Uccini on Leibniz’ Monadology

ライプニッツのモナドロジーと時空論などに興味のある方々へ。Uccini「モナドロジーの情報論的解釈」を展開中!
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TibicenLeibniz @ucciuccini

そろそろライプニッツ研究を再開やな。Vincenzo De Risi, Geometry and Monadology (Birkhäuser, 2007)、こいつを読まんことには、ライプニッツ研究の新展開に参加できん!

2013-01-10 20:38:30
TibicenLeibniz @ucciuccini

Vincenzo De Risi の本(彼の学位論文)、ライプニッツの analysis situs (or geometrical theory of situation) を掘り下げたもの。ライプニッツは微積分を創始しただけでなく、「新しい幾何学」も構想していた。→空間論へ

2013-01-11 21:40:41
TibicenLeibniz @ucciuccini

しかも、それが彼の形而上学「モナドロジー」と深い関わりがある。モナドとは、彼の究極的実体で、これの活動から物理的現象も心的現象も生み出される、という「万物の理論」を彼は構想した。物理世界とは、モナドの「知覚」の中での「現象」。物理世界の「入れ物」に見える空間を、では、どう説明?

2013-01-11 21:49:34
TibicenLeibniz @ucciuccini

analysis situs は、そういった問いの脈絡の中で、ライプニッツの空間論の基礎となるはずだった。のみならず、「大きさ、量」を捨象した幾何学、たとえば射影幾何学など、後世に展開する分野のアイデアも多く先取り。ライプニッツの遺稿、アルカイブを発掘しながらの仕事、読み応え十分

2013-01-11 22:02:59
TibicenLeibniz @ucciuccini

ライプニッツークラーク往復書簡、英訳で読むと明らかだが、空間を論じるとき、ライプニッツは"situation"という語を多く使う。これが、analysis situs を念頭に置いた説明。ワシは、初めて読んだときからこの語に引っかかっていたが、いまやその理由がより明らかに!

2013-01-12 20:44:20
TibicenLeibniz @ucciuccini

ワシの経験では、たいていの学生はこの「引っかかる」という感覚が鈍い(鈍すぎる!)。哲学者が「妙な」コトバを使うのは、それなりの理由があるのや。ライプニッツにおいては、ある一語の背景に、壮大な構想が隠されていてたわけやな。「新しい幾何学」!

2013-01-12 20:49:38
TibicenLeibniz @ucciuccini

ちなみに、ライプニッツや時空論に興味のある人は、ワシの昔の教材、"Leibniz-Clarke Correspondence" http://t.co/3L5qgRpu をのぞいてみてくらはい。Part 1, Part 2と二部ありまっせ!

2013-01-12 20:54:34
TibicenLeibniz @ucciuccini

パリからハノーファーに帰ったライプニッツは、ユークリッドの「原論」を十分に研究したのち、彼の「新しい幾何学」の礎を築くcharacteristica geometrica。それが1679年。そして、その主要な成果を師のホイヘンスに送る。しかし、師の返事はつれない反応!

2013-01-13 22:03:06
TibicenLeibniz @ucciuccini

De analysi situs, 1693 の邦訳は、ライプニッツ著作集3に収録、「位置解析」の訳語が当てられている。しかし、本文および三浦伸夫の解説(参考になるが)も短いのでの〜〜。

2013-01-13 22:38:12
TibicenLeibniz @ucciuccini

ビズの一日、収穫は、往復の車中での勉強、De Risi, Geometry and Monadologyかっちりと学術的だが、読み進むうちに興奮してくる。もちろん、ライプニッツのすごさがあってのことだが、この著者もただ者ではない!スペインのJ. Echeverría の労作に+

2013-01-15 20:43:46
TibicenLeibniz @ucciuccini

Analysis Situs の"Situs"を「位置」と訳すのはおそらく不適切。英語で言えばsituation ですからの!これは、複数の物の間の関係を含む概念で、こいつの定義がライプニッツでは見あたらん!ワシが引っかかった理由のひとつはそれ!今それに関わる議論中。

