夏目房之介VSくみかおる

畏れ多いタイトルですがこれにしました。
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It happens sometimes @ElementaryGard

あ、言い忘れてたことがひとつ。「複製権」のほかに「翻案権」があります。ハルキの小説を無断で映画化したら「翻案権」の侵害だし、ジャンプの人気漫画を勝手にドラマやアニメにしたらやはり「翻案権」の侵害です。

2015-04-17 17:49:55
It happens sometimes @ElementaryGard

キャラクターはどうでしょう。実は法理論では処理しきれない。例えば『ドラえもん』のまんがを一コマでも模写つまり複製して広告チラシに使ったら、それは「複製権」の侵害とされます。

2015-04-17 17:52:27
It happens sometimes @ElementaryGard

ところが『ドラえもん』のまんが、アニメ、ゲーム他からの複製ではなく、それでも誰の目にもドラえもんとわかる絵がチラシに使われた場合、「複製権」の侵害と呼べるかどうか。 pic.twitter.com/PzdVaXqotG

2015-04-17 17:55:34
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It happens sometimes @ElementaryGard

へたっぴですが誰の目にも「あっドラえもんだ」と映る絵です。しかしながら模写ではありません。コピーでもない。こういうのは「複製権」の侵害なのか。

2015-04-17 17:56:52
It happens sometimes @ElementaryGard

「翻案権」の侵害ではないか?そう考える方もおられるでしょう。ところがこれも微妙なのです。例えば『ドラえもん のび太の恐竜』に感動したスピルバーグが恐竜の子どもの代わりに異星人の子どもを使ったSFファンタジーを作って、それを見た藤子F先生か現在の遺族が「盗作や!」と[続く]

2015-04-17 17:59:16
It happens sometimes @ElementaryGard

スピ監督を訴えるとするならば、「翻案権」の侵害として訴えると思います。

2015-04-17 17:59:50
It happens sometimes @ElementaryGard

登場人物はどれも別物でも、ストーリーが酷似していればそうなります。

2015-04-17 18:01:07
It happens sometimes @ElementaryGard

黒澤の時代劇『用心棒』のお話をまるまる流用した西部劇映画があって、黒澤プロが提訴。「翻案権」の侵害と認められた。つまり黒澤監督の訴えが通った。

2015-04-17 18:03:11
It happens sometimes @ElementaryGard

お話が無断で翻案された、というわけです。

2015-04-17 18:03:31
It happens sometimes @ElementaryGard

ですが先に考えたドラえもんのチラシ例はどうでしょう。別に『ドラえもん』の話を真似たわけではないので「翻案権」の侵害とはいえません。「絵を翻案したじゃないか!」 うーんこの場合は「絵を翻案した」のではなく「キャラクターを流用した」だから。

2015-04-17 18:05:26
It happens sometimes @ElementaryGard

いいですか「有名キャラクターを流用」は、「複製」にも「翻案」にも該当しないのです厳密に考えると。

2015-04-17 18:07:01
It happens sometimes @ElementaryGard

わかりにくいかな。芸人とか俳優に置きかえるとわかります。タモリさんが出る番組は手堅く視聴率が稼げるし、CMに出てもらえれば商品の売上が増える。そこでタモリのそっくりさんを使ってタモリと偽ってCMを流したらどうなるでしょう。これはアウトです。

2015-04-17 18:09:11
It happens sometimes @ElementaryGard

タモリさんが持つ「パブリシティ権」の侵害である、と判断されるでしょう。この「パブリシティ権」とは法律には書かれていない権利ですが、民法や不正競争防止法を組み合わせることで「発見」された権利です。そういえば「セクハラされない権利」も法律の組み合わせで発見された。

2015-04-17 18:35:58
It happens sometimes @ElementaryGard

「キャラクターは特許である」もこのパブリシティ権と考え方は同じ。

2015-04-17 18:38:14
It happens sometimes @ElementaryGard

ただパブリシティ権の根拠は人格権なんですよ。人格権?「不愉快になってしまうまねを他者からされない権利」と、とりあえず定義しておきます。先日の原発再稼働不可の判断も、周辺住民の人格権侵害のおそれありという理屈からなされた。

2015-04-17 18:39:59
It happens sometimes @ElementaryGard

そっくりさんがCMや番組で荒稼ぎしていると知れば、寛大なタモリさんでも不愉快に思いますきっと。「ギャグでやってるのならともかく、モノホン面で出てやがる」 人格権の侵害です。そのうえタモさんが稼ぐはずだった金を横取りしているのと同じだから不正競争行為そのもの。

2015-04-17 18:44:47
It happens sometimes @ElementaryGard

それらけしからん行為をひとくくりにして「てめー俺のパブリシティ権を侵害しやがって許さんぞワレ」とタモさんは立ち上がる。少なくとも所属事務所の田代エージェンシーは黙っていない。 pic.twitter.com/3Pg8ZeoWsg

2015-04-17 18:47:44
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It happens sometimes @ElementaryGard

ドラさんはどうでしょう。タモさんと違って実在しない。ただの絵ですもんね。絵だから人格を有しない。法律上は「ヒト」ではなく「モノ」。ということは人格権を有しない。 pic.twitter.com/bPNB3szsI4

2015-04-17 18:49:49
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It happens sometimes @ElementaryGard

それでもドラさんが番組に出れば視聴率が取れるし、商品にあしらえば売れる。タモさんのパブリシティ権に匹敵する力を有しているわけです。

2015-04-17 18:50:46
It happens sometimes @ElementaryGard

しかしながらタモさんと違って「モノ」でしかない。絵なんだから。

2015-04-17 18:51:27
It happens sometimes @ElementaryGard

「キャラクター権ってのはないんですか?」ないんです。少なくとも日本はないです。世界でもまずないんじゃないかな。

2015-04-17 18:54:40
It happens sometimes @ElementaryGard

「それじゃあドラえもんの絵を使ってどんな商品も出せるしアニメもドラマも作り放題ってことじゃないですか。お話は自前で用意してしまえば藤子プロダクションに何の挨拶もなしに稼ぎ放題になってしまう」

2015-04-17 18:56:25
It happens sometimes @ElementaryGard

そうなったらやはりおかしいよね。そこで日本では著作権法にある「複製権」を拡大解釈することで「キャラクターは特許である」というアメリカンな法理論を追認しているのです。

2015-04-17 18:57:18
It happens sometimes @ElementaryGard

チャップリンやタモリのように実在の人物でなくても、紙に描いたマルチョンに毛の生えたような代物でも、現実に集客力があるとなると、チャップリンやタモリと同じで勝手に使っちゃいかんよキミと考えたのが20世紀アメリカ。 pic.twitter.com/oOL3J6FbAq

2015-04-17 19:03:38
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It happens sometimes @ElementaryGard

いいですかこんなラクガキみたいな代物でも、実在の俳優や芸人さんと同格になるのです。これってよく考えたらぶっとんだ発想だとは思いませんか。

2015-04-17 19:04:40