鹿屋の戦い②

一時の敗北は真の勝利のために
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雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

瑠奈花「ひとまず、葛葵さんと合流しましょう。彼らがどこにいるかわかるかい?」 天龍「さっき連絡を取ったぜ。格納庫に潜伏してるそうだ」 瑠奈花「格納庫か。一度皆で集まって、今後の対策を考えるとしようか」

2015-02-24 02:02:24
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〜格納庫〜 葛葵「ああ木曾!無事だったかい!?」 木曾「…大袈裟だな。一発重いのくらっただけだ。もう歩けるよ」 瑠奈花「吹雪、よく葛葵司令を守ってくれたね」 吹雪「司令官も、ご無事で何よりです…」

2015-02-24 02:03:22
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葛葵「るなか司令、放送は聞いたかい?」 瑠奈花「ええ、厄介なことになった。ひとまずここから逃げましょう」 翔鶴「しかし司令長官は!」 瑠奈花「率直に言うと、ここにいて我々にできることは何もない。今の我々に奴らに対抗できる戦力は残っていないだろう」

2015-02-24 02:03:57
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瑠奈花「それに司令長官なら心配はいらない。おそらく殺されるようなことはないはずだ」 吹雪「え、どうしてですか?」 葛葵「なるほど、奴らは司令長官に協定書を書かせることが目的なわけだ。長官を殺してしまえばそれも叶わなくなる」

2015-02-24 02:04:29
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赤城「司令長官のサインは奴らにとって非常に重要なものです。それがあれば経緯はどうあれ、“鹿屋基地を敵に明け渡した”という事実が正当化されることになる」 磯風「長官にある程度の権限を与えている以上、大本営も迂闊に手出し出来なくなるわけか。厄介だな」

2015-02-24 02:05:04
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瑠奈花「協定がなければ、大本営はすぐにでも報復をしかけにゆくはずだ」 葛葵「司令長官のサインはそれほど大事ってことだ(*‘ω‘ *)だから司令長官に危害が加わることはないよ。…少なくとも当分はね」 瑠奈花「まあ、長官が奴らの圧力に屈してしまえば話は別ですが…」

2015-02-24 02:06:01
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葛葵「それは大丈夫。あの人は脅しにはそう簡単に屈しない。それより心配なのは…」 葛葵は胸のポケットから小さな無線機を取り出した 葛葵「みんな聞こえるかい?“りべあ”だ。私は無事だよ。申し訳ないが、みんなにはおとなしく投降して欲しい。君たちを失うわけにはいかないんだ」

2015-02-24 02:06:27
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葛葵「私は必ずみんなを助けに戻ってくる。だから君たちには自分の命を守ることを優先してもらいたい。私を信じてくれ。以上だ」 言い終わると葛葵は無線機を踏みつけて破壊した 瑠奈花「今のは?」 葛葵「私の統轄下の部下に対するメッセージだよ。みんなが素直に従ってくれればいいけど」

2015-02-24 02:06:55
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葛葵「そうと決まったら早速逃げよう。みんなついてきて」 葛葵は格納庫の端のほうに置いてある棚を動かした 天龍「これ…地下に繋がってるのか?」 葛葵「ご名答(*‘ω‘ *)外は無理だがここから地下水路に抜けられる。さあ行こう」

2015-02-24 02:08:25
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龍鳳「私はここに残ります。何かあった時は皆さんを護らなければなりません。命に代えても」 葛葵「残ることを止めはしないよ。ただ、命を投げ出すような真似は絶対にやめるんだ。いいね?」 龍鳳「…わかりました。皆さんもどうかお気をつけて」

2015-02-24 02:09:00
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〜地下水路〜 瑠奈花「先ほどの棚、最近動かした形跡があったが…」 葛葵「さっきもうちの憲兵やパイロット達をここから逃がしたばかりなんだ」 瑠奈花「逃がした兵士の数はどの程度で?」 葛葵「そうだねぇ、ざっと…」 瑠奈花「ふむ…」

2015-02-24 02:10:03
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長らく歩いたあと、葛葵たちは外へ出た 水路を抜けた先は近くの森林地帯だった 瑠奈花「ほう、基地の地下からこんなところへ続いているとは。これはなかなか浪漫が…」 吹雪「司令官、目がキラキラしてますね」

2015-02-24 02:11:35
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葛葵「もう少し歩くよ。さあ、こっちだ」 葛葵は皆を近くの小さな屋敷へ案内した 翔鶴「あら、小さくて素敵な家ですね」 葛葵「たまに仕事をサボ…あいや、息抜きのために訪れることがあるんだよ」 瑠奈花の隣で神通が小さくため息を吐いた

