトルも「分析美学」という語をつかうかかなり迷って、何人かの人に相談したりもしたけど、結局副題どころか『分析美学入門』と主タイトルに出すことになった。
2013-02-12 19:08:02「英語圏の美学」も「現代の美学」も、それはそれで問題あるし、結局それなりに使われているし、キャッチーでもあるので「分析美学」という語を持ってきた次第。このへんの責任は「てめー、しっかり考えてタイトルつけろや」って、あとで追及されるかもしれません。へへ。
2013-02-12 19:11:34後書きでは、この辺のタイトルの問題にもふれつつ、本書であつかっているのは「分析哲学のながれをうけて現代、主に英語圏で行われている美学」です、と書いたところであります。まだ書き直しはきくので、アドバイスありましたらぜひいただきたいです。
2013-02-12 19:13:14@conchucame それで全然問題ないと思いますよ。僕も自分の専門を聞かれたら、分析哲学者以外ならanalytic epistemologyとか言います。「分析」という言葉に、妙な含意読み込むほうがあれですよ。
2013-02-12 19:15:07@kasa12345 僕もいまのところ厳密な方法論規定というよりは、おおまかな議論スタイル、くらいの曖昧な感じで使ってます。もうすこし初学者にうまく伝えられる用語があったらいいな、と思ってもいるのですが、むずかしいです。
2013-02-12 19:16:37@kasa12345 ありがとうございます。僕としても、「分析」という語がどういう風に使われ出して、どういう風に使われなくなったか、という点には哲学史的な興味があるのです。美学方面についてだけでも、もうすこしちゃんと説明できるように勉強します。
2013-02-12 19:21:51分析哲学は概念分析をしているのではない、という言説は昨今支持を集めつつあり、一定程度納得いくものだとも思いますが、だとすると僕の研究テーマは分析哲学ではない、ということになってしまうので、困っているところです。
2013-02-12 18:31:18学問分野ごとに行われている“概念の交通整理”は、個別科学の哲学の大事な部分であり、個別科学の哲学は分析哲学の重要な部分を占めている……みたいな認識を漠然と抱いていたのだけど、たぶんそういう話ではないな。
2013-02-12 18:39:44「分析哲学」にも「概念分析」にも色々ある。例えば「代表的な分析哲学者」でウィトゲンシュタインを考えるかデイヴィドソンを考えるかルイスを考えるかで「分析哲学」の中身はまったく変わる。でも「概念分析」を広く取ればみんな概念分析してるとも言える。 @san_you_tyuu
2013-02-12 18:40:58@torakoyama ああ、でも広く取り過ぎると、古今東西の哲学者が全部「概念分析」してることになるんだよね。だから「分析哲学」も「概念分析」も、きちんと論じるときは明確にしないといけない。
2013-02-12 18:44:54@torakoyama 概念分析の一つの典型例だと僕が思っているのは、チザムみたいなスタイルですね。
2013-02-12 18:49:06概念分析の成功例を挙げろ、と言われたらそれは難しいですが、“試み”の例であればけっこう挙げられそうな気もするのですが。
2013-02-12 18:51:06@san_you_tyuu それはもちろん典型例なんだけど、それでもやはり「概念分析」のひとつの使われ方に過ぎないと思っておく方がいいね。そのことを自覚してれば問題なし。
2013-02-12 18:54:47あと、いま書いているものについて「君のやっていることは(実は)概念分析ではないよ」とか言われたら、結構困惑するような…。まあ僕はずっと、分析哲学の中でも辺境地帯にいるような気がするので、感覚がおかしくなってるのかもしれません。
2013-02-12 18:57:40@torakoyama @san_you_tyuu というか、そもそも君がやっていることは、多様な「概念分析」の中の一つを取り上げ、そこで行われていることを明確化することで、「分析哲学」が何をしてきたのかを明らかにしようとしているんだと思ってるけど。
2013-02-12 18:59:46