「近代国家」というプロトコルの揺らぎ
@seibihei イスラム法という、近代法とは異なる概念でありながら、長い歴史と伝統を持ち高度に発達した精緻な体系を形成している法の存在は、非常に厄介な問題だと思います。共産主義を通して近代を接木した現代中国と異なり、それはひとつの確立した文明の産物ですから。
2014-07-20 02:38:11@tsukasafumio 今回も、カリフ国家が「イスラム法の強制」を始めたらしいことで問題になってますね…中国も「近代を接ぎ木」するまでには多くの暴力を通じて痛みとともに受容したわけですし、ムスリムも国に依りますが受容の痛みを覚えているし恨んでいるでしょう
2014-07-20 02:42:37近代という価値観に対する反乱に対して、我々はどのような解決策を提示できるのだろうか?これはあるいは古くからある疑問なのだろうが、戦後の日本の価値観で理解できるのだろうか?
2014-07-20 02:46:49湾岸への掃海艇派遣とカンボジアPKOで変わった、現象としてはそうなんだけど、国民の意識としてどの程度変わったのか…いまだに妙な議論発生するしなぁ
2014-07-20 02:51:23@tsukasafumio 国内での受容の様相が変わったのは、まさにその通りですね。しかし、海外には、それに先立って出していました。もしあの時点で何かあれば、「国内で支持されていない自衛隊が、海外でもやらかした」とされていたかもしれません
2014-07-20 02:58:05@seibihei 近代は資本主義システムの経済的優越性、畢竟「みんな豊かになるよ」の威力によって世界を制したので、逆に言えばそれのみが価値だったかと思います。反近代は「豊かになるだけが全てではない」で営々と抵抗してきたわけですよね。
2014-07-20 03:01:40@tsukasafumio その通りですね。そして現行のアラブ諸国も、特に石油の力でその「豊かさ」を実現してきた。そしてそれが「反近代」の挑戦を受けている
2014-07-20 03:03:10@seibihei 正直な話、「イスラム法の強制」が女性にヒジャブを強制するといったタリバンのような外面的なものにとどまる限りは、それを「非文明」とみなすムスリムも存在する限りにおいて、解決の余地はあると思います。
2014-07-20 02:50:36@seibihei むしろ目に見え難い社会的コードのところで、近代法とイスラム法の棲み分け関係が壊されていった時に、どのように妥協点を形成していくか、しんどいことになるかと思います。
2014-07-20 02:52:28@tsukasafumio 現行の多くのアラブ諸国はそういう方向で行っていて、少なくとも表面的には大きな問題になってはいないと思います。ただ、何かちょっとしたことでも内面的なところに踏み込むようなことがあれば、問題発生しかねないかも
2014-07-20 02:54:56@seibihei 現行のアラブ諸国の体制自体が揺らいでいるわけで、その内面的なところが馬鹿にできないと思います。ムハンマドの風刺漫画しかり、味の素の豚肉問題しかり。
2014-07-20 02:57:15@tsukasafumio 現行のアラブ諸国は、それこそ「近代国家」のプロトコルに従っているから国際社会に認められているわけです。それはイランもPLOも含めて。だから、「近代国家」というプロトコル自体が疑問視されているというのは、今後の世界秩序に影響があるだろうな、と
2014-07-20 03:00:30「大切なのは豊かさじゃない」という「反近代」は日本でもいるなぁ。しかし、それが暴力と結びつかないのが今の豊かな日本社会の幸運なところで、他の社会においてはかならずしもそうではない
2014-07-20 03:05:31@seibihei 戦後日本の豊かさのありがたいところは「一人で生きていける」「個人が大事」な社会なところですが、豊かでない戦前の日本だとまだ「回帰すべき共同体」の夢が説得力を帯びて「社稷を守れ」と農本主義的なテロになったわけです。
2014-07-20 03:13:22そして「近代国家」よりも豊かで人権を保障されるプロトコルを、我々は現在持っていない…それは、現在「後進国家」と見做されている国に必要なのだろうし、「先進国家」と見做されている国にも実は必要なのかもしれない
2014-07-20 03:13:13@seibihei イラクのあれが壮挙なのか茶番なのかは今後次第ですが、「カリフ制」は近代国家プロトコルに対するギミックとして、インパクトは大きいでしょうね。
2014-07-20 03:06:58@tsukasafumio 少なくとも、豊かさや市民の自由を基盤に置く「近代」にとっては悪い方向でのインパクトになりそうです…そして、例えばパレスチナのような「豊かでもないし人権もない」と思っている人々には説得力が強いでしょう
2014-07-20 03:09:06@seibihei 豊かでもなく人権もない人間にとって、アイデンティティと生存の拠り所は共同体ですから、「破壊された共同体を取り戻せ」と主張する反近代主義の訴求力は、非常に強いでしょう。
2014-07-20 03:15:39@tsukasafumio そうですね。個人で生きていけるのは、社会が十分に豊かで成熟していて、人権が保障されているからですし…
2014-07-20 03:18:20@seibihei 近代に絶望した人々の前に、愛郷心(パトリオティズム)と結合した超国家的普遍主義が、近代国家の存在をかっ飛ばして立ち現れてくるわけですね。
2014-07-20 03:18:32@tsukasafumio そしてその「愛郷心」は、国家を超越した宗教等と結びついてより強固になっている可能性もありますよね。ローカルな絆とグローバルなイデオロギーがあって、間が抜けているとか…
2014-07-20 03:20:45@seibihei タリバンとアル・カーイダの連合が、まさしくその典型的な例でしたね。そして彼らに最後まで抗ったマスード氏は、統一された国民国家アフガニスタンという夢を追求し続けていた。
2014-07-20 03:24:29