まああの、MEがOEと比べるとすごく「英語っぽい」のは確かなので(正書法の問題もあるかしら?これはハムスターさんのご発表にもあった気がするけど)、「読める」というのは乱暴にしても、チョーサーのくだりは他の箇所にくらべればそんなにひどくはないんじゃないかなと。 #knyn
2010-12-28 13:14:06中尾(1989:145)の数値を引用して「他動詞文の語順については統計がある…SVO語順は…シェークスピアで90%以上…チョーサーでは84%だが、古英語のアルフレッド大王…では…40%まで下落」(続く) #knyn
2010-12-28 13:17:22(続き)「アルフレッド大王は古英語の後期であるから、さらに時代を遡った8世紀の『ベオウルフ』の比率が欲しいところだが、残念ながらそれは入手できなかった。ご存知の方がいたらご教示願いたい。この下落傾向が続けば、さらにSVO語順は少なくなると思われる。」(p. 150) #knyn
2010-12-28 13:19:36@Mitchara チョーサーはロンドン方言ですから、同時代の他の方言と比べて、今の英語と結構似ているのは確かですが、正確に読むとなると至難の業です。 #knyn
2010-12-28 13:22:10ええと、『ベオウルフ』は頭韻詞なのですが、語順の統計を取っても有益な情報をもたらしてくれる可能性はどれほどあるのでしょうか? #knyn
2010-12-28 13:23:58古英語の文献をしばし睨んだ後に中英語の文献に移ると、「おお!これ!英語!これ英語じゃん!」とか思って「読める!読めるぞ!」としばし幻想に浸った後、現実に帰ってまた辞書を睨むことになる。
2010-12-28 13:25:51駆け込み寺営業中なのであとで @ab07_tact さんのレビューを読むのを楽しみに~
2010-12-28 13:27:34「ちなみに、これも語順が自由であったラテン語では、他動詞文では動詞が最後に来るのが最も多かった。つまり日本語の語順と同じである。手許に統計的証拠はないが、古英語も恐らくは、そうであったと思われる。」(p. 150) まあ、想像するのは自由です。 #knyn
2010-12-28 13:27:43記憶によると確か第三章は英語史の章だったはずなのに、この後20ページくらい、なぜかスペイン語やフランス語や印欧語比較言語学の話が出てきます。この辺の評価は言語クラスタ諸賢にお任せします。 #knyn
2010-12-28 13:31:10中英語では曲用が消失した事に関して、「普通名詞や冠詞が曲用を失ってどんな文法格においても同じ形…になるに至って、意味が伝わるためには語順に頼るしかない。しかもその語順は…他動詞を挟んで、一方に[行為者]、もう一方に[非行為者]と(続く) #knyn
2010-12-28 13:38:15このへん下手にdisるとGreenbergをdisることになるので(まあGreenbergを叩いてもいいんだけど)慎重に… #knyn
2010-12-28 13:39:31(続き) [非行為者]とはっきり距離を置いて分離するのが、一番誤解が少なくてすむ。そういう風に、意味が間違いなく伝わる最大の効果を狙ったのがSVOという語順だったのである。結果として……『従語(subject)』は『主語』となって生まれ変わり…」(p. 172) #knyn
2010-12-28 13:41:30英語史で、語形変化の消失と語順の固定化は関連があると言われるのは確かですが、それと「(金谷の言う)主語の出現」を絡める理由が今ひとつ…。英語の主語の定義がSVOの第1要素ということなので、SVO語順に固定化したから主語が現れたということ?んー、凡人には分かりません。。 #knyn
2010-12-28 13:45:01あと、非人称文の話が出てきますが読むのしんどいので却下。角田『世界の言語と日本語』の「英語こそ特殊な言語だ」という意見に大賛成!みたいな記述もありますが(p. 176)、この辺の評価も皆さんでお願いします。 #knyn
2010-12-28 13:49:38