仮面ライダーW Rの脅威/帰って来てくれ仮面ライダー 『チャプター7・Oの告白/始まりの場所で(追加加筆版)』

http://www.pixiv.net/series.php?id=98978 pixivにて掲載している仮面ライダーWの二次創作物です。pixiv掲載版にはなかった加筆部分がございます。 前回:http://togetter.com/li/489795 次回:http://togetter.com/li/499844
0
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――はぁーっはっはっは! よくぞここまで来たな探偵!  ――お前の血でこの島を、お前の墓場を真っ赤に染めてやるぜ!25 #WR

2013-04-22 21:34:40
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 そんな行き当たりばったりでいいのか、と突っ込もうとした瞬間、草葉の陰から二人の男が嫌味な表情を浮かべて顔を出す。  一人は金に汚そうな繋がり眉毛に、不気味な程脂ぎった壮年の男性。もう一人は黒いサングラスをかけた態度の悪そうな中年。共に見覚えのある男たちだ。26 #WR

2013-04-22 21:35:23
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「お前らは……!」  一人はかつて”ミリオン・コロッセオ”という裏カジノにおいて、参加者から金を、払えぬ場合は魂をせしめていた悪漢・加賀泰造《かがたいぞう》。脂ぎった顔つきと繋がり眉毛はあの頃と全く変わっていない。27 #WR

2013-04-22 21:36:24
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 もう一人はミュージアムの一社員にして、メモリの力である家族の絆を引き裂こうとした鷹村源蔵《たかむらげんぞう》。どちらも忘れ難い札付きの悪人だ。28 #WR

2013-04-22 21:36:58
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「久しぶりだな、天才じゃない方の仮面ライダー! 君には随分と世話になったからねぇ、たっぷりと礼をさせてもらうよ」 「てめぇら、組織をぶっ潰しやがったんだってな。いいところを見せて幹部に成り上がろうって俺の計画も全部パァじゃねぇか! どうしてくれんだクソッ!」29 #WR

2013-04-22 21:37:51
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 加賀と鷹村は恨みと悪意を込めて翔太郎を睨み、腹部にメモリを挿してドーパントに変身。  鷹村は青と白を基調とした刺々しい”カブトムシ”顔をし、六つの腕全てに日本刀や白銀の剣、鎖鎌や短剣などを持ったドーパント、31 #WR

2013-04-22 21:38:32
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 加賀はギリシャ文字の”Φ《ファイ》”を貼り付けたような顔に、腕力強化のパンチングユニットや大型大筒のビーム砲を装備し、ロボット然とした姿のドーパントへと変化する。  だが翔太郎はそれもいい加減ワンパターンだと無視し、両側に立つ亜樹子と照井に言う。32 #WR

2013-04-22 21:38:52
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「……な。やっぱりここで間違いないだろ」 「残りの二人が待ち構えているとなると、黒幕はこの先か」 「だろうな。行くぜ、照井」 「了解した」33 #WR

2013-04-22 21:40:04
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 ――変身!  ――変……身ッ!!  メモリをドライバーに挿し、仮面ライダーに変身する二人。  アクセルは襲い来る加賀と鷹村を迎え撃つべく、エンジンブレードを構えるが。 「照井、こいつらの相手は任せた。黒幕の野郎は俺が倒す」 「おい、待て左! どこに行くつもりだ」34 #WR

2013-04-22 21:41:06
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 これは一体どうしたことか。ジョーカーは加賀の頭を飛び越えると、アクセルに赤・黄・緑の三つのメモリを投げて寄越し、単身黒幕の待つビルの中へと乗り込んでしまったのだ。35 #WR

2013-04-22 21:42:16
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 アクセルも、彼を標的としている鷹村と加賀も、慌ててジョーカーの後を追おうとするが、託された三本のメモリを目にしたアクセルは、舌打ちをした上でドーパントたちの前に立ちはだかる。 「くぅ……ッ、しようのない奴め!」 [ルナ!][マキシマムドライブ!]36 #WR

2013-04-22 21:43:17
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 アクセルがエンジンブレードに”ルナ”のメモリを挿し込んだ瞬間、ブレードの刀身はまるでゴムのように自由自在に伸び、一瞬で二体のドーパントを縛り付けた。  仮面ライダージョーカーは、振り返ることも声を掛けることも無く、ただ風を切って地を駆け、ビルの中へと乗り込んで行く。37 #WR

