続々:コーヒーのサードウェーブを正しくとらえるには?(y_tambe氏によるコーヒー史概論とQ&Aと突っ込み)
- coffee_sen
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一段落ついたので、サードウェーブに突っ込みを入れておこう。まずアメリカでこの言葉を作ったトリシュに対しては、「それはアメリカで言うたら、5番目か6番目の波ちゃうの?」という点。
2013-11-26 12:53:08少なくとも、19世紀半ば、カーターが考案した「引き出し式」焙煎機や、バーンズの焙煎機による「革新」がもたらした焙煎の工業化や、20世紀初頭のアメリカでの抽出器具の特許ブームの大きさは、無視できない。1st、2ndはともかく、少なくとも3rd以上の大波。
2013-11-26 12:57:59また社会的な側面からいうたら、ボストン茶会事件とか、禁酒法とか、あの辺りから来るコーヒー需要拡大の影響についても、アメリカでは考えにゃならんだろうし。そこらへんも踏まえれば、多分いい感じの「現代コーヒー史」が見えると思う。
2013-11-26 12:59:28で、まぁ3rdだか5thだか6thだかはともかく、「アメリカでのn番目の波」が、日本でも「n番目の波」なわきゃねーだろ、という話。
2013-11-26 13:00:49日本の場合、「社会的普及」と「深化」、それぞれで考えると、社会的普及としては(1)1910年代黎明期(パウリスタ、プランタン)、(2)20年代 関東大震災後、(3) 50年代終戦後、(4) 60年代ICA、(5) 70年代いざなぎ景気後、(6)90年代バブル後
2013-11-26 13:05:13承前)特に「コーヒー専門」で特化したのが、(A) 30年代(カフェー規制後、(B) 80年代前半(自家焙煎、(C) 2000年代以降(スペシャルティ
2013-11-26 13:07:15(A,B,C)の「深化」する前には、だいたい喫茶店などが増え、そこからの差別化として「コーヒー専門」を目指す人たちが動いてる。Aの前は、風俗店的な「カフェー」、Bの前は脱サラによる喫茶店増加、Cの前は90年代のカフェブーム。
2013-11-26 13:12:12戦前のコーヒーブーム(30年代)を牽引してたのは、多分、ブラジレイロの星氏あたりで、それを戦後に取り戻そうとした人たちの中にいたのが関口氏や襟立氏(ほかにも「ひかり」「かなざわ文化村」のマスターなどが戦前組だったはず)。ただし戦後復興時は実は地方ごとの特色が大きかったと思う。
2013-11-26 13:18:5860年代のコーヒー消費促進と、それを受けて70年におきた喫茶開業の増加を経て、70年代には柴田書店や旭屋出版などが、喫茶店向けの月刊誌とかを出すようになる。この時期は、これが「ブーム形成」に大きく影響した。いわばメディアの「オピニオンリーダー化」。
2013-11-26 13:21:52んで、バブル期に喫茶業界がどんどん厳しくなり、一方では先鋭化していく。バブル崩壊後、コーヒー専門ではなくランチ等を売りにした(ある意味フランスなどの本来のカフェに近い)カフェのブームが到来。一方では「スペシャルティ」の動向も聞こえてくる。それとほぼ同時期にスタバも(再)上陸。
2013-11-26 13:46:27この時期のオピニオンリーダーにあたるのが林氏ね。こうしてみるとオピニオンリーダーには、いくつかのタイプがある。職人的なコーヒー屋さんもいれば、雑誌もあれば、産地とのつながりのある商社マンや外務関係者など。
2013-11-26 13:48:37また、特殊喫茶(風俗系含む)の「カフェー」は20年代、関東大震災後の東京で一気に増えたが、30年代には規制で縮小。また50年代の終戦復興期、最初に増えたのはコーヒー以外に売りを持つ「たまり場」としての役割も担った喫茶店が多い。歌声喫茶、名曲喫茶、ジャズ喫茶etc
2013-11-26 14:23:44昼のつづき。そもそも「コーヒーにオピニオンリーダーって、何それ美味しいの?」と思われるかもしれない。便宜上そう呼んではいるけど、それが妥当かは判らない。ただし、それぞれの「コーヒー人」たちが、自らのスタイルを確立するときには、大抵「手本」がある。
2013-11-26 18:16:13いちばん分かりやすいスタイルは、「弟子入り」方式。襟立さんから、もかの標さんやダフニの桜井さん、標さんから美美の森光さん、みたいな流れで、技術や思想が伝達する方式。
2013-11-26 18:20:09また有名店やロースター主催で、開業希望者を相手にセミナー開催したり、実技指導したりすることもある。70-80年代の個人開業ブーム時は、「喫茶学校」のようなかたちにも発展した。
2013-11-26 18:22:49多くの「コーヒー人」たちは、それと並行して本からも学ぶ。そうした本を書くのは、有名店のコーヒー人だったり、知識人であったり、あるいは産地の情報に明るい商社マンなどだったりする。こういう形でもまた、技術・思想が伝播する。
2013-11-26 18:25:01そうして最終的には、コーヒー人それぞれに独自の世界観みたいなものが生まれていくわけだけど、70-80年代には柴田や旭屋のように喫茶業界向けの月刊誌や専門書などを扱う出版社が、その伝播を担ったかたち。
2013-11-26 18:27:49あ、もちろんそういう頭からの情報だけじゃなくて、コーヒー人たちが自ら体験した焙煎、抽出などから学んでいくことは、それ以上に「世界観形成」に重要な役割を持つ。
2013-11-26 18:29:14@y_tambe 珈琲器具の開発、製造、販売から始まって、焙煎もやっているコーノも忘れないでね。(って、自分がその系列だからの主張ですが)
2013-11-26 18:34:35