【仕掛ける】 自国が関連する戦争を他人事と考える意識について 【仕掛けない】
戦時中に「戦争を二度と繰り返すべきではない」「理由はどうあれ戦争はやめるべき」「今すぐ停戦(降伏)すべき」「沖縄ぐらい譲ってやれ」「本土の無事には替えられない」というような論調に、安易に乗っかってしまわない、これが【非戦闘員である国民が戦争中にできる政治的選択】だと言える。
2013-08-25 06:45:55本日のお題は「譲歩」(・ω・)
これについて思うところがある。 「理由はどうあれ戦争はよくないからすぐに止めるべき」 という人は、自分達が関わっている戦争が、どういうものなのかについて現状把握ができていないのかもしれない。
2013-08-25 09:47:42大雑把に言うと、 1「自分から仕掛けた戦争を、目的を達成せずにやめる」 2「相手に仕掛けられた戦争を、目的を達成せずにやめる」 1は相手の譲歩や権益の割譲を強いる目的が達成されないから現状維持。 2)は相手に強いられた譲歩や権益割譲を受け入れることになるから、現状から後退する。
2013-08-25 09:47:51日本が「紛争(意見の食い違いからの対立)の解決手段としての戦争を禁じる(9条)」と言ってるのは、1のほうで、「戦争をしてはいけない」じゃなくて「戦争を仕掛けちゃいけない」であって、戦争を仕掛けられたときに反撃してはいけない、ということを規定しているわけじゃない。
2013-08-25 09:49:19戦争を仕掛けた場合(1)も仕掛けられた場合(2)も、交戦状態になれば確かに「戦争勃発」だけど、仕掛けるのと仕掛けられるのとでは色々状況が異なる。そして、よほどの強硬な主戦論者でない限り、積極的に(1)戦争を仕掛けることに賛成している人は少ない。
2013-08-25 09:50:29世の「9条改憲論者」のほとんどは、(1)のためでなく(2)により万全に対応するために改憲を、と言っているんだけど、そこをも批判する人は、 http://t.co/TG1XdYbMAB これで言うところの(1)と(2)の区別が付いてない。
2013-08-25 09:51:44ちなみに、
- 自分から仕掛けた戦争を、目的を達成してやめる(勝利)
- 自分から仕掛けた戦争を、目的を達成せずにやめる(現状維持)
- 相手に仕掛けられた戦争を、目的(防衛)を達成してやめる(勝利。現状維持)
- 相手に仕掛けられた戦争を、目的(防衛)を達成せずに(自分が)やめる(敗退。現状から後退)
シンプルに言うとこういう組み合わせ。
ここでは「他国の侵略戦争の片棒を云々」は、含めてない。
他国の戦争が自国にも利益をもたらすか、不利益をもたらすかによって評価は変わる。
また、「自衛のための戦争(=自国の利益を損なわないための戦争)」は、「自国の利益を増やすための戦争」との区別が割とつきにくい。(既得権益の争奪戦)
そして、現代戦において「相手国の領土上で行えば侵攻(だが、自国領土は安全)」「自国の領土上で行えば専守防衛(相手国の国民は安全だが自国民は危険に晒される)」というのを、単純に侵略かそうでないかと定義づけるのも難しい。
アメリカの戦争がしばしば外征になるのは、相手国に外征能力がないからだが、相手国が攻め入った対象国(例えば湾岸戦争に置けるクェートとか)の撃退のために、アメリカがイラク領内に攻め入るのは侵略戦争かと言われたらそれはもちろん違うだろと。
なので、一昔前のように単純に「領土が欲しいから侵略戦争」のような戦争はちょっと考えにくいんだけど、それでも「資源奪取」「航行ルート確保」などの権益を巡る衝突は、この先もなくならないだろな、とちょっと脱線。
そんで、(2)の「仕掛けられた戦争」について、「理由はどうあれ」と目的(この場合は防衛)を達成せずにやめてしまうと、その後に「絶滅目的の無差別攻撃が行われる(主戦論者の懸念)」のでも「満足して引き揚げていく(反戦論者の期待)」のでもなく、勝者(相手)側の要求に対する譲歩が始まる。
2013-08-25 09:53:39戦争に対する誤解として、「絶滅目的(人間を虐殺する)」とか「鬱憤晴らし」のために戦争を行うのだと思っている人が、実は一定数いる。武器・兵器、相手を無力化するための行為の付随結果としての殺人行為・破壊行為に対して持つ恐怖心と忌避感がそう考えさせるのだと思う。
