イアン・ハッキングしてみた/(2007)「人々の種類」
イアン・ハッキングはエスニシティという対象が彼が関心をもつmaking up peopleやループ効果というトピックにぴったりあてはまると述べながらもエスニシティには必ずしも興味がないと述べたのでした。彼はこう言います。
2013-07-25 22:46:56「エスニシティやそれに関連するものを私はここでトピックとしてとりあげない。帝国が人々の種類を組織するという事態は結局のところまったくもってむき出しの暴力の問題なのであり、現状ではそれは私の関心事ではない。」(続く)
2013-07-25 22:49:23「私が興味を持つ分類とは科学の領域で研究されているもんだ。そうした科学の領域では知識は単に道具的instrumentalなのではない。ミシェル・フーコーは無垢で、あるいは不可避にみえる科学的分類がもつ権力効果について考えるように多くの読者を導いた。」(続く)
2013-07-25 22:49:29「この講義で私はその[フーコーと同じ]道を進まない。もちろん、その道はすでにかなり踏みならされ[なじみ深いものになっ]ているので、読者たちは[この違いを]見落とすことはないだろうが。」イアン・ハッキング「人々の種類」p290
2013-07-25 22:49:36「The imperial organisation of kinds of people is in the end very much a matter of brute power, 」
2013-07-25 22:51:08「I am interested in the classifications that are studied in the sciences, where the knowledge is not simply instrumental.」(p290)
2013-07-25 22:51:50疑問1:イアン・ハッキングはなぜ[科学において使われる分類の権力効果power-effectsに注意を向けるという]フーコーと同じ道をとらないのか
2013-07-25 22:54:11疑問3:なぜ権力効果について語らないのにもかかわらず、イアン・ハッキングは自身のことをフーコーの後継者だと考えることができるのか。
2013-07-25 22:54:49権力効果power-effectsを強調するのではないかたちでミシェル・フーコーを継承することは可能なのでしょうか。読み進めながらその答えを探ってみましょう。
2013-07-25 22:55:56人種が五つに小体さあれたのは1790年代のことでカントの友達のJphann Friedirch Blumenbachがそれを手助けしたそうです。
2013-07-25 22:59:11Johann Friedrich Blumenbachですね。失礼しました。読みはヨハン・フリードリヒ・ブルーメンバッハでよろしいでしょうか。
2013-07-25 23:00:02しかし、人種という概念、および他者/よそものという概念は人種の科学のまえから存在していたのである。そうした概念は自身の科学以外にも強固な地盤をもっているのでここではとりあつかわないということでしょうか。p290
2013-07-25 23:04:45「しかし人種raceという"他者”という観念は人種の科学の遙か以前に始まっており、そして人種の科学よりも長生きするだろう」(続く)
2013-07-25 23:05:54「そうした観念は自身の生もっている(性別という観念もそうだ)。つまりそれはいかなる科学よりも強固な基盤を持っているのだ。そしてそれゆえにそうした観念は私のここでのトピックにはならない」イアン・ハッキング「人々の種類」p290
2013-07-25 23:08:19They have a life of their own (as do ideas of sex), that is far more entrenched than any science, and hence they are not my immediate topic.
2013-07-25 23:09:33far more entrenched than any scienceですから「いかなる科学よりもはるかに強固な地盤をもっている」といった感じでしょうか。
2013-07-25 23:10:04ここでのhenceというのは理由をあらわしているので、イアン・ハッキングが人種を扱わないか理由とは「それらの観念群がいかなる科学よりもはるかにentrenchedしている」からだと考えてもよろしいでしょうか。
2013-07-25 23:12:33