しゅーにゃんが古語版れりごーの話をわからないなりにしてみた。

平安期の日本語で歌われた「Let it go」が面白かったので、自分が母に書き当てた自分訳と照らし合わせながら、この曲についていろいろテキトーに思いをはせてみたの巻。 曲だけでなく、そこからくるイメージを通して様々な疑問を思いついてもみる。
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難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

じゃ僕はどう訳したかというと、 「さあ行きましょう、思うままに」と、こうしてみた。 「思う」のは能動的所作だし、思った通りに行動する、というのはこれまでエルサが拒否してきた行動を選択するということで、原語の意味にも通じる。

2014-05-28 10:35:20
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

また、日本語での「思うが儘」っていうのはむしろ周囲を支配して自分のしたいとおりにするという能動性がある。だから、れりごーには「思うまま」のほうが、「あるがまま」よりもしっくりくる。

2014-05-28 10:36:08
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

一方で、古文訳だとこうなってた。 『ままよ、ままよ さもあらばあれ』 自分はパッと見納得したんだけども、冷静に考えればこれはびっくりしたこと。 なにせこっちでは「あらばあれ」と、字義的には現代日本語側に近そうだったから。

2014-05-28 10:37:28
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

た・だ、これも日本語の屈折した事情があると思う。というのも、現代の「まま」と古代の「まま」が、同じ質のものだったのかぁ?っていうのが強くひっからんでるから。 (そしてさらに難しいことには、古文訳の訳者註でも、「ままよ」という表現は見当たらなかったため難産だったとある)

2014-05-28 10:39:09
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ただ、そこには「ありのまま」つまりレリビーのほうではできなかった部分が、日本語に残ってた、と匂わせるパワーがあった。 というのも、日本語には「我が儘」って言葉があるじゃないですか。 あれはまさに「私の思うまま」という意味なんですよ。

2014-05-28 10:40:12
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「儘」の字は、「ありのまま」というニュアンスよりも強い意味合いがある。 むしろもっと勝手で、能動的で、活動的。 難しい言い方すると、 レリビー=ありのまま は『恒常的(ホメオスタティック)』で、 レリゴー=我が儘 は『変容的(トランジスタティック)』なのですよ

2014-05-28 10:41:32
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

んで、古語ってよく漢字当てるとしっくりくることが多いですけども 実際、漢語的な発想から(?)できた和語も多いし、実際それで当ててみると 「儘よ、儘よ」になってくれるわけで、これはやはり能動的な部分が、古語の「まま」に残ってたことを教えてくれる側面だと考えられるわけ。

2014-05-28 10:42:49
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

さもあらばあれ、も同様で 然も在らば在れ(そのようにあるなら、ありなさい)と逐語訳できる 然も、は指示語となってて、その指示先が「儘」なんだよね。 ちゃんと「儘」にひっ絡んでることがわかる。

2014-05-28 10:44:43
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

んじゃあ、むしろ古語のほうで「レリビー」やるんだったら「儘在れ」にならなかったの?って聞きたくなるだろうけど、僕はその通りだと思う。 むしろレリビーを古語にするんなら「只(斯く)あれ」じゃないかな、と。 ソースは仏教。只管打座という言葉もあります。

2014-05-28 10:46:02
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

只管打座は「ただただ座る」って意味。いわゆる座禅ですよ。 アレをする理由は当然ながら自分から穢れをどんどん取り除くために、「ただ」あるがままの状態を保持するという事にある。ありのままをどんどん受け入れてくと、だんだん余計な事が抜け落ちていって(脱落脱落)、清らかになる。

2014-05-28 10:47:14
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

只管打座はそれこそまさに「れりびー」的な恒常的なものを意味する。 というか「只・管(どっちも「ただ」と読むです)」が、その恒常性を意味している。 只あり、我(つまり儘)を脱ぐ、というのがニュアンスですから、たぶん古語でもれりびーはこっちを使っただろうなと思える。