2013-01-15 20:51:43
TibicenLeibniz @ucciuccini

ライプニッツのsitus、なぜ「位置」でまずいか?彼は空間を「点」の集まりと見なす。しかし、「点」は関係の担い手、関係のネットワークの構成要素であり、点と点の間にもsitusは成り立つ。そういった関係をすべて集めたものが、いわば「空間」なのだ。集合論の「点」とはワケが違う。

2013-01-17 09:37:50
TibicenLeibniz @ucciuccini

(続、ライプニッツ)他方、situsを基本に据える彼の空間論は、「空間の連続性」の説明に大きな難点を抱えることになる。空間の要素である「点」(場所)とそれらの間の「状況」「関係」から、いかにして「連続性」が生まれるのか?図形の空間内での「移動」は、連続性を前提する。

2013-01-17 11:36:26
TibicenLeibniz @ucciuccini

Molyneux' Question: 生まれながらの盲人も、触覚を通じて球と立方体の形は区別できる。では、もし彼が奇跡的に視力を得たとしたなら、「視覚のみを通じて」二つの形を区別できるか?この問題、ライプニッツのanalysis situs と monadologyによれば?

2013-01-22 21:00:10
TibicenLeibniz @ucciuccini

Molyneux、加藤尚武の「形の哲学」(1991)でも扱われている。

2013-01-22 21:03:09
TibicenLeibniz @ucciuccini

数学の方ならピンと来るやろ、isomorphismがポイントとなりま!視覚、触覚のような<異質な>感覚対象の間でも、対応関係が成り立っておれば、橋渡しは可能。モナド(実体)と知覚対象(現象)のあいだにisomorphism は無理だが、もっと弱いhomomorphismなら?

2013-01-22 21:10:59
TibicenLeibniz @ucciuccini

De Risi, Geometry and Monadology、佳境に入って来とりま!

2013-01-22 21:14:04
TibicenLeibniz @ucciuccini

ライプニッツの謎がだいぶ解りかけてきたデ!「質」と「量」の区別、analysis situs で「合同」と「相似」を中心に据えたこと、これらには必然的なつながりが。質は実体、モナドの世界を反映する。量は現象の世界のみの「属性」。量的時間・空間は、現象世界でのみ生じる。

2013-01-24 21:17:11
TibicenLeibniz @ucciuccini

これ、ライプニッツの古くさい形而上学だけの話や思うたらあきまへん。イギリスの物理学者(ワシが尊敬する)ジュリアン・バーバーが、物理学は、時間を消し、長さも消してもやれると頑張っているのは、ライプニッツの路線!間違っていても、やってみる値打ちがある。

2013-01-24 21:23:49
TibicenLeibniz @ucciuccini

De Risi のライプニッツ研究、まだ読了してないが、大変レベルが高い。遺稿を発掘して読みこなす能力、ライプニッツの幾何学研究analysis of situsを再構成する数学能力を兼ね備える。さらに、哲学(認識論、形而上学)を見渡す知識と、ライプニッツを解釈する構想力も。

2013-01-28 21:53:35
TibicenLeibniz @ucciuccini

こりゃ、日本のライプニッツ研究者はたいへんやで!このレベルの研究をできるやつ、誰かおるけ〜〜?

2013-01-28 21:54:58
TibicenLeibniz @ucciuccini

全体の構図:(1)実体の世界の活動は現象の世界に映(表現)される(2)現象は空間(および時間)の内で生じる(3)空間の本性のうちに、何が「映されて」いるのか?(4)(現象を見る)限定されたモナドには、何が認識されうるのか? 著者の「売り」は?ライプニッツの最晩年、超越論的な傾き!

2013-01-28 22:01:32
TibicenLeibniz @ucciuccini

「超越論的」とは、モナド(実体)の世界が(限られた能力しかもたないモナドに)現象として立ち現れるためには、どういう条件がそろわなければならないか、という考察から、空間の本性や、現象が何を、いかに「表現」するか、が明らかにされる、という方向へ向かうというわけ。カントとの関係は?

2013-01-28 22:04:48
TibicenLeibniz @ucciuccini

Leibniz study, continued: Kant "You can know nothing about the thing-in-itself!", Leibniz "You can know something, or many things!"

2013-01-29 09:35:21
TibicenLeibniz @ucciuccini

Why? Leibniz "because of various homomorphisms from the monads to phenomena"

2013-01-29 09:37:10
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