2013-04-22 21:43:57
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「左! どこに行くつもりだ、左ィ!」 「あたし……、あたし聞いてないよ! 待って、翔太郎くん!」  アクセルたちも彼を追わんと駆け出すが、赤黒い光線と錨のような刀身の剣に阻まれてしまう。エンジンブレードの拘束から解放された加賀と鷹村の仕業だ。38 #WR

2013-04-22 21:44:50
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「おいおいおいおい、待ちなよ刑事さん。ここでもう少し遊んで行こうじゃあないか」 「あんたはここで足止めだ。感謝するぜお巡りさん。この方が『好都合』だもんでよ」39 #WR

2013-04-22 21:45:20
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「好都合だと……? 一体どういうことだ!」 「俺たちの抹殺ターゲットはあくまで左翔太郎だが――、依頼主はこうも言ったのさ」 「付き添いの刑事とガキンチョを殺って、首を持って帰ってくれば、特別ボーナスをくれてやるってよォ」40 #WR

2013-04-22 21:46:03
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「何……だと!?」 「ちょっと待てや! ガキンチョってなんだガキンチョって! あたしはもう二十歳だっつーの!」  分散した方が好都合、自分たちを別個で始末させるよう命令された手駒たち――。そこから導き出される答えは。 「これも……、黒幕の罠ということか」41 #WR

2013-04-22 21:47:00
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「ならば尚更道草を食っている訳には行かないな。道を開けろ」 「馬鹿かッお前! そうしないために俺たちがいるんだよ」 「ここで会ったが運の尽き、大人しく我々に倒されるんだね」 「成程」アクセルは溜め息と共に首を鳴らす。「隠れていろ所長。さっさと片付けて左の元へと向かう」42 #WR

2013-04-22 21:48:01
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 亜樹子は何も言わずに頷き、ごつごつとした大岩の後ろに身を隠す。アクセルの物言いが気に障ったのか、二体のドーパントは歯の根をぎりりと鳴らし、声を荒げる。43 #WR

2013-04-22 21:48:35
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「馬鹿にしてくれるじゃないの。我々を片手間で倒せる相手だと思うな」 「さっさと片付けられんのは、てめぇの方だぜ」 『戻れ!』鷹村――、ブレイド・ドーパントの求めに応じ、地面に突き刺さった剣がふわりと浮き、彼の手に収まる。六本の腕全てにそれぞれ長さの違う剣が握られた。44 #WR

2013-04-22 21:49:26
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

『斬り裂け!』鷹村の掛け声と共に六本の剣は彼の手を離れ、横回転しつつアクセルに迫る。素早いが、見て避けられない程ではない。アクセルは三本をブレードで叩き落とし、残りを後ろ宙返りで避け切った。45 #WR

2013-04-22 21:50:30
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 しかし、彼の相手は鷹村だけではない。宙返りから体勢を立て直したアクセルの背目掛け、加賀――ファイズ・ドーパントの高熱ビームが放たれたのだ。  ビームはアクセルの堅牢な装甲を溶かし、変身者の素肌にまで達しており、照井の顔が苦痛に歪み、よろめいてたたらを踏んだ。46 #WR

2013-04-22 21:51:32
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「おっと、まだ倒れてくれるなよォ」 『戻れ!』かの掛け声と共に、飛んでいた三本の剣がアクセルの右肩、左脇腹、右腿に突き刺さる。激痛に耐えきれず、アクセルはとうとう地面に突っ伏してしまった。47 #WR

2013-04-22 21:52:33
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

「竜君ッ!」 「どうだこの野郎! 俺たちを舐めた報いだぜ」 「なんと歯応えのない……。さっさと首を刈って終わりにしましょうかねェ」  うつ伏せのまま動かないアクセルを見下ろし、楽しげに笑う二人のドーパント。亜樹子の叫びも虚しく、アクセルは痙攣を起こして倒れたままだ。48 #WR

2013-04-22 21:53:44
イマジンカイザー(二次創作投稿用) @i_m_z4643

 しかし、ここで悪に屈するアクセルではない。彼は背と足の痛みに耐え、ブレードを杖代わりに立ち上がった。 「認識を改めねばなるまい。確かにさっさと倒せる相手では無さそうだ。本気でやろう」  アクセルは翔太郎から託された三本のソウルメモリを握り締め、ブレードを構え直した。49 #WR

2013-04-22 21:54:55