銀ねずの和歌タイム

平成25年10月11日に始まりました。
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銀ねず @ginn_nezz

【4】春きぬと空にしるきは春日山峰の朝日の気色なりけり/藤原俊成 #waka #jtanka 立春の日に、自らの氏神に参拝して輝くような未来を予感させる朝日(崇徳院の威光)を浴びる。そこまでイメージ出来れば、久安百首が俊成卿にとってどれだけ重大か分かるでしょ。

2015-02-22 20:28:51
銀ねず @ginn_nezz

【5】春きぬと空にしるきは春日山峰の朝日の気色なりけり/藤原俊成 #waka #jtanka 喜びに溢れる俊成卿を見ると安心しますよ、ほんと。(了)

2015-02-22 20:29:05
銀ねず @ginn_nezz

【1】むかしおもふ草の庵の夜の雨に涙な添へそ山ほととぎす(藤原俊成) #waka #jtanka 兼実家歌合百首。これは中国の『蜀の望帝』伝説を詠んだものじゃないかと言われてます。望帝は、何だかんだいろいろあって(省略しやがった)最後はホトトギスになったと言いますが。

2014-05-01 00:54:47
銀ねず @ginn_nezz

【2】むかしおもふ草の庵の夜の雨に涙な添へそ山ほととぎす(藤原俊成) #waka #jtanka ホトトギスは鳴くと赤い口の中が見えて血を吐くように見えるとか、正岡子規の『子規』はその命名だとか、ありますね。俊成卿のホトトギスこと望帝、身近にそういう人物がいるんです。

2014-05-01 00:54:58
銀ねず @ginn_nezz

【3】むかしおもふ草の庵の夜の雨に涙な添へそ山ほととぎす(藤原俊成) #waka #jtanka 血を吐くような悲しみを経験して、最後はホトトギスと化した『帝』。崇徳院こそ、この歌に相応しいと思うのですがいかがでしょう(院に対して『な…そ』はちとアレですが)。(了)

2014-05-01 00:55:07
銀ねず @ginn_nezz

【1】もらしては袖やしをれむ数ならぬ身をはづかしの森の雫は(藤原俊成) #waka #jtanka 述懐百首『初恋』。述懐百首は恋歌でも「数ならぬ身」を憂う。しかしながらさすがに恋歌なので技巧が詰め込まれてます。特に『初恋』は恋歌のはじめなのでこれでもかというくらい。

2014-03-18 18:39:10
銀ねず @ginn_nezz

【2】もらしては袖やしをれむ数ならぬ身をはづかしの森の雫は(藤原俊成) #waka #jtanka 初句「もらす」は、気持ちを漏らす(顔に出すとか)、結句の雫(=涙)を漏らすのダブルミーニング。それから四句の「はづかしの森」は何と「羽束師の森」という歌枕だったり。これでもか!

2014-03-18 18:39:20
銀ねず @ginn_nezz

【3】もらしては袖やしをれむ数ならぬ身をはづかしの森の雫は(藤原俊成) #waka #jtanka 「物の数でもない自分を恥じて(羽束師の森の雫のように)漏らしてしまうわたしの気持ちと涙とで、この袖はしおれるのでしょうか…(忍んでも漏らしても涙が溢れるのです)」、あたりかな。

2014-03-18 18:39:36
銀ねず @ginn_nezz

【4】もらしては袖やしをれむ数ならぬ身をはづかしの森の雫は(藤原俊成) #waka #jtanka 恋歌に技巧を使えば使うほどかっこいい時代でしたが、技巧バリバリの恋歌に載せて不遇の身を嘆くのはアクロバットといっていいです。「はづかしの森」、よい子は真似をしないように。(了)

2014-03-18 18:39:48
銀ねず @ginn_nezz

【1】行方なくあくがれぬとも浜千鳥とまらむ跡を誰かしのばむ(藤原俊成) #waka #jtanka 述懐百首『千鳥』。千鳥は冬の景物で、浜辺や河辺など水のある場所で雌雄が呼び交わしたり、ひとり鳴いたりします。また足跡が「筆跡(歌)」を意味するので冬の恋歌によく使われます。

2014-01-10 03:33:30
銀ねず @ginn_nezz

【2】行方なくあくがれぬとも浜千鳥とまらむ跡を誰かしのばむ(藤原俊成) #waka #jtanka 二句「あくがる」は、さまようこと→【物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞ見る(和泉式部)】。「ぬ」は完了の助動詞。否定の「ぬ」ではないです。

2014-01-10 03:33:46
銀ねず @ginn_nezz

【3】行方なくあくがれぬとも浜千鳥とまらむ跡を誰かしのばむ(藤原俊成) #waka #jtanka 現代日本語でも「○○したとしても」みたいに逆接の仮定の場合は完了を使う時がありますので、この歌の場合は「あてもなくさまよったとしても」と読みます。

2014-01-10 03:34:01
銀ねず @ginn_nezz

【4】行方なくあくがれぬとも浜千鳥とまらむ跡を誰かしのばむ(藤原俊成) #waka #jtanka 四句「とまらむ跡」ですが、これは「留まる」、この世に残ること。「跡(筆跡)」が残るということは、自分の歌がこれから先も残るということ。そして自分の歌を将来「誰かしのばむ」。

