【お玉さんの読書マラソン】「名探偵図鑑完読作戦」第5部

お玉さんの読書マラソン企画「名探偵図鑑完読作戦」第5部です。青山剛昌『名探偵コナン』単行本の付録「世界の名探偵」で紹介された名作を読んで「名探偵」を勉強し直そう!というお取組みの続き。第5部は、番外編の吉敷竹史から隅の老人、ルルタビーユ、三河町の半七、棟居弘一良、今西栄太郎、ギデオン・フェル博士、合田雄一郎、スティーブ・キャレラ、火村英生、朝吹里矢子までを紹介してらっしゃいます。(杉下右京は映像作品のため除外)
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お玉と毒のぬまち @ottama709

さて「名探偵図鑑完読作戦」番外編。 みんなのソウカツ「ほぼ日刊吉敷竹史レビュー」 本日はシリーズ八作目『夜は千の鈴を鳴らす』です。 今日初めて気がついたのですが、副題があったのですね。 pic.twitter.com/10Zom19bBz

2015-04-10 01:27:36
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お玉と毒のぬまち @ottama709

これまで七本の長編は南雲堂から刊行されている島田荘司全集の改訂版で読んでみましたが、全集(プリーズ早く続刊)に収録されているのは『灰の迷宮』までなのです。 で、ここからは逆の趣向。なるたけ初刊行時の仕様で再読したかったので、カッパノベルスで追っていくことになりますよ

2015-04-10 01:28:17
お玉と毒のぬまち @ottama709

ラブシーンのバックで太鼓の乱れ打ち! (もちろん『夜は千の鈴を鳴らす』の本編にこんなシーンは「一切無い」) pic.twitter.com/pbtS5V8iKs

2015-04-10 01:29:19
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お玉と毒のぬまち @ottama709

まずは表紙折り返しの「著者のことば」の引用 ー この小説の後半で、僕はひとつのトリックをしかけた。それは犯人が自分の犯罪を隠匿するためでなく、作者である僕自身が、読者のみなさんをささやかに翻弄するためである。(続く) ー ……んっ、ささやかに翻弄 ⁇(´Д` )⁇

2015-04-10 01:29:44
お玉と毒のぬまち @ottama709

「著者のことば」続き ー アンフェアすれすれのこの試みを、読後楽しかったと言っていただけるか、それとも腹をたてられるかは解らないのだが、書き終えたばかりのたったいまは、これまでのすべての吉敷ものの中で、これが一番の自信作、と胸を張りたい思いでいっぱいだ! ー し、正気か?

2015-04-10 01:30:01
お玉と毒のぬまち @ottama709

『夜は千の鈴を鳴らす』って評価ウンヌンの前に「アレ」をミステリ好きの読者として許していいのか? ってとこがあるんですよね(>人<;) 「奇想」や御手洗ものの「山手の幽霊」は「アレ」以外のトリックの物量が配置されてるのでまだ腑に落ちるけど、……コレを自信作と呼ばれると……

2015-04-10 01:30:40
お玉と毒のぬまち @ottama709

『夜は千の鈴を鳴らす』 「アレ」をアタマから外して考えてみよう。 地味に島田荘司初とも言うべき、みんな大好きな「あのトリック」が御手洗モノの某作品より先んじて使用されてたりするんだけど、……あまりキレイにキマッてないので、やっぱ地味地味〜(´Д` )

2015-04-10 01:31:27
お玉と毒のぬまち @ottama709

『夜は千の鈴を鳴らす』 現在の時間軸で起きた「女社長殺しの殺人手段」と「死の今際の「ナチ」発言の真意」の謎はどうか? ……どうか? と言われても、ねぇ(´Д` ) ……女社長メンタル弱すぎじゃネ? くらいしか

2015-04-10 01:31:53
お玉と毒のぬまち @ottama709

『夜は千の鈴を鳴らす』 女社長(彼女の経歴って日本の高度成長が暗喩されてるんのかな?)に関してもあまりに松本ノ清張サンとやらの系譜→清張呪縛下(あっ、この言葉キライです)じみたステロタイプな女性像であまりに感情移入が出来ないし……、 犯人のほうはもっと定型的だもんなぁ

2015-04-10 01:33:10
お玉と毒のぬまち @ottama709

とどのつまり『夜は千の鈴を鳴らす』をマトモに語ろうとすると、過去の事件でのアリバイを構成する「アレ」に帰着しちゃうんよね。 『占星術殺人事件』や『龍臥亭事件』の記述から推察するに、御手洗ー吉敷ワールドでもあの小説家は存在してるわけなんやし……。この翻弄具合、ささやかじゃない

