STAP細胞絡みで女性科学者がどうのとか五月蠅いが、日本のおける女性科学者の草分けのことを思い出したので書いてみる。前にも書いたかもしれないが。
2014-02-05 15:02:58加藤セチという人で、明治26年生まれ。残っている研究中の写真ではやはり割烹着を着ている。しかも理化学研究所で主任研究員までしていた。多くの点で先輩じゃないか。新聞やらはこういうのも取り上げればいいのに。
2014-02-05 15:04:51女子師範学校を出てしばらくは小学校の先生をしつつ、今度は今の御茶ノ水女子大に入って高校教師になり、北海道帝国大学で学び直して理研に入ったというからとんでもない人だ。どれだけ勉強が好きだったんだ。
2014-02-05 15:06:51この人のことをはじめて知ったのは、渡辺洋二の「未知の剣」でだった。福生にいた陸軍審査部のテストパイロット達の話なのだが、この最後の方でロケット戦闘機「秋水」のエンジンのテストをする話が出てくる。
2014-02-05 15:08:46ドイツから入手した簡単な設計図からロケットエンジンを作るのは想像を絶する難行だったそうだが、その最終段階の燃焼テストで、エンジンが加熱して溶けてしまう事例が続出した。開発陣は頭を抱えた。
2014-02-05 15:10:36そこで搭乗するのが加藤セチ(御年49歳)。居並ぶ審査部の猛者や開発スタッフを前に、燃焼の様子を一目見るとトラブルの原因を見抜いたそうだ。「ヒドラジンの濃度が高すぎる。水の分量を2割増やしなさい」
2014-02-05 15:13:20で、言われた通りに燃料の配合比率を変えると、燃焼は見事に安定。審査部も開発スタッフも大喜び。その後どうなったかについては知ってる人も多いだろうから書かないが、「秋水」がゲテモノだったとしても加藤博士の凄さに変わりはない。
2014-02-05 15:16:43『新聞やらはこういうのも取り上げればいいのに』誠に真理ですが、今のマスメディアにはそういうところを掘り当ててくる人が、もうほとんど残ってないんでしょうねえ…… RT @ki84type4:
2014-02-05 15:14:21@IngaSakimori 先駆者として取り上げれば今回の快挙を報じる記事に一層厚みも増すだろうに、どこも取り上げなかったのは実にもったいない話です。割烹着だの美人だの取り上げるなら、理研の大先輩である加藤博士を取り上げない手はないのに。
2014-02-05 15:19:44“@ki84type4: @IngaSakimori どこも取り上げなかったのは実にもったいない話です。割烹着だの美人だの取り上げるなら、理研の大先輩である加藤博士を取り上げない手はないのに。” 理研の女性研究者登用ぶりが現在につづくのにホント惜しいですね。
2014-02-05 15:28:44@kawaviva 実家が破産したので地元の女子師範を出て小学校の先生になり、その後東京女子師範に入り直して高校教師になって、更に北大の選修生(ただし全科目)になったそうです。
2014-02-05 15:18:02@ki84type4 ありがとうございます。 それは偉大な学歴ですね。よほど優秀だったのだろうと学歴だけで想像できますね。
2014-02-05 15:21:15加藤博士の略年譜が出てきた。山形の県立女子高を出た後、山形女子師範学校を出て小学校の教師となり、次いで東京女子高等師範学校に入って物理学を学び、北星女学校の教員を務めつつ北大で全科選科生として学ぶ。
2014-02-05 15:28:51卒業後北大農学部の副手となったが、北大総長は女性にも門戸を開くことを望んでいたにも関わらず農学部は保守的だったらしくその年のうちに退職、理研に入所。9年後に理学博士(京都帝大)。
2014-02-05 15:31:37なんというか、時代が時代だけに女性が科学者としてやっていくのは今とは比較にならんくらい困難だったろうに、その困難を真正面から乗り越えていった感じだ。
2014-02-05 15:33:13ちなみに加藤博士は最初は農学を志していたらしいが、北大から理研に移った後は分子構造や燃料の燃焼、抗生物質の研究など色々手広くやってたらしい。凄い。
2014-02-05 15:35:28専科生な為、学士は取れず、卒業論文も課されなかった。でも、論文に近いものは提出と有。(http://t.co/KCpwDYdjXG http://t.co/kwS2XSzIxU http://t.co/2amywvSaNv) RT @ki84type4 北大で全科選科生として学ぶ
2014-02-05 19:21:08佐藤昌介の女子高等教育論 : 北海道帝国大学における女 性の入学をめぐって
http://hdl.handle.net/2115/32514
北海道帝国大学へ進学した東京女子高等師範学校卒業生たち
http://hdl.handle.net/2115/45215
加藤セチ博士の研究と生涯 : スペクトルの物理化学的解明を目指して(研究報告)
http://hdl.handle.net/10083/35597
追記