細馬宏通先生のイメージ文化史ワークショップ「フキダシと時間」まとめ

早稲田大学総合人文科学研究センター研究部門「イメージ文化史」主催・2015年度ワークショップ、細馬宏通氏「フキダシと時間」【「マンガ、あるいは「見る」ことの近代」第4回】(2015年5月22日)
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細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

宮本大人さんからいただいた赤本資料によってフキダシ概念がぐらぐら揺らされている午後。今日はみなさんにフキダシ問題集もお配りします。5/22(金)18:00- 「マンガ、あるいは「見る」ことの近代」第4回 細馬宏通「フキダシと時間」。早稲田大学戸山キャンパス33号館。

2015-05-22 14:27:29
細馬宏通 @kaerusan

にゃーにゃー言うにゃ。「フキダシ論」「うたのしくみ 増補完全版」「いだてん噺」「ELAN入門」「二つの『この世界の片隅で』」「ミッキーはなぜ口笛を吹くのか」「介護するからだ」「今日の『あまちゃん』から」「浅草十二階」「絵はがきの時代」その他。かえる目で作詞・作曲・ボーカル。アイコンはマメイケダ画伯描く。

12kai.com

MIYAMOTO,Hirohito @hrhtm2011

イメージ文化史ワークショップ、細馬宏通さんの「フキダシと時間」もうすぐ。楽しいフキダシクイズが。 pic.twitter.com/KDYwOkyfLF

2015-05-22 17:59:46
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安田の次男坊 @TANAKAYASUKAZU

昨日の細馬さんのワークショップは本当に面白かった〜! pic.twitter.com/enNLMoub27

2015-05-23 09:41:04
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佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

まず、フキダシから台詞が抜いてあるいくつかのコマはどう読んでいくと思うかというアンケートから。ただいま元のコマの画像について解説中。『正チャンの冒険』、いわゆる赤本、萩尾、大島弓子、手塚など。

2015-05-22 18:24:27
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

飯澤天洋『のらくさ軍曹』(S10)という赤本はコマの中にある一列のフキダシを口の大きさでもって時間差をつけている、という指摘。右から左に読んでいく、というシステムが確立していない頃の例として。

2015-05-22 18:28:22
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

大城のぼる『汽車旅行』の有名なプラットフォームのコマの説明。真ん中の弁当売りと客だけが時間の進行を感じることができるが、周りのフキダシはBGMのように順位がつけられない。このことから、会話による時間の生成の話など。

2015-05-22 18:31:33
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

大島弓子、フキダシがアバンギャルドすぎるな・・・

2015-05-22 18:36:57
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

細馬先生はエスノメソドロジーをバックボーンに研究しているそう。Kenneth Liberman "More studies in esthnomethodology"の紹介。

2015-05-22 18:41:26
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

要するに「ゲームをするときはルールを把握してからやるんじゃなくて、やってくうちにわかってくる」という話。フキダシのルールはこれに似ている。

2015-05-22 18:42:55
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

フキダシを読み飛ばす人でも、結局のところ順序付けは行っている。

2015-05-22 18:47:41
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

フキダシの順序を読んでいることと、コマ内の時間をきちんと把握することが別のことであるのは『のらくろ』といったある意味で古典的なマンガを読むことでよくわかる。最近のマンガはわりとそれが一致しているので読み返すことでそれが自然なことでないのがわかる。

2015-05-22 18:54:50
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

ホガースの風刺漫画にあるラベル(フキダシ)には時間意識があまりない。また、下の解説を読むことで意味がわかるようになっている、というややこしい視線運動を強いられることになる。

2015-05-22 19:00:36
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

smolden『コミックの起源』は良い、という話。

2015-05-22 19:01:51
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

要旨としては、ラベルはフキダシの起源と確定することは難しい、という話。細馬先生としては、そのロジックではラベルの特性を拾いきれてない。ラベルの複雑な視線運動なくとも、フキダシだけを読んでいっても順位をつけられる例(発話順序のある例)もある。

2015-05-22 19:07:09
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

Smoldenによれば、いわゆるフキダシが誕生するには、Audio-visual stageがあったと。絵の中で何かが話しているのを文字でなくて音そのものであると思うような段階は、イエローキッドと蓄音機のストリップの構成を見ればわかる、と。

2015-05-22 19:23:37
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

細馬先生もおしゃっているが、話がうまくいきすぎているよね、Smolderen。細馬先生はクルックシャンクのあるコマのフキダシを示して、別にコミック・ストリップでなくとも、フキダシの中の文字が音声的であるように感じられるものはあることを示している。

2015-05-22 19:28:06
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

細馬先生のふだんのフィールドワークで集めたジェスチャーから、「ジェスチャーはいつどうやって終わるのか」に注目すると、動作は非常に多様な様相を持っていて、それに比べると、マンガの動作はあまりにも動いていない、という話。

2015-05-22 19:35:23
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

しかし、そこでその瞬間は会話のフキダシによって膨らませられる、と。

2015-05-22 19:37:23
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

今日のキーワードは、「フキダシの力でコマがふくらむ」、ですね。

2015-05-22 19:47:24
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

「コマのシークエンスだけでなく、フキダシのシークエンスも重要」ということでした。去年からのワークショップの議論とも接続がありましたね。

2015-05-22 19:49:49
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

そういえば、会場からの補足で、飯澤さんのマンガは正確には赤本ではないそうな。

2015-05-22 19:52:04
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

宮本大人さんの質問から、フキダシのある草双紙はaudio-visual stageかどうかの話からいろいろ議論が。次に、草原先生がヨーロッパにあった「しゃべる皿assiette parlant」を例に出して、smoledrenのように蓄音機だけにしぼっていいのか、という質問。

2015-05-22 20:00:10
佐藤正尚 (Dion Masanao Sato) @penguinmeditate

細馬先生は、「その通りで、視覚と聴覚を両方を含んだものについていえば、蓄音機はその一つにすぎない」みたいな応答。

2015-05-22 20:01:19