『虫樹音楽集』はホラーの色彩も帯びている。クローネンバーグ影像のごとき不吉がふいにのぞく。ありきたりのホラーで満足できないひとはぜひどうぞ。
2013-11-10 22:07:32日本文学には不調法なぼくなので偉そうに言えないのだけど、『虫樹音楽集』は近年の作品のなかで、金井美恵子『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』に次ぐ大傑作。世界文学級です。
2013-11-10 22:13:05『マルペルチュイ』ぼくも大好きです。〈妖精文庫〉のなかでは、 『耳らっぱ』 『「美妙な死体」の物語』『火山を運ぶ男』 の次ぐらいに好き。 RT @tolle_et_lege 『マルペルチュイ』ってそんな話だったのか。30年ほど前に買ったまま読んでいなかった……読まなければ。
2013-11-11 21:59:47ジャン・レイと同じベルギーの怪奇小説家にトーマス・オーウェンというひとがいて、やはり不吉な異色作品を書いている。短篇に関してはオーウェンのほうが凄味がある(レイも充分に面白いけれど)。ただ、長篇『マルペルチュイ』についていえば、雰囲気が濃厚で圧倒されました。
2013-11-11 22:16:39NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはピーター・ワッツ『ブラインドサイト』(創元SF文庫)を取りあげています。 http://t.co/uEEZGrVVU4
2013-11-12 16:17:18書評のさわり―― ワッツはで大胆な仮説を提起する。「意識」を持たない「知性」は存在しうる。それどころか、われわれが知性の拠り所とみなしている「意識」は進化の奇形的袋小路にすぎず、宇宙的規模の生存戦略において障害にしかならない。 http://t.co/uEEZGrVVU4
2013-11-12 16:19:36フィリップ・K・ディック『変数人間』(ハヤカワ文庫SF)読了。ディックの著作なのでもういまさら何を言っても営業に影響がないだろうから言っちゃうけど、「CM地獄」「不屈の蛙」「あんな目はごめんだ」の3篇はそうとうヒドい。
2013-11-15 19:51:42とくに「あんな目はごめんだ」は、小説職人的な文章の運びの技を別にすれば、大学SF研の会誌でもボツになるレベルのくだらないアイデア。
2013-11-15 19:53:36そういうゲテモノと、ポストアポカリプスSFの大傑作「パーキー・パットの日々」が並んでいるのがオカシイ。一冊通して読むと、愚作すら愛嬌に見えてくるのだから、ディックというひとはまったく。いや、これは編者の大森望の企みか。
2013-11-15 19:54:08イサク・ディネセン『夢みる人びと』(白水uブックス)読了。ディネセンおそるべし。そうとうに小説を読みつけているひとでも、彼女の小説にはとまどうのではないか。韜晦とか仕掛けがあるのではなく、むしろ場面ごとではなめらかなのだが、本筋や本題がいっこうに見えてこないのだ。
2013-11-15 20:06:01ディネセンの小説は、どう展開するかわからないエピソードや情景をひたすら追っていくと(そこには起伏もあり興趣もあるのだが、どこへつながっていくか先行きがみえない)、ある地点でふいに本筋が立ちあがる。そこから一気呵成にクライマックス。
2013-11-15 20:08:22本筋が見えた瞬間に、それまでの悠々とした語りが遡及的に輝く。
2013-11-15 20:08:30NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはフィリップ・K・ディック『変数人間』(ハヤカワ文庫SF)を取りあげています。 http://t.co/z2roIkVD1E
2013-11-26 18:28:49書評のさわり―― こうしたディテールが醸しだすかすかな違和感が、クライマックスで物語の表面へ強く吹きあがる。(略)それにふれたとき、安寧だったパーキー・パットの日常が大きく揺らぎ、見通しのわからぬ明日が迫ってくる。 http://t.co/z2roIkVD1E
2013-11-26 18:29:15六冬和生『みずは無間』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)100ページほど。SF史上最悪……とまで言わないが、うんざり感マックスのヒロインにのたうちまわりながら読んでいます。
2013-11-26 20:03:26『みずは無間』、まだ読んでいる途中ですが結末を大胆予想すると、このAI化した主人公の男は、どうにも辛抱たまらず、みずはをブチ殺して宇宙へ逃げてきたんじゃないの。
2013-11-26 20:04:29『みずは無間』はかなり『ブラインドサイト』とテーマがかぶっている。ワッツ作品の主人公もいわゆる人間的な共感能力を欠いていたし、地球の煩わしい人間関係(とくに恋人との)でめんどくさい思いをした過去に引きずっていた。
2013-11-26 20:09:11『みずは無間』あとちょっとで読みきる。世界一うんざり女vs.宇宙一うざい知性体のガチンコ勝負になって、もうなにがなんやらわかりません。
2013-11-27 10:02:10しかし、うんざり女は凶悪な情報兵器だというアイデアは新機軸かもしれない。どんなエイリアンが来ても、これなら平気だね。
2013-11-27 10:04:06『みずは無間』では宇宙の謎がたくさん開示されるのですが、最大の謎は主人公がなぜみずはとつきあいつづけていたかですよね。いちおう説明はあるんですが、納得しかねる。 RT @wtnbt 激しく同感です!読むのが凄くつらいです!(面白いけど)
2013-11-27 10:19:49そのイヤ感が宇宙規模に拡大してしまうのが凄いんですが。イヤミスならぬ、イヤSF。 RT @hkazano そんな女とは別れてしまえ、と何度思ったことか…。 @wtnbt
2013-11-27 11:15:50六冬和生『みずは無間』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)読了。ミもフタもない言いかたをしてしまえば、バカップルが宇宙を滅ぼしてしまう話。くわばらくわばら。イーガン以降のSFの潮流のなかで位置づければ、「さましまな人間原理」ってかんじでしょうか。
2013-11-27 11:59:43『みずは無間』は、『魔法少女まどか☆マギカ』の裏返しのようでもある。まどかとほむらの運命的な巡りあいが最終的には宇宙秩序すら更新してしまうのだが、『みずは無間』はみずはと透(主人公)の因縁が宇宙を食いつくす。
2013-11-27 12:00:23