「小説と脚本」の違いと、更に曖昧な「キネティックノベル」@榊一郎
- yukiminagawa
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ちとついったー機能の学習がてら創作論系のネタをまた少し。とりあえずタグつけてみました。 #sousaku
2010-09-05 22:57:47まあついーとが連なるのはかわらん気がするんで、ゆっくりまったりと。 #sousaku
2010-09-05 22:58:23脚本、の話、というか小説との、気付きそうで気付かない差異。 #sousaku
2010-09-05 23:09:31ついつい小説を書き慣れていると、「地の文章が無い分、脚本は楽だぜー」とか思ってしまうのはよくある事。それがアニメであれ、ゲームであれ。だがこれは大きな間違い。ライトノベルを絵の無い漫画、と定義して「絵を描かなくていいから楽」とか思うのと同じ。 #sousaku
2010-09-05 23:11:25まあ、例えば私がやらせてもらってきた経験から言えば、アニメの脚本は、いわゆる四百字詰め原稿用紙でいえば、三〇分番組で20枚位になる。一分一枚くらいのノリかなあ(勿論作品によっても微妙に違うけど)。 #sousaku
2010-09-05 23:13:51ちなみにアニメの脚本、200字詰め原稿用紙が基本らしいので、小説書きの感覚からいえば倍の枚数になりますが、これを分からず「よし40枚か」と書くとえらい目にあいますw #sousaku
2010-09-05 23:14:52まあいずれにしても、枚数としてはそう多くないし、「地の文」による表現には「小説表現的な」気の使い方はしなくていい。その意味に限って言えば「楽」と言えるかもしれません。ただし、ここに落とし穴がある。 #sousaku
2010-09-05 23:16:42小説はそれだけで自己完結した媒体ですが、脚本はあくまで後々の作業――アニメであれば映像や音声という肉付けをする為の骨組に過ぎません。つまり、「他のパートの人の作業しやすい余地」を残しつつ、「自分の伝えておくべき事は過不足なく伝えておく」というものが望まれる。 #sousaku
2010-09-05 23:20:43つまり「やり過ぎない」「適度な処で止める」「でも演出や作画やその他作業工程における他のクリエイターさん達に、イメージを喚起させる取っ掛かりとして機能するもの」が求められるという事。 #sousaku
2010-09-05 23:22:36これ……つまり一定のコミュニケーションが前提というか。小説が一人でやるマラソンなら、脚本はリレーで。しかもマラソンをやる上での技術と、リレーの技術は似て異なる。 #sousaku
2010-09-05 23:23:48大量に書き連ねれば、そりゃ情報量は増えるし、表現は厳密になりますが。それは小説であって脚本じゃない。脚本だとしたら多分に独り善がりなものになってしまう。 #sousaku
2010-09-05 23:25:57この辺の機微(くわえて実質、TVアニメなら20分という時間の枠、あるいはアニメ表現で可能か不可能かの判断など)が分からないと、脚本はむしろ、監督やら演出家やら作画監督やら……そういう人達の脚を引っ張りかねない。 #sousaku
2010-09-05 23:27:49「えらそうに言ってるけど、お前どうなのよ?」と言われるとアレなのですが(苦笑)。正直、初期に脚本書いていた頃は全然わかってませなんだ。ただ、何本かやらせて貰って「ああ、なるほど」と実感した次第 。 #sousaku
2010-09-05 23:30:14どうしても小説家は、「その文章だけで完結する媒体」として書こうとする癖が在りますから(ラノベでは挿絵のウェイトも半端無くでかいけど、それはさておき)、そのノリで脚本を書くとかえって、まずいものができあがりかねない。でもこの切り替えが難しい。。 #sousaku
2010-09-05 23:33:35これがまず小説と脚本の違いで、でも素人さんには、あまり意識されていない事。――の一つ目。 #sousaku
2010-09-05 23:36:12最近はゲームでも音声付き、ってのが増えてきました。フルボイスとかも。やっぱ媒体(ディスク)の容量増加の影響はでかいですな。。 #sousaku
2010-09-05 23:43:44ichiro_sakaki で――問題なのは。実際にゲームやアニメは台詞を「声優さんが喋る」という事。何当たり前の事いってんだ榊は、と思う人いるかもしれませんが、これ、意外に意識されてないというか。 #sousaku
2010-09-05 23:45:57投稿用小説とか書いている人は、一度、自分の小説の台詞、読んでみてください、声に出して。意外に読みにくいの多いと思いません? 小説書きは、基本、「字面」としての見栄えを半ば無意識に追求しますから、どうしてもそっちに偏る。 #sousaku
2010-09-05 23:47:50一方、脚本は「声優さんの喋り」――実際に声に出して発音するの優先。という事は、基本的に、字面ではなく、読みの「音」に偏らせるべきなんですよ。字面の格好良さは――アニメでは特に二の次。地の文も出るゲームでは微妙ですが。#sousaku
2010-09-05 23:49:36もっと端的な例を出せば、小説の句点は基本的に「字面の上の意味で区切る」傾向が強いですが、脚本の句点は基本的に息継ぎとか、その辺の意味が強く、はっきりとそこで「区切って発音する」為のものです。#sousaku
2010-09-05 23:51:14更に、字面では問題無さそうな言い回しも、発音すると途端にうざい、という場合があります。この差は多分に感覚的なものなので、やはり脚本の場合、慣れるまでは一度、自分で口に出した方が良いでしょう。#sousaku
2010-09-05 23:52:13「僕は君を家に招きたくて仕方なかったから、あのとき話し掛けながらポケットの中で家の鍵を握り締めていたのさ」<小説の台詞 #sousaku
2010-09-05 23:54:41「僕は君を、家に招きたくて仕方なくてさ。だから、あのとき、話し掛けながら、ポケットの中で鍵を握り締めていたのさ」<脚本の台詞 #sousaku
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