「ティアーズ・オファード・トゥ・ザ・ソウル・オブ・クロム」(無修正版)前編　――『ニンジャスレイヤー』二次創作小説

うさぎ小天狗(実写版) @USAGI_koTENGU

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●本日から二夜に分けて放送するのは、あまね=サン（@keroyoninja ）率いる「地雷ストンピング」編集によるダークニンジャアンソロジー『FJOLOGY』に掲載いただいた小説「ティアーズ・オファード・トゥ・ザ・ソウル・オブ・クロム」のプロト版である。●

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●ダークニンジャ……ニンジャスレイヤー永遠のライバルにして、ニンジャ存在の根幹に関わる秘密を宿命として背負ったヒーロー。そのルーツについて妄想を羽ばたかせた時、物語を駆動するもう片方の車輪として現れたのは、「鋼＝剣とともにあるヒーロー」の【早送り】⚫︎

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●【通常再生】灰の鋳型より取り上げられた無骨な鋼の塊のごときその軌跡を、磨き上げそぎ落とし、一本の端正なカタナシて建て上げたのはあまね＝サンを始め編者の方々の厳しい監修と校正である。そのワザマエをそれを知るためには『FJOLOGY』を紐解くべきだ。●

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●無修正のこのお話を楽しむに、どうか『FJOLOGY』を手にご笑覧いただきたい。なに、ない？手に入れてない？ダイッジョブだ。それは来る「ニンジャ万博」で手に入る。その時を期待して、まずはこの物語を楽しまれたい。ラブ、リスペクト、そしてラブ。そして君の目で確かみてみろ！nau。●

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●でもその前にＣＭです●

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●ナンカスゴーイ！ダニンダヨー！ニンジャスレイヤーの永遠のライバル、スーパークールなあいつがヘッズの情熱でスパーク！プリズムする！きらめくかっこよさ！『FJOLOGY』(http://t.co/r5Ol8TSAAv )を読んだら？nau。●

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●まもなく本編がはじまります●

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薄暗い廊下に、明滅するタングステン・ボンボリ一つ。不可思議な、時に不条理な運命の導き手である伝説の三女神の瞬きめいて、半ばゴミに埋もれたシャッターを照らす。　1

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観光都市キョートの地下に隠された下層階級居住区アンダーガイオン、そのありふれた一区画、ありふれた集合住宅の一つ。コツ……コツ……廊下を歩む靴音が止み、蛍光灯の明滅に照らされた姿が、不吉な予兆めいた影となってシャッターに寄り添う。　2

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屈みこんだ影はシャッター下部の二つの物理錠を開放し、現れたインターホンを操作する。『マコ？』ひび割れた女の声が問う。「ああ」疲れた男の声が答え、最後の物理錠が開放される。シャッターを半分ほど引き上げ、影は光あふれる戸口をくぐる。　3

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「オカエリナサイ」シャッターを引き下ろし、三つの物理錠をかけ直すマコ・ツキノミの背中に声がかかる。振り返ったマコは、立ち上がりながら声の主・ハンナリを下から上へと眺める。むくんだ細い足の上、色あせた黄色いワンピースの腹が膨れている。　4

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バサバサの髪が縁取る顔に、隈の浮いた目が神経質そうに瞬く。その体を、マコはドライフラワーを受け止める手つきで優しく抱いた。「どうだ」膨れた腹に手を当て、訊ねるマコ。「今日も少し、動いたわ」ハンナリは疲れた笑みを浮かべる。　5

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「そうか」マコも微笑みを返す。もう片方の手が、革ブルゾンの腹辺り、縁の擦り切れたポケットを撫でた。　6

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「ティアーズ・オファード・トゥ・ザ・ソウル・オブ・クロム」(前編)

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……十分後、二人は黄ばんだ電球に照らされたキッチンで食事をとる。集合住宅の知り合いが分けてくれた煮込みとオニギリ、硬くなったヤツハシが、瞬く間に消える。　7

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薄くなったコブチャをすする二人。「何日目だ」「三日。もう替えどきね」ハンナリはコブチャパックをダストボックスに捨てる。「寝るか」「そうね」マコが二人分のマグカップを雑に洗い、寝室へ向かう。　8