これは、実のところ「けっこう元気に見えるけど、もういつどうなるかわからん」という話だったのだ。そもそも「もって3ヶ月」と言われていた。もうそういう時期なんだし。 考えたくなかったのか、元気に見えたからなのか、いろんなことを前倒しで相談してくる先生だったからなのか、わからんかった。
2014-10-04 02:40:01ぼくは「ただ苦痛を引き延ばすようなことはしたくない。親族も納得させる」と言った。そして「ムスメが間に合わんとかいうときでもなければ」とも。 主治医「ムスメさんは?」 オレ「今日から次女が修学旅行で、帰宅は3日後」 主治医「えっ!」 そんな話してても、オレわからんかった。アホだ。
2014-10-04 02:44:08主治医は、明日から九州(だったかな、遠方)での学会に出席。引き継ぎはほかの医師にちゃんとするから、問題はないようにしておくから、と。ぼくは了解した。 そして、主治医が不在の間に家内は意識を失い、息を引き取った。 家内の親族は間に合ったけど、次女は間に合わなかった。
2014-10-04 02:47:50引き継ぎの医師には、原則は伝わっていたが、例外が伝わっていなかった。そして、その医師も多忙だったため、ぼくとのコミュニケーションはうまくいかなかった。 夜になって、みやげものを持って病院を訪れた次女は、霊安室に通すことになってしまった。
2014-10-04 02:51:22病室で長女が意識のない家内に叫ぶように語りかけていた「まだだよ! まだ(次女)が帰って来てないよ!」という言葉も、病室ではなく霊安室に案内されているのだと気づいた次女があげた「いやー!」という悲鳴も、ぼくはたぶん一生忘れることができない。
2014-10-04 02:57:43それでもぼくにとって救いだったことは、明日にならなければ戻らないと言われていた主治医が、学会を切り上げて駆けつけてくれたことだった。主治医は霊安室で、家内について子どもたちに話をしてくれた。 ぼくも悔しかったが、主治医も悔しかっただろう。なんでこううまくいかないんだろう、と。
2014-10-04 02:58:49家内の治療全体を通じて、残念だったのは、この「最後」だけだった。主治医の引き継ぎが悪いとか、引き継ぎをした医師が悪いとか、そんな話もしようと思えばできたのだろうけれども、ぼくも主治医もそこについてはなにも話題にしなかった。主治医はただ「残念だ」と言い、ぼくは礼を述べた。
2014-10-04 03:03:20正直に言えば、まだ引っかかるところはある。しかし、それを追求する気にもなれない。そもそも終末期を過ごす病院ではないのに、かなり手厚くしてもらったのだ。おそらく、主治医がいろんな部署を敵に回したりしながら。そして、それはぼくも家内も重々承知していた。
2014-10-04 03:05:40おそらく、ぼくらはかなり幸運な患者とその家族だっただろう。それでも、どこかしら「あのとき、ああでなければ」ということは起き得る、ということなのだろう。ぼくも家内も、何度「偶然とはいえ、あの先生が主治医でよかったねぇ」と言い合ったことか。そんなふうに過ごせる患者がどれほどいるか。
2014-10-04 03:08:30思えばオヤジの最後でも、途中にいろんな理不尽やゴタゴタはあったが、「最後に○○先生に担当してもらえてよかったねぇ」と、少なくともボクと家内とバアチャン(義オフクロ)は強く思えたのだ。今でもそう思っている。 医者運がよいのかね、と思わなくもないけれど。
2014-10-04 03:11:59ああ、そうだ。家内の主治医には、けっこう早いうちから「そのうち取材させてもらいに行くかもしれません」と言ってあった。それが関係あるのかないのか、その後しばらくして、わざわざ「別の病院へ移る」とメールで知らせてくれた。再会はまだ果たしていないが、会えたら話してみたいことはある。
2014-10-04 03:16:39ひとつは「疼痛緩和がうまく行っていると、患者や患者家族は重症度がわからず、病状を誤解することがあるのではないか」という話。もうひとつは「そういう状況下では、そろそろ危ないってときはストレートに言われないとピンとこず、心の準備ができないので、よろしく」という話。
2014-10-04 03:19:13冒頭の話からだいぶズレてしまったような気がするw が、ガン治療の話だったので、ついつい。 家内がいなくなってから、もうすぐ丸三年が経つのだけど、こういう話、いままでどこにも書けなかったんだよね。非公開日記みたいなものにも。 こんなところで書いていいのかいな(汗)
2014-10-04 03:22:36ベソかきながらでも、こういうことを書けるようになったということは、だいぶ元気になったんだろうな、オレ。 カウンセラーに報告しなくちゃww
2014-10-04 03:24:04うーん。きっと冷静になってから読み返すと「あかん!」と思う部分もありそう。 後で部分的にでも消しちゃうかもしれないので、そんときはご寛恕を!
2014-10-04 03:25:48ああ。どんな体験をしてても、「オレはみんなとは違う体験をしているんだ」とか、「オレもみんなと同じ体験をしているんだ」とか、そんなふうに思ったら危ういのかな。「みんな」って誰だよって話でもあるし、いつの誰かとだって共通する部分も相違する部分も両方あっておかしくないんだもんな。
2014-10-04 04:08:45敗戦後すぐに亡くなった父方の祖父・祖母と、30年余り前に他界した母と、3年前に他界した家内と、みんな50ちょっとだった。血縁もなく、住んでいた場所も違うんだから、そこに関連を見いだすのはおかしな話だと思うが、ときとしてそこを考えてしまうのが人間なんだろうなぁ。
2014-10-04 04:27:37