日本の「自己責任」私論～ムラの他者に憑依するココロの旅

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

なんか久々に反響が大きいですね、自己責任論。思うに今の自己責任論は「権利と義務は一体」論に似てる。間違いだけど。天賦人権説ってのは国家には個人の権利を無条件に保証する義務があるって話。権利と義務の等価交換は「瑞穂の国のムラ社会」の掟（国賦人権説）の話。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

近代的天賦人権説は「国家には個人の権利を無条件に保証する義務あり」。その通り。但しこの権利には公共の福祉＝国民の権利調整の円滑化のため「内在制約」がある(細かくは諸説あり)。でないと社会が成り立たない。 つまり「自分の権利の尊重＝みんな(自分以外の国民全員)の権利の同等の尊重」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「みんなの権利を自分と同等に尊重する」事で「自分の権利」は社会的に完成する。この他者尊重が「内在制約」。尊重＝相互調整の均衡点が「公共の福祉」。権利行使は「表現」を含め未来の個の状況に依り自生的に実現するものなので、「公共の福祉」の内容を事前に法で事細かく決める事は出来ない。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この他者尊重＝権利の内在制約は、文字通り国民一人の内心に「内在」する。制約だから「義務」と呼んでもいい。但し「国家への義務」でない。「本人の本人による本人のための本人の義務」。国への義務(納税など)と混同しない様、違う言い方を捜すなら「つとめ(努力目標)」。「倫理」そのもの。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この「本人の本人による(以下略)」義務(つとめ)が、国民個人の「権利／義務」の表裏コイン。法治社会に於いてこのコインは確かに存在するが、それは「個人の内心の中で完結するもの」。これがつまり「自己責任」。「国民個人－国」の権利義務関係は、非対称性の高い「まったくの別問題」。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)だが日本では、ここでもまた「自分／みんなの”反転”」が。個人の内心で完結すべき「権利／義務(つとめ)」の”つとめ”の部分を、「他者＝世間」や「国」が、”自分の方が負うべきものだ”と、180度逆に「おせっかいなカン違い」をしてしまうのだ。逆と言うのは法治の仕様から見れば、だが。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この「自分／みんなの反転」があると、見た「人のふり」を正すのが自分の「つとめ」だと考える。ムラ(みんな)の秩序のために。しかしこの人は往々「自分のふり」は正さない(正せ、と言う諺は昔からあるのだけど)。自分のふりも他人が正すのを待つ。「どうして言ってくれなかったの」と。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)これは「宗教」の観点から見ると、人が互いに瞬間的に「他者の神様」になり合う、と言う状態。しかしこう言う「自分の倫理チェックの相互依存」は、互いの「都合」＝生活の事情の全てを深く知る者同士でないと成り立たない。それがないとチェック側の自己都合の「押し付け合い」になる。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)コミュニティ全員が”互いの「都合」＝生活の事情の全てを深く知る”状態と言うのは、つまり「昔の狭いムラ」であり「近しい家族、恋人、仲間」。ここでは確かに「互いに順繰りに他者の神様になる」事で、一神教的な社会倫理システムがなくても「社会倫理」は一定に機能するわけだ。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかし「狭いムラ社会」でも一定規模になると「村の掟＝公開ルール」が必要になる。この「掟」を近在の村からの防衛や村の既得権益独占のため「秘密の掟（なんとか秘密保護法？）」にしたりすると村の中で格差が進み、ミニミニ独裁国家になる。白土三平の世界。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)一方で民主的大規模ムラは「寄り合い」に類する合議の場を作る。この寄合は意思決定条件を全員一致に近いところまでハードルを上げる(でないと”毎日顔を合わせる者同士”の対立が後に残る)ので、超民主的だがなかなか事が決まらない。このへんは宮本常一が記録していた様な”日本の風景”。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

福島から「逃げる勇気」。「逃げない勇気」。どちらも讃えるべき事。国も東電も責任を取らない福島は「責任を取る者のいない事が明白な場」に。ならばどちらも「自己が責任を果たしている」。日本に稀な「自己の目覚め」。それがまた「責任を取らぬ者に依存し威を借る」”元の木阿弥”にならない内は。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「逃げる勇気」「逃げない勇気」をなぜ自己責任の両立の姿として互いに認めるに至らず「壁」が高いか。奪われた「生活」の拠所をなお社会に”依存”するしかない。事故という「巨大無責任の発生」に依り拠所を消されてしまった。なお責任を取らぬ者のカネに依存するのも止むを得ない。と言う事か。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)福島は失くせない故郷。しかし全国に過疎地は多い。福島に「責任」を騙る利権が注ぐカネのどこまでが他の過疎地と比し公正か。だが被害者がそれを気にする必要はなく。使えるカネは使うべし。この事への外の「無責任な目」。それを気にする良心の「呵責」が選択を違えた側と「壁」を作る。のでは。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

MX株式番組でたまたまシャルリエブドの解説。メモ。 ●７０年代に発刊(前身は”ハラキリ”？) ●”シャーリー”はチャーリー･ブラウンやシャルル･ドゴールを掛けている ●”エブド”は週刊 ●部数は数万。８０年代に部数低下。根強い読者も。 ●紙面に広告がない(成程！風刺の独立の要)。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続) シャルリエブドはフランスの表現文化だが ネット時代にはグローバルに拡散。”世界標準”に合わせた配慮も必要、とアナリスト氏。 これは主語を日本の「性的漫画」に入れ替えても綺麗に成立するんですよね。 見たくない人は「目を背けたい」。”裏返せば同じ問題”なんです。ある意味。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「ムラ＝他者相互責任＝”自分”なき相互維持社会」。一方で江戸などの都市には”粋””心意気”の様な独立の気風も既にあった。これを両方持ち越して近代法治社会化(内心の独立した個人が前提)が行われたための「自他認識と制度(建前)の不一致」が、今も続いている感。中でも深刻なのは…(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)法治を行う当事者＝公人がこの「自他の反転」状態で政治を行う状態。権利の”内在制約＝裏のつとめ”は個人の内心に帰する事を理解できず(かそのフリ)、国民ー国(自分)との「権利／義務」関係の事だと「別問題との混同」を起こし「権利はわがまま、同量の義務を果たせ」と他人事として求める。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)”公人のあなた”もまた国民ですよ、と言うと今度は国政選挙で選ばれた自民党議員が「政党は”公”ではない。だからTVに自分の利益を主張し、結果的公正をTVに求めていい」と私人ぶる有様。アナタは”国民の代理人”を選ぶため公費を費やしてその地位に”置かれた”んですよ。議員は公人です。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「公人」も「私人」も国民です。但し”憲法尊重義務(第99条)”の有無が違う。現役政治家が公然と中学公民に落第の学級崩壊国家。更に政治の公正のため税金から政党助成金と言う「大予算議員生活保護」まで支給。個人の生活保護が賃金と比べて何万違うとか”道徳的に”言える立場か。アホか。