リベラルフェミニズムとラディカルフェミニズムについての徒然
が、これはまさにストロッセン史による主張――「ラディカル・フェミ(繰り返すが、以下略)は封建的な男女差別主義者と同根」の裏付けになる。『女子供』扱いだ。イスラムなどはその典型だ。そもいわゆる『封建的』『文明的』な男女差別全般が、その手の女権運動が起源になっている可能性すらある。
2014-03-12 18:48:52では何故、上野氏達はこんな無謀なラディカル・フェミなのか? 勿論、前述のまとめにある通り、「何も考えていない」という可能性もあり、そう思われる責任は当人達にもある。が、そも上野氏達はリベラル・フェミでも構わないはずなのだ。
2014-03-12 18:49:30上野氏達には教養と学歴がある。保護などされなくても世の中を渡っていけるはずだ。前述のまとめのロースクール通いのストリップダンサーがその教養と美貌で、保護などされなくても、世の中を渡っていけるように。
2014-03-12 18:49:54保護が不要なら、リベラル・フェミで構わない。『自由』に伴う重圧を、コントロールする実力が上野氏達にあるはずだ。なのに、何故?――と考えると一つ予想が成り立つ。つまり「上野氏達にはその実力があるが、上野氏達のフォロワーにはその実力がないから」だ。
2014-03-12 18:50:03つまり、実力を男女平等に評価されるようになれば、既に男性がそうであるように、ホームレスになってしまう女性も出てくるかもしれない。男女の間に極端な能力差がない以上、これは必然である。
2014-03-12 18:50:15福祉で救済すればいい――という主張もあり、リベラル・フェミである私が「社会保障をベーシックインカムに一本化すべき」と主張するのも、この一種だ。が、これは、既に女性に優先配分されている生活保護費用等を、男性にも流れるようにするわけだから、当然損をする女性も出てくる。
2014-03-12 18:50:45繰り返すが、上野氏達にはあまり関係のない話だ。上野氏の様な京大卒業で東大教授の様に恵まれた才能や環境の持ち主が、女性差別というセーフティネットの世話になる確率は低い。ただし、上野氏達のフォロワーには話が違ってくる。上野氏達のフォロワーは『差別』のお世話になる確率は低くない。
2014-03-12 18:51:12だから、私は「上野氏達は相手によって意見を使い分けているのでは?」とも思う。いや、私は上野氏にもフェミニズムにも詳しくないのだが……まとめると、
2014-03-12 18:51:29リベラルフェミ→男女同権を主張。女性もリスクを負う。実現可能性大。 ラディカルフェミ→女性優遇を主張。女性はリスクを負わない。実現可能性小。 の二種類を、上野氏のようなフェミニスト(と、それに対する批判者)は、都合によって、使い分けている節があるのだ 。
2014-03-12 18:52:00上野氏自身やそれと同類の女性――親の金で大学を行き、高度な教育を受け、十分な資産を確保した人間に、福祉は重要ではない。むしろ、あらゆる福祉が自由の束縛であり、強者から弱者への再分配である以上、女性差別という福祉も邪魔だ。自由を奪うものだ。だから、破壊しようと正直に言える。
2014-03-12 18:52:14また、日本経済が右肩上がりの頃は、実際に日本人の学歴も右肩上がりだから、「現在は弱者だが、将来は上野氏たちの様な強者になれる」と考えていた女性も多かった。日本人女性は後進国住人に対して、強者なのだから、女性差別という福祉も邪魔だ。自由を奪うものだ。だから、破壊しようと言える。
2014-03-12 18:52:37この二者に対しては、上野氏達も、正直にというか比較的論理的整合性の高い、リベラルフェミニズムを主張できる。私もこちら側の意見には頷く事も多いし、繰り返すが、実現可能性も低くないだろう。
2014-03-12 18:52:54さて、問題は「現在は弱者で、将来もおそらく上野氏たちの様な強者にはなれない」女性だ。現状の彼女たちは『差別』のおかげで、男性のようなホームレスになる事を免れたりしている。そんな女性たちに「『差別』の撤廃」というリベラルフェミニズムの本音を言っても賛同を得るのは難しいだろう。
2014-03-12 18:53:35だから、この類の女性へはラディカルフェミニズム=一方的で非現実的な女性優遇を主張する。貴女方は一方的な社会の被害者なのだから、権利が主張できる。頑張れば、私たちの様な強者女性にもなれる。諦めるのはルサンチマンだ。……と並べ立てる。
2014-03-12 18:53:50再びまとめると 強者女性→男女差別で損をしている→女性もリスクを負う男女同権で十分→本音のリベラルフェミを主張。 弱者女性→男女差別で得をしている→女性はリスクを負わない女性優遇でないと駄目→建前のラディカルフェミを主張。 というわけだ。
2014-03-12 18:54:26ラディカルフェミニズムについては自分でも書いていて、無理がある気がした(そりゃ、女性が社会の被害者だった事例は多いが、それは男性も同じ事だ。そして、女性が無能力者でない以上、その責任を負う立場にある)。
2014-03-12 18:54:51ただ、これはさして問題にならなかった時期が長かったのでは?――と愚考する。上野氏達団塊世代は右方上がりの時代を経験している。先にも触れたが、この頃なら、日本人女性すべてが強者になれるという幻想を抱き得るので、建前のラディカルフェミの出番は少なかったのでなかろうか?
2014-03-12 18:56:27私は団塊ではないので正確なところはよくわからない。また、上野氏達は既に十分稼いでいる事もあって、もう弱者女性への主張は熱心ではないように思える。加えて、弱者女性も立場は弱いが、頭は弱いわけではなく、ラディカルフェミが不可能であると見抜き、むしろ女性差別を望む傾向にある。
2014-03-12 18:56:42例えば、女性が賃金労働をするようになれば、弱者男性の扶養義務が生じるのは自然なのに、上野氏らは「尊敬できない(弱者)男性との結婚は無理」という主張をしている。女性差別的な封建男性はずっとその尊敬できない(弱者)女性との結婚をも引き受けてきたのに、だ。
2014-03-12 18:57:00それだけではない。現在では少なくなってしまったが、女性差別的な封建男性は「女は馬鹿な方が可愛い」「妾を持つのは男の甲斐性」と積極的にその尊敬できない(弱者)女性との結婚を推奨し、多数の弱者を扶養し、社会福祉に貢献してきた。
2014-03-12 18:57:21現実に多数の弱者女性のために己の稼ぎを分け与えてきた女性差別的な封建男性。上野氏の様に「そんな男性の稼ぎを削り、(自分の様に)バリバリ賃金労働がしたい強者女性を優遇するための社会制度に税金を投入しろ」と主張する強者女性。――弱者女性がどちらを選択するかは言うまでもない。
2014-03-12 18:57:38だから、今後の流れとしては「(リベラル)フェミニズムの推進」対「封建的な男女差別の復活(+この中にラディカルフェミニズムも合流)」が軸になると考えられる。 ……以上、TL汚し失礼しました。
2014-03-12 18:58:30補足:G.I.ジェーンでヒロインに敵対する女議員は、典型的なラディカルフェミで、それ故に必然的な性別役割分業論者に見えた。ヒロインに「女の命は男よりも尊いのか?」という主旨を問われた時、女議員は沈黙したが、女議員の本心は『イエス。世論調査でも同じ結果が出ている』だったと思う。
2014-03-12 18:59:25