2015-02-24 02:12:13
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葛葵「ひとまずはここへ。それで、今後のことだけど…」 瑠奈花「葛葵司令、先ほど逃がしたという憲兵や艦娘達を招集できますか?」 葛葵「もちろん(*‘ω‘ *)おそらく考えはるなか司令と同じさ」 磯風「体制を整えて、鹿屋を奪還するんだな?」

2015-02-24 02:12:43
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葛葵「その通り!でも向こうの状況を把握しないことには下手に動けない。偵察隊を送って基地の状況を探らせよう」 瑠奈花「人数が足りなければ佐世保から援軍を求める必要もある。歯痒いだろうが、ここは耐えの一手だ」

2015-02-24 02:13:10
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木曾と天龍は山の頂上から鹿屋基地の方向を眺めていた 鹿屋基地からは煙が上がっていた 天龍「それにしても木曾、お前にしてはあっさりやられたな」 木曾「…俺にもわからない。あいつの目を見た時、なにかが俺の中に入りこんできたような…言葉で表すのは難しいんだが」

2015-02-24 02:14:11
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天龍「これは渾作戦の時に受け取った報告だが…」 天龍は木の枝を適当に放り投げながら語った 天龍「出撃前に体の不調を訴えた艦娘が何人かいたらしい。にも関わらず、無理をして作戦に参加したりしたそうだ。まるで何かに導かれたように」 木曾「…何が言いたいんだ?」

2015-02-24 02:14:35
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天龍「そいつらはその作戦で、自分にそっくりな深海棲艦と対峙したそうだ。最近こんな報告をよく聞く。お前もそうなんじゃないかと思ってさ」 木曾「…。」 そういえばそうかもしれない。思えば奴は、雷巡棲姫はなんとなく俺に似ていたかもしれない

2015-02-24 02:15:27
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木曾「渾作戦の時、翔鶴にも異変が起こったんだ。何かいけない気がして、その時の詳細は本人には聞いてないけどな。だが…」 天龍「だが?」 木曾「奴が何者だろうと関係ないさ。次会ったときは絶対に倒す。それだけだ」 天龍「…その意気だぜ」

2015-02-24 02:15:56
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雲龍「葛葵提督、偵察から戻りました」 葛葵「お疲れ様(*‘ω‘ *)どうだった?」 翔鶴「敵の規模は並程度、こちらの戦力をすべて合わせれば…」 その時、瑠奈花の無線機に通信が入った 瑠奈花「…失礼、話を続けててください」

2015-02-24 02:16:42
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〜無人島〜 瑠奈花『どうした?』 長良「あ、やっと繋がった!提督大変です!」 大井「今も無人島で敵の様子を探っているんですが、とんでもないモノが現れましたよ」 瑠奈花『とんでもないモノ?』

2015-02-24 02:17:07
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曙「バカでかい深海の航空母艦よ!今まで見てきた物と比べ物にならない!」 飛鷹「正面から中心を貫くようにハンガー・ベイが設置されている。特徴から考えるとウォーロック級航空母艦ね。大きさはケタ違いだけど」 伊168「オマケに艦載機の数が半端じゃないわ!空を覆い尽すほど飛んでる!」

2015-02-24 02:17:39
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瑠奈花『…大体状況は把握したよ。そのまま次の司令まで待機していてくれ。下手な行動は起こすなよ?』 比叡「わかりましたー!」 龍驤「待機かぁ…まあ仕方ないなぁ。あんなん正規空母が束でかかっても敵わんで…」 大井(木曾は大丈夫かしら…よく分からないけど、嫌な予感がするわ…)

2015-02-24 02:18:11
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葛葵「お、るなか司令。戻りましたか」 瑠奈花「厄介なことになったぞ。敵の機動部隊が現れたそうだ。それもとてつもない規模の」 赤城「機動部隊…ですか?」 瑠奈花「下手に鹿屋に攻め込んだら、奴らを同時に相手することになりかねん。空爆を受けたらひとたまりもない」

2015-02-24 02:18:42
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葛葵「機動部隊か…それはこちらでなんとかしよう」 瑠奈花「何か策でも?」 葛葵「るなか司令、うちは航空基地ですぜ。機動部隊の相手ならお手の物だ。翔鶴!みんなを集めて!作戦を説明するよ!」 翔鶴「はい!」

2015-02-24 02:19:30