仮説:海上戦力は内線作戦の利点を活かしやすい?
内線作戦は、陸戦ではナポレオンの戦い方が例としてよく出てくる。海戦での例は寡聞にして思いつかないが、スペインのアルマダに対するイングランドの位置はそれに近かったのではないだろうか
2010-09-27 00:09:03対して、外線作戦は我が作戦線を敵に対して外側に保持し、複数の方向から求心的に行う作戦である。作戦の形態から自然に包囲の態勢に持ち込みやすい利点がある
2010-09-27 00:11:14ただ、陸上戦力と海上戦力の大きな違いとして、「陣地による防御があるかないか」がある。固定陣地からの火力は大きな威力がある一方、動けないという不利がある
2010-09-27 00:30:35仮説を成り立たせる条件として、「それ以外の戦力からの支援は大きな影響を及ぼさない」としてみる。もちろん理論上の話であり、仮説の検証のためにする条件である
2010-09-27 00:37:08さて、内線作戦に於いて陸上戦力はどのような行動を取るか。通常は一部をもって主作戦正面以外の敵を拘束し、主力で主作戦正面の敵を撃破することになる。そしてこれを何度か繰り返す事になろう
2010-09-27 00:43:35主作戦正面以外の正面は、支作戦正面と言われる。どの敵を最初に潰すかは状況によって違うが、最も撃破容易な敵か、最も危険な敵が選ばれるだろう
2010-09-27 00:46:39では、最も撃破容易な敵を主力が潰している間、支作戦正面では何が起こっているか。普通は必要最小限の味方で敵を押し止める事になっているだろう。主作戦正面に努力を集中するため、支作戦正面の戦力は必要最小限を下回る事はあっても上回る事はあるまい
2010-09-27 00:49:16内線の立場における陸上戦力は、支作戦正面で防御し、主作戦正面で攻勢に出ることを目論むだろう。この際、防御すべき正面では陣地を構築する事が望ましいが、そうなると割り当てる勢力は少なくて済むものの、その正面の戦力は振り回しが難しくなる
2010-09-27 01:26:56もし外線作戦側の作戦線が多かったらどうなるだろうか。最悪の場合内線側は戦力の少なからずを分散することになり、主作戦正面に充当すべき戦力の不足に繋がるだろう
2010-09-27 01:32:06陸戦における内線作戦の利点不利点は、防御のそれに近いといえるかもしれない。即ち待ち受けの利により主作戦正面を主動的に選択できるが、ややもすると勢力を分散して受動に陥りやすい
2010-09-27 01:37:53さて、海戦ではどうなるのだろうか。海についてはズブの素人であるが、そこは想像力でコリエイトしてみる。決してクリエイトではない。
2010-09-27 01:40:58海戦に於いては、戦術的防御は考えにくい。ましてや陣地防御などあるはずもない。強いて言うなら基地航空隊と連携した待ち受けだが、それは考察に入れないと宣言した。異論はまたの機会に。
2010-09-27 01:47:25その一方で、運動力において陸上戦力に勝る海上戦力は、戦力の集中が比較的容易であり、特定の正面に対して主力を集中するのは陸上戦力より迅速におこなえるだろう
2010-09-27 01:49:58物凄く単純化するならば、海上戦力は戦力の集中という内線作戦の利点を享受することが、陸上戦力より容易であろう。ただ、そのためには十分な作戦縦深を必要とする。
2010-09-27 01:55:17何となれば、海上戦力を固定的に「どこで阻止する」というのは、通過せざるを得ない海峡のようなチョークポイントを抑えない限り困難だからである。そう考えると、海上戦力が内線作戦を行うのに必要な地理的範囲はかなり広い事に気付く
2010-09-27 02:02:01もちろん、第3次中東戦争のように敵の相互の連携が取れていないなら、各個撃破は可能だろう。とはいえ、これは戦術・作戦術というよりは戦略の階層に属する
2010-09-27 02:07:54