2015-04-10 01:33:38
お玉と毒のぬまち @ottama709

まぁ「アレ」が現在の時間軸の女社長殺しのトリックに更に繋がっていく、という工夫は確かに「ある」 けど、先に述べた通り「弱い」 島田荘司初の「あのトリック」(地味だけど……)で補強をかましても「弱い」ままだ。 「アレ」の使用のマイナスイメージを跳ね返すには至ってない。

2015-04-10 01:34:34
お玉と毒のぬまち @ottama709

じゃあ「アタシ最近の島荘ファンだから「アキカツ」とか言われてもシラネぇし♫」 みたいな読者さまに対してどうかしら? と言うと、「アレ」の見せ方がね、本家と比較すると全然溜めが無く、その不可思議さを偽容疑者やタイムテーブルで拾えてないのでヘナチョコなのよ。すごく勿体無い使い方なんよ

2015-04-10 01:35:11
お玉と毒のぬまち @ottama709

そう「アレ」の使い方の工夫、それが現在の時間軸での事件とのリンクにのみ向けられているので、過去の事件わ単体だけで評価したとき「雑」でしかないの。 「アレ」ってインパクトがありすぎて且つ使用方法がメッチャ難しい。そんな類のトリックということがまざまざと突き付けられてくる

2015-04-10 01:37:33
お玉と毒のぬまち @ottama709

そう考えると、「アレ」を繋ぎのトリックの一つとして使用し、作者お得意の偶然連鎖系のトリックに落とし込んだ『奇想、天を動かす』のあまりの上手さは、『夜は千の鈴を鳴らす』のモヤッとがあればこそなんだよね。 過去を次の糧としている。 ……そこだけは認めざるを得ない

2015-04-10 01:38:29
お玉と毒のぬまち @ottama709

『夜は千の鈴を鳴らす』を読み終わった後「これはあの小説家のアレにインスパイアされた作品なんね。よし、いっちょアレを読んでみようかしら?」 こういう気持ちにさせてくれれば、とりあえずは作品としては成功! とハードルを低くしてみるけど、そんな気になるかしら? ということで

2015-04-10 01:39:18
お玉と毒のぬまち @ottama709

はい、結論。 『夜は千の鈴を鳴らす』など無かった! あの小説家のアレにインスパイアされた作品は『奇想、天を動かす』 ちなみに解説の結城信孝がこの作品の微妙な部分から一切合財逃げているのは、文芸評論家としてダメダメだわ!(あと「北の夕鶴」って鉄道推理か?)

2015-04-10 01:40:15
お玉と毒のぬまち @ottama709

というわけで問題作『夜は千の鈴を鳴らす』はおしまいです。 さぁて、次回はアレですね。アレは地味に好きなんですよ、フフッヒ ではでは〜 pic.twitter.com/lLL17tbEjW

2015-04-10 01:40:35
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お玉と毒のぬまち @ottama709

さて『三つの棺』残り150ページ。 がんばろぉ

2015-04-10 01:48:13
お玉と毒のぬまち @ottama709

さて「名探偵図鑑完読作戦」番外編! ぼくらをソウカツ「ほぼ日刊吉敷竹史レビュー」 本日はシリーズ長編九作目『幽体離脱殺人事件』をお送りします。 作者の女性観がフルオープンの本作。結構な賛否両論があったんじゃないのカナ? 僕は賛のほう。この作品、かなり好きですね。

2015-04-11 01:20:06
お玉と毒のぬまち @ottama709

なぬっ、マダムの電話を般若が盗聴‼︎ (もちろん『幽体離脱殺人事件』の本編にこんなシーンは「一切無い」) pic.twitter.com/aJceqQr0KH

2015-04-11 01:21:29
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お玉と毒のぬまち @ottama709

さて『幽体離脱殺人事件』と言えば、クソ女である。 島田荘司作品でクソ女と言えば、「光る鶴」のクソ女三連星、もしくは、「傘を折る女」のハムスター大好きクソ女がパッと思い浮かぶであろうが、この作品のクソ女も負けず劣らずのクソ女作品と言えよう。

2015-04-11 01:22:12
お玉と毒のぬまち @ottama709

前者二作のクソ女はワンエピソードを激しく叩きつけ強烈な印象を焼き付けてくれるが、『幽体離脱殺人事件』のクソ女は些細なエピソードをヂクヂクと重ねて人物像の細部にまで読者の想像力を促すタイプのそれである。 前者が動のクソ女だとすると、『幽体離脱殺人事件』は静のクソ女と言える。

2015-04-11 01:22:54
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