椹木野衣×会田誠トークイベント〜誰がアウトサイダーなのか〜

椹木野衣初の新書『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎)刊行を記念して5月30日にリブロ池袋本店で行われました。 ◎登壇者 椹木野衣 会田誠 続きを読む
1
みそむーおでん @misoni_2013

椹木「アウトサイダーアートと呼ぶものはなにか。一般的にはデュビュッフェが第二次世界大戦でヒューマニズムの失墜の後、人間への失望を経て、真っ当な画家が描いた絵でない、精神に障害を負ったり、監獄に入っていたり、ビジョンからお告げを描く、芸術家でない、そのような絵を、

2015-05-30 19:30:37
みそむーおでん @misoni_2013

椹木「アール・ブリュットと呼んだ。理論や歴史によって不順なものに見える美術でなく、「生」の美術、それにヒューマニズムの失墜後の美術があるべきだ、と

2015-05-30 19:31:20
みそむーおでん @misoni_2013

椹木「70年代に英語圏で訳されるとき、アウトサイダーアートとなった。コリン・ウィルソンのアウトサイダーアートの影響力があったことや、68年の革命後の若者たちの影響もあった。英語圏ではアウトサイダーアート。

2015-05-30 19:32:09
みそむーおでん @misoni_2013

タイピング音を注意されたので終了です

2015-05-30 19:38:13

※ここで引き継ぎました

橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

会田「椹木が本の中で選んだ作家は後天的な天才。僕は天才という言葉には屈折したこだわりがある。美術手帖対談の時『天才でごめんなさい』という展覧会タイトルに引っかかられた。その時は何故と思ったがこの本を読んで理由分かった。」

2015-05-30 19:45:10
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

会田「椹木さんは天才を愛するタイプで僕は天才になりたかったけど諦めてインサイダーにならざるを得なかった。」

2015-05-30 19:46:30
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

椹木「美術教育の享受有無はここでは関係ない。後天的な体験によってそうせざるを得なくなった作家たちを取り上げている。『天才でごめんなさい』に引っかかった理由は覚えないが、そうだとすれば会田の狙い通りだったのではないか。」

2015-05-30 19:49:05
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

椹木「『美術であろうとなかろうと』展について、何が美術であるのかないのかと言ってもそれは今の時代でしか通用しない。今美術と呼ばれているものでも百年経てば美術でなくなっているかもしれない。今美術かどうかという議論は意味がない。」

2015-05-30 19:52:06
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

椹木「後天的な経験を重視している。誰がこうなってもおかしくないと言いたい。どんな人にも病苦や離別などが降りかかりうる。誰もが何かしらのモノづくりを始めてしまう=本書でいうアウトサイダーの作家たちになる可能性がある。」

2015-05-30 19:57:27
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

会田「出口なおの箇所を読んで色んな若手が去来した。“プチ出口なお”ならいる。例えばメンヘラ展。展覧会の枠組みでみるかぎりではリアルだしそれなりに面白い。作品が個々の不幸に拠っていて、その不幸が無くなった場合はどうなるのかと思う。」

2015-05-30 20:02:19
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

椹木「メンヘラ展とかそういうら作家たちはまだ光が弱いから展覧会をしたりしてフレーミングしないといけない。本書で取り上げた人たちは作品つくる意識ないし、ただ作っているだけ。作家的な欲望がない。」

2015-05-30 20:08:31
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

椹木「モダニズムの作家たちはモダニズムではない。モダニズムとはジャストナウであり、モノづくりとしては終わりがなく、それでは作家名も作品名も名乗れないなず。モダニズム作家たちは妥協した。本書の作家たちはそういう意味でモダニズムを徹底している。」

2015-05-30 20:12:23
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

会田「椹木と近い意識持っていたからモニュメント・フォー・ナッシングなど始めた。僕が会田誠を名乗るのは人類の歴史からしたら一瞬にしか過ぎない。モニュメント〜は自分が音頭をとるが、作った人数も数えられないし期日も決めない。そういうものを一回やってみようと。」

2015-05-30 20:15:20
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

会田「統一感ないバラバラの塊。作り方の基本ルールだけは統一。これをやってアウトサイダー・アート入門に名を連ねられるとは思わないけど(笑)」

2015-05-30 20:16:49
橋爪勇介|美術手帖 @hashizume_y

椹木「講談社から出る戦争画の本でもモニュメント〜の話出てくる。」 会田「モニュメント〜はⅡだけが共同制作。これは頑なに美術館の中だけでやると決めている。美術館の制度を考えるきっかけとなるかもと。」

2015-05-30 20:18:49

※地震発生で話の腰が折れたためここで実況は終了。(トークは継続されました)

椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

昨夜のリブロ池袋本店『アウトサイダー・アート入門』刊行記念・会田誠さんとのトークショー。ご来場の皆様、ありがとうございました。僕も長年いろんな企画で登壇してきましたが、話の途中であれだけ大きな地震に見舞われたのは初めて。何事もなくイベントを終えることができて本当によかったです。→

2015-05-31 07:44:04
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ しかし今の日本ではイベントの最中に大きな地震が起きることを想定しておく必要を改めて感じました。昨日は僕の話の途中で地震が始まり、揺れはどんどん大きくなっていきました。会場は満員のうえ、ビルの8階は船上のような揺れです。しかしお客さんは概ね冷静、話を中断して様子を見ることに。→

2015-05-31 07:48:10
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 最前列で立ち上がったお客さんに落ち着くよう伝え、マイクで頭上への注意を呼びかけたのですが、その僕の頭の真上のスピーカーがいちばん揺れているのに気づかないのは滑稽だったかも(笑)震源の位置が心配だったので、目前のお客さんに話しかけて確かめ、揺れが収まるとトークを再開しました。→

2015-05-31 07:51:02
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 実は先週月曜にも大教室での講義中に教室が大きく揺れました。僕はやはり頭を守るよう伝え、出口の開口を倍に開けて固定し、すぐには避難せず待機、学生も冷静でした。僕の近年の関心が地学と美術ということもあり、何回か前にあらかじめ発生時の対処を伝えておいたのもよかったかもしれません。→

2015-05-31 07:54:13
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 昨夜のトークはお相手が会田誠さんということもあり、のっけから「性」が隠しテーマでした。性は生命の源ですが、美術作品のように明確な形はありません。しかしそれを、すべてが形式化されたかの美術の内部でどう扱うかの困難に、会田さんの美術家としてのアウトサイダー性があると伝えました。→

2015-05-31 08:01:35
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 昨夜の揺れは、そんな話の流れの中で起きました。地震は震災を招きますが、他方で地球が活動する天体としての生命力のあかしでもあります。性と同様に明確なかたちはなく、予期することもできず、しかし、人の人生に直に働き掛けます。僕は会田誠さんの美術にも、しばしば似たものを感じるのです。

2015-05-31 08:10:45
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

僕の美術批評家としての目下最大の主題は「地学と美術の結婚」です。これは既刊『後美術論』での「音楽と美術の結婚」に続くものですが、そちらでは伏線だった地水火風をめぐる思索が全面展開されています。今月の『美術手帖』に掲載の連載長編評論『後美術論、第二部・流浪編』をどうかご一読下さい。

2015-05-31 08:27:25