暗黙知の概念についての考察

「暗黙知を理解する」(大崎正瑠)http://www.tku.ac.jp/kiyou/contents/hans/127/127_oosaki.pdf を参考にしての暗黙知概念についての考察。自分のためにちょっとまとめておく。
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木下秀明 @khideaki

暗黙知78:だが「バラ」と「赤い」の両方の概念理解がなければこれを結びつけて表現することは出来ない。どちらの言葉も概念として理解していなければ、「バラは赤い」と言っても、その表現には意味がない。意味があるのは概念として理解しているからだ。「バラは親切だ」に意味があるだろうか?

2013-04-02 22:34:53
木下秀明 @khideaki

暗黙知79:「バラ」と「親切」は普通結びつかない。それを結びつけてしまうのは概念理解の間違いと言えるだろう。文脈によっては結びつけられるが、そのときは違い概念が媒介にならなければならない。「人間は必ず死ぬ」という判断は抽象度の上がった難しいものになる。

2013-04-02 22:38:00
木下秀明 @khideaki

暗黙知80:「人間」「必ず」「死ぬ」というそれぞれの概念は、「バラ」と「赤い」ほどわかりやすくない。抽象度の高い難しい概念だ。だが他者が同じ概念を共有していれば「人間は必ず死ぬ」という記述だけでその判断が伝わり理解が得られる。共通の概念を持っていなければ概念そのものの説明がいる。

2013-04-02 22:40:43
木下秀明 @khideaki

暗黙知81:「陸山会事件で告発されている行為は犯罪ではない」という判断は、その概念が共有されていなければ同じ判断が出来ると言う共感が得られない。そのため概念の説明に言葉を尽くさなければならないだろう。暗黙知としての概念を共有していれば判断を語るだけでそれが伝わる。

2013-04-02 22:44:48
木下秀明 @khideaki

暗黙知82:「人間が五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)および「運動」「平衡」「内臓」の各感覚を通して誕生以来今の瞬間まで習得し身体に蓄積保有している知識を「内面知」(=内面化知識)と呼ぶ」ならば、これが概念として結晶していく過程に暗黙知が感じられる。具体的な五感が抽象化される。

2013-04-02 22:52:26
木下秀明 @khideaki

暗黙知83:ものの名前はまずラベルとして提示される。そしてそのラベルを五感で感じた対象に貼り付ける経験を積むことで、そのラベルがついた概念が暗黙知として獲得されていく。「甘い」という経験を積むことで「甘い」という概念が形成されていく。そして対象が「甘い」かどうかという判断が出来る

2013-04-02 22:56:37
木下秀明 @khideaki

暗黙知84:ラベルとしての名前がないと我々は経験を暗黙知に高めることが出来ない。概念そのものは透明なつかみ所のないものだから、経験してもそれを記憶の中にとどめることが出来ない。全く新しい概念を感じた人間は、それに適切な名前をつけなければその概念を獲得することが出来ないだろう。

2013-04-02 22:59:55
木下秀明 @khideaki

暗黙知85:他者に説明できる知識を「表出伝達可能知」と呼び、それが出来ないものを「表出伝達不可能知」と呼んでいる。概念をもたらした経験の一側面は説明できる。しかし概念そのものは対象の抽象的な全体性を捉えたものであるから伝達は不可能だ。このような矛盾を抱えてどうやって思いを伝えるか

2013-04-02 23:05:26
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