発達障害を理解するための新たな視点(人格発達という文脈から)
- sayoarashi
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発達障害概念の拡大により、衝動性の高さ、関係性への無関心さなど扱いにくい特性は発達障害で片付けられてしまう傾向が広がっている。発達障害の属性は強力であるが、人格発達阻害の要因の一つにすぎないという点に注意が必要。
2013-10-11 11:05:10子どもは各々独自の色とサイズの紙質の紙を備えて生まれ、その紙にあらゆる次元の環境からの働きかけ、経験、自己から環境への働きかけ、これらの何かが刻み込まれ続ける経過を心の発達と呼ぶ。
2013-10-11 11:06:40自己システム・・・人格サブシステム、身体サブシステム、自己システムに取り込まれた家族システムの一部、自己システムに取り込まれた社会システム、それらをとりまく家族システムと社会システム
2013-10-11 11:09:57子どもの人格発達の構造:temperament,identity,gender,traits of neuropsychological development,affect,defences(kernbergを一部改変)
2013-10-11 11:12:32不注意や衝動性の高さは対象からの働きかけの意味を誤解しやすく、内省や吟味と呼ばれる内的作業を妨げ、自己の発展と成熟を制限する。
2013-10-11 11:21:59衝動性、不注意、多動はいずれもトラブルを生じやすく、叱責の対象となりやすいため、関係性はサディスティック、マゾきスティックなものとなりやすい。固執性、社会性の発達不全は相互関係の形成を妨げ、独善的関係性につながりやすい。
2013-10-11 11:23:13発達障害の質、量、養育環境の質、量は同一性形成に大きな影響力を持つ。過剰な介入と叱責により、自尊心の低い、乱暴で他罰的な攻撃者像や、受動攻撃的な抵抗者像を同一性として獲得する可能性がある
2013-10-11 11:26:04ASでは心の理論獲得を機に急速に他者の心に気づくと同時に、自己感、自己像に関しても一気に過敏になる。その過程で幼児期依頼の環境との相互作用の意味が明らかとなり、それに規定された同一性を形成し始める。障害特性は誰もが持ちうる短所として受容した肯定的な同一性を得ることもできる。
2013-10-11 11:27:49葛藤に満ちた発達段階を経験する思春期は、圧倒的に依存的であった乳幼児が個人として生きる能力を持った大人に脱皮するための蛹の期間である。
2013-10-11 11:35:31発達障害の子どもも例外なく思春期を経験するが、少なからず傷つき、停滞することも珍しくない。その結果二次障害を呈する場合もあるが、それらの発達や挫折を通じて形成されたものが発達障害者の人格である
2013-10-11 11:37:47