2013-08-25 09:55:11できれば殺さない、というのは正しく、(一部の熱狂的な主戦論者を除けば)反戦論者以外であっても無用な破壊や殺人を肯定したりはしてない。が、戦争は「殺人と破壊」が主目的のストレス発散ではない。「政治的目的を相手に強い、対立しているなら譲歩を受け入れさせる」のが目的。
2013-08-25 09:56:35戦争をしてでも譲歩させたい国、戦争をしてでも譲歩したくない国の関係は戦争の発生を回避できない。どちらか一方が「戦争をするくらいなら譲歩する」となれば、【戦争をするまでもなく、戦争を覚悟した側の国の政治的目的は達成される】から、戦争そのものは回避はできる。
2013-08-25 09:57:43回避できるけど、「戦争をするくらいなら譲歩する」とした国は、元々持っていた権益や財産、それらを運用する自由の一部か全部を失う。そこに政治的意志決定権(施政権、統治権、民族自決権、立法権、司法権、行政権、報道の自由、思想信仰の自由)なども含まれる。
2013-08-25 09:59:04日本は「本島+周辺島嶼部」という領土構成になっていて、既に日本人が居住している島嶼については権益を主張できている。日本が抱える領土のうち、相手側から譲歩を強いられているのは日本人が居住していない(無人島の)尖閣諸島、同じく韓国人が違法占拠する竹島、ロシア人が生活する北方領土。
2013-08-25 10:01:51日本の領土、というか領海・経済的排他水域は、これらの島嶼部の日本帰属によって大きく主張できる「既得権益」で、一応は「違法占拠されている竹島」「ロシアから返還されていない北方四島」の奪還という政治目的はあるものの、その解決のために軍事力を用いることを日本は望んでいない。
2013-08-25 10:04:04これらのうち、尖閣諸島(中国風に拡大解釈すると沖縄なども)は、「日本が実効支配しているが、中国が実力行使を試みている最中で、まだそのもくろみは成功していない」という点で、竹島、北方4島と異なる。これが中国側が武力行使を用いて行った場合、(2)仕掛けられた戦争、になる。
2013-08-25 10:06:02仕掛けられた戦争に対して、「戦争になるくらいなら尖閣や沖縄くらいくれてやれ」とすると、武力行使によって生じる被害は回避できるけど、尖閣諸島周辺海域(沖縄や八重山に至る)の海底油田権益、漁業権、海上航行、治安、施政権などが損なわれる。経済的排他水域は縮小される。
2013-08-25 10:07:56というのが、こないだの http://t.co/cAtdjXbe6U で考察してた、「単純に戦闘行為に忌避感を持つ日本人が、見落としがちなこと」という点だろうと思う。仕掛けられた戦争(政治的強制行為)を忌避するために譲歩すると、様々な権益を喪失するから譲歩してはいけない。
2013-08-25 10:09:32@azukiglg 日本が先だって、世界に提示してるのは、それありきの「戦争放棄」ですから、アメリカもおいそれと自衛隊を(攻撃に)引きずり込めない訳で…
2013-08-25 10:04:21アメリカは「ここまで理不尽な憲法は、主権が回復したらすぐに改憲するだろう」と思っていたら、金科玉条にされてしまったため、結果として同盟国となった日本のオプションが増えず、アメリカの負担が大きくなりすぎてしまったことを悔いているという説も QT @nakasendo_mashi
2013-08-25 10:11:12結局、(2)仕掛けられた戦争を、なぜ回避してはいけないのか?というのは、回避→譲歩によって失う権益を、譲歩を主張する人が【自分事】【自分の権益に関係があること】として認識できるか、できているか、ということに関わってくる。
2013-08-25 10:12:42例え話「もし火事が起きたら」ヽ(´∇`)ノ
自分の家に火事が燃え移ることを望む人はいないから、自宅の庭が燃え始めたら誰だって消火を始める。だけど、隣家が燃え始めるのを見たとき、「それを放置すると自分の家も燃える」ということを予見・連想できる人は、実は案外少ないのかもなー、と思う。
2013-08-25 10:13:59「隣家が燃える→自分の家にも延焼」隣家が燃えただけなら自分の権益は失われないが、自宅まで燃えたら自分の権益が損なわれる。自宅に延焼してからではリスクが大きくなりすぎるから、隣家が燃え始める、燃えそうになる、という時点で、消火に協力するのがベター。
2013-08-25 10:15:04