2014-05-28 10:48:53
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

裏付けになるんは、ビートルズが当時このれりびーを書いた時の時代状況だ。 60年代以前は、金で成功しようとする活動的な人生スタンスが主流だったんですが、それがストレスになるとわかって以来、カウンターカルチャーとしての60年代のヒッピー文化が、よく東洋要素を取り入れてたこと。

2014-05-28 10:50:06
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

んでビートルズもその渦中にあり、自分らもインド行ったりして東洋の修行とかやってたというのは有名な話。そういうのを通じて、「無理して勝ち組になる生き方」に抗う意味も含めて、どんどん「脱落的」「諦観的」要素を曲に入れてくようになる。れりびーはまさにそうして書かれた曲だから。

2014-05-28 10:51:14
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

その「れりびー」的「ありのまま」は、まさに「只管」だったわけ。 現代日本語の「ありのまま」は只管だったというのはこういうわけですよ。 じゃあ「我が儘」はどこに移動したか?となれば、現代語では「思うまま」のほうなんですよね。

2014-05-28 10:52:03
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

というわけで、 「儘よ、儘よ」=Let it goに対応するのは、 「思うままに行きましょう」になるわけで。 言語が、時代という歯車でプレスをかけられ磨かれる過程で、こんなにも移動して各種単語の役割を交代しまくった例。なかなか趣深い部分だったりです。

2014-05-28 10:53:32
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

Turn away and slam the door 置きて門鎖せ 「鎖」のある扉は大きく、硬くて簡単に開けられそうでなく、また何かを封じるようだ。ばたんと乱暴に閉じるとかえってあふれ出てしまいそうだが、それを硬く封印する意味合いを古語では鎖で表現している。

2014-05-28 10:55:13
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

英語版のニュアンスでは、「過去の扉はばたんと閉じてしまいましょう」なので、むしろ硬く閉ざすというよりも、ほうりすてて扉の向こう側してしまう、という過ぎ去るイメージが織り込まれている。

2014-05-28 10:56:02
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ここは古典日本語と現代英語の感性の違いが見て取れる部分。というか、西洋のドアのイメージでは、確かに『固く閉ざす』というより、ドアノブを勢いよく放り投げて「ばたん」と閉じる感覚がある。

2014-05-28 10:58:10
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

一方、日本で部屋を区切る扉といえば襖や押し入れにありそうな戸、あるいは帳のような仕切りのほうが一般的だった。それらは「いらないものを封じる」倉庫的な役割を持つものではなかったと思うし、

2014-05-28 10:58:46
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

そういう意味で、ここでの「ばたんと閉じる」に対応するものは、硬く封印・境界づけるための関所的な「門」がぴったり来てるのだと思う。

2014-05-28 10:59:19
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

I don't care What they're going to say 『いさや 人は言へ』 いさやは間投。辞書的には『答えにくいことを聞かれたときに発する言葉』。 僕的にはNARUTOのさくらのしゃんなろー、な感。

2014-05-28 11:01:39
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

僕が書いた訳では「何を言われようと気にも留めてやらないわ」になった。 もーう何も聞いてやらんぞ、好き勝手にやるんだからな(笑)、と振り切ってるシーンでもあるし、それはまた覚悟でもある。

2014-05-28 11:02:44
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

実際そういう「もう自分がかかずらってやんない」ってことがDont careに入ってるので。 で、ここでも古語はそういうことを文章化しない。「いさや」と意味が言語化できない叫び声で済ましちゃう。すげえよ。

2014-05-28 11:03:37
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

いさや、人は言へ (あーもう!なんとでも言いやがれ!) こんな感じ。「気にも留めてやらん」という感じがこれだけで出るんですからね。 答えにくい…っつーか、答える以前に聞く気すらないんですよ。

2014-05-28 11:05:09
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

Let the storm rage on, the cold never bothered me anyway 「風よ吹け などかは寒かるべき」 ここは、私が現代語訳を母にするときと、全く同じ気配りがされてると思った。

2014-05-28 11:06:03
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