銀行の信用創造と日銀のBS。マクロ経済学とファイナンス理論

経済学者の方々が、マクロ経済学と金融論の狭間のお話をされていた記録。中央銀行である日銀と民間銀行と私達民間の間でお金はどう動くのか?
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公認会計士 YH(匿名にしていきます) @yhsk_pr

池尾さんはハッキリと日銀に資金繰りの問題など存在しない、と言い切ってしまえばいいのに。もしかしてそうは思っていないのかな。

2013-07-27 18:50:32
shishitou1202 @shishitou1202

金融政策について考えるときには、バランスシートを思い浮かべることが必要である。というのは、金融政策は等価交換であって、富や所得を一方的に移転するような行為ではないからである。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』11頁)

2013-07-21 16:41:04
shishitou1202 @shishitou1202

七〇年代末から八〇年代初頭にかけてスタグフレーションで高インフレを経験した国と、スタグフレーションにならなくて八〇年代以降、物価が安定していた国の経験の違いが、人々の予想インフレ率に反映しているともみられます。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』39頁)

2013-07-21 16:41:52
shishitou1202 @shishitou1202

必要がなく、望ましくないことを将来やると約束して信用してもらうことは、真面目な人や物が分かっている人には、とても無理な話です。例えば、白川方明日銀前総裁が、将来無責任な行動をとると言っても、だれも信用しない。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』58頁)

2013-07-21 16:42:20
shishitou1202 @shishitou1202

白川さんならば、責任ある行動をとるに決まっているとみんな知っているからです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』58頁)

2013-07-21 16:42:40
shishitou1202 @shishitou1202

何らかのイデオロギーをかたくなに信じ込んでしまっている人が権限のある立場に着けば、(普通の人からみると)、無責任になることを信用してもらうこと(credible irresponsibility)が可能になるのかもしれません。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』60頁)

2013-07-21 16:43:19
shishitou1202 @shishitou1202

世間には「目先の景気刺激に金融緩和と拡張的財政政策が効くのは、それこそ経済学の常識である」と言っているような人がまだまだ多いので、この第2講では、現代的な経済学の本当の常識がどのようなものかを改めて確認しておきたいと思います。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』88頁)

2013-07-21 16:43:48
shishitou1202 @shishitou1202

それまで比較的強い相関があるとみられていた貨幣供給量と名目GDPの間の関係が八〇年代以降に失われた理由は、いくつか考えられますが、米国の場合には、八〇年代以降急速に金融革新が進んだことが影響しているとみられます。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』118頁)

2013-07-21 16:44:23
shishitou1202 @shishitou1202

枠組み(framework)という言い方は、従来の「裁量かルールか」という論争に対して中庸の立場をとるという意味合いをもっています。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』123頁)

2013-07-21 16:44:51
shishitou1202 @shishitou1202

いわゆる「日銀理論」の方が、テイラー・ルール以後の現代的なマクロ経済学の枠組みとむしろ整合的なものであるように思われます。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』130頁)

2013-07-21 16:45:34
shishitou1202 @shishitou1202

RBCのモデルにせよ、ニュー・ケイジアンのモデルにせよ、理論的可能性として金融危機の発生を認めるようなものになっていなかったことは、否定できません。金融危機が起こりようのないモデルを用いて議論をしていたわけです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』134頁)

2013-07-21 16:45:55
shishitou1202 @shishitou1202

これらの経験をしながら、日本の経済学者が金融仲介機構の重要性と金融仲介機構の存在をマクロ経済モデルの中に取り入れることの必要性をほとんど主張してこなかったことは、真摯に反省しなければならないと考えます。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』138頁)

2013-07-21 16:46:25
shishitou1202 @shishitou1202

この点では、日本の経済学はまだまだ輸入学問の域を脱していなくて、米国での流行をコピーしているだけだと批判されても、甘んじて受けるしかないという感じです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』138頁)

2013-07-21 16:47:13
shishitou1202 @shishitou1202

京都大学教授の翁邦雄さん(元・日本銀行金融研究所長)に教えてもらったのですが、時間軸政策あるいはフォワード・ガイダンスにおけるコミットメントの仕方には、「デルフィ型」と「オデッセイ型」とがあります。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』177頁)

2013-07-21 16:47:36
shishitou1202 @shishitou1202

デルフィ型というのは、古代ギリシャおいてデルフィ神殿の神託が重要な決定を左右した故事に因んだ名称で、「二〇一X年後半まで金融緩和を続ける」といったカレンダー・ベースで約束するものです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』177頁)

2013-07-21 16:47:59
shishitou1202 @shishitou1202

「オデッセイ」は、ホメロスの長編叙事詩の一つですね。その中で、オデッセウスは、セイレーンたちの歌に惑わされないように、自らの体を船のマストに縛り付けさせる。まさに自らを縛り付けるというコミットメントをした。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』178頁)

2013-07-21 16:48:19
shishitou1202 @shishitou1202

長期国債を大量に購入するというと、何かすごいことをするように思う人もいるかもしれませんが、長期国債と準備預金を交換するということでしかありません。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』189頁)

2013-07-21 16:48:45
shishitou1202 @shishitou1202

米国の景気はだいぶ回復してきたと思いますが、リーマンショックから五年近くが経過して、時間が問題を解決してきた、自然治癒が進んだという面が強い。QE1を別にして、FRBの金融政策がどの程度の貢献をしたのかは、よく分かりません。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』191頁)

2013-07-21 16:49:07
shishitou1202 @shishitou1202

金融緩和の必要性のある間は、財政ファイナンスか否かは判断できません。財政ファイナンスか否かの判断基準は、金融引き締めの必要が生じたときに、保有している国債を中央銀行が自らの判断で売却できるかどうかです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』197頁)

2013-07-21 16:49:28
shishitou1202 @shishitou1202

中央銀行がベースマネーの量を削減したいと考えるのは、デフレ脱却後です。いつまでもデフレが続いているのであれば、問題はなかなか顕在化しません。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』200頁)

2013-07-21 16:49:58
shishitou1202 @shishitou1202

「政府債務のGDP比が二〇〇%を超える状態は持続不可能である」と述べる一方で、「財政ファイナンスを行うものではない」と主張することは、矛盾していると言わざるを得ません。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』201頁)

2013-07-21 16:50:20
shishitou1202 @shishitou1202

長期金利が少しでも上昇すると、現在保有されている国債についてはキャピタル・ロス(評価損)が発生します。金利上昇に伴うキャピタル・ロスの大きさは、満期までの平均残存期間(デュレーション)の長さに比例します。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』205頁)

2013-07-21 16:51:01
shishitou1202 @shishitou1202

国債を満期まで保有し続けるためには、その分の資金調達が必要になります。(略)インフレになっている状況で準備預金残高を維持していくためには、そのときのインターバンク市場金利に見合う金利を準備預金に対しても支払う必要が生じます。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』206頁)

2013-07-21 16:52:18
shishitou1202 @shishitou1202

高橋財政期には、国債の発行市場が整備されていなかったので、発行方法として日銀引き受けを利用したが、最終的に国債は市中消化されることを原則としていたわけです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』211-212頁)

2013-07-21 16:52:50
shishitou1202 @shishitou1202

ベースマネーの供給量の比で為替レートが決まるといえる十分条件は、①購買力平価が成立し、②貨幣数量説が当てはまり、③貨幣乗数が安定している、というものです。(池尾和人『連続講義・デフレと経済政策』236頁)

2013-07-21 16:53:14
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