2014-01-10 03:34:31
銀ねず @ginn_nezz

【5】行方なくあくがれぬとも浜千鳥とまらむ跡を誰かしのばむ(藤原俊成) #waka #jtanka 以上のことをまとめると『あてもなくさまよったとしても、浜千鳥が砂浜に残す足跡のような私の歌を、これから将来、誰がしのんでくれるだろうか』。恐ろしく手の込んだ歌。

2014-01-10 03:34:43
銀ねず @ginn_nezz

【6】行方なくあくがれぬとも浜千鳥とまらむ跡を誰かしのばむ(藤原俊成) #waka #jtanka あてもなくさまようのは、出家したり、出世ができないまま人生が終わってしまうこと、かな…。でも俊成卿の歌はきちんと残っているし、何よりわたしが偲んでいるよ。大丈夫。(了)

2014-01-10 03:34:55
銀ねず @ginn_nezz

【1】杣山や梢におもる雪折れにたへぬ嘆きの身をくだくらむ(藤原俊成) #waka #jtanka 述懐百首『雪』。新古今集入集。初句「杣山【そまやま】」は、木を伐りだす山のこと。杣山に雪が降り積もり、植えられている木が雪の重みに耐えられず折れてしまうのが「雪折れ」。

2014-01-04 15:39:52
銀ねず @ginn_nezz

【2】杣山や梢におもる雪折れにたへぬ嘆きの身をくだくらむ(藤原俊成) #waka #jtanka その杣山に、俊成卿の「嘆き」という木も植えられていて、身に積もる雪…おそらく「憂き」を呼び起こす…に持ちこたえられず砕けてしまいそうだと。どうしてこんな辛い目に遭うのでしょう。

2014-01-04 15:40:06
銀ねず @ginn_nezz

【3】杣山や梢におもる雪折れにたへぬ嘆きの身をくだくらむ(藤原俊成) #waka #jtanka 「雪折れ」は、静謐な情景を破る音は派手な演出です。【夢通ふ道さへ絶えぬ呉竹の伏見の里の雪の下折れ(藤原有家)】などなど。雪折れは、独りその音に気づく夜こそふさわしい。(了)

2014-01-04 15:40:24
銀ねず @ginn_nezz

【1】しぐるるもよそにや人の思ふらむうきには袖の物にぞありける(藤原俊成) #waka #jtanka 述懐百首『時雨』。時雨は京都特有の冬の雨。短い時間にさっと降ると言われておりますが。そんな時雨の降るのを見て「他の人(あなた)は自分とは関わりのないものと思うのだろう」と。

2013-12-18 17:55:19
銀ねず @ginn_nezz

【2】しぐるるもよそにや人の思ふらむうきには袖の物にぞありける(藤原俊成) #waka #jtanka 和歌で「人」があったら、まずは「あなた」で読んでみてください。ただこれは百首歌なので誰かに宛てたものとは考えにくいですが、それならそれで読者に宛てたと思うのです。

2013-12-18 17:55:29
銀ねず @ginn_nezz

【3】しぐるるもよそにや人の思ふらむうきには袖の物にぞありける(藤原俊成) #waka #jtanka 下の句「うきには」。上の句で「あなた」を出していますので、これは自分のこと。「憂いを抱えているわたしには」をぎゅっと4文字に凝縮しています。そんなわたしには袖のものですよ、と。

2013-12-18 17:55:38
銀ねず @ginn_nezz

【4】しぐるるもよそにや人の思ふらむうきには袖の物にぞありける(藤原俊成) #waka #jtanka 時雨の景色を見て、袖を濡らす涙を思う。和歌ではわりと常套表現ですが、大抵は恋歌でやります。→【時雨ふる冬の木の葉のかはかずぞ物思ふ人の袖はありける(よみ人しらず・新古今)】

2013-12-18 17:55:48
銀ねず @ginn_nezz

【5】しぐるるもよそにや人の思ふらむうきには袖の物にぞありける(藤原俊成) #waka #jtanka でもこれ、述懐百首ですからね。読者は和歌のお約束で恋歌として読もうとする。でも時雨を関わりのないものと思うくらい、恋歌と勘違いさせてしまうようなレトリックが使われています。

2013-12-18 17:55:57
銀ねず @ginn_nezz

【6】しぐるるもよそにや人の思ふらむうきには袖の物にぞありける(藤原俊成) #waka #jtanka 述懐百首という試みは、和歌の本質を覆してしまうような危険な香りがします。これをやったからこそ、俊成卿が俊成卿になれたのでしょうけれども。(了)

2013-12-18 17:56:06
銀ねず @ginn_nezz

【1】藤袴嵐たちぬる色よりもくだけて物は我ぞ悲しき(藤原俊成) #waka #jtanka 述懐百首『蘭』。フジバカマは秋の七草の一つで、「蘭」とは書きますがのラン科ではなくキク科の花だそうです。紫色の花。嵐に吹かれて散るさまはさぞ無残だったことでしょう。

2013-11-22 12:48:37
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