和算〜江戸時代の連中は、なんちゅう計算をそろばんでしとるんだ〜

なるほどわからん
関孝和 和算 数学 歴史 江戸時代
301
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
江戸時代の連中は、なんちゅう計算をそろばんでしとるんだ、とひとしきり
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
弓形の弧長を求めるために関孝和は、 arccos^2 (24/25)≒0.0805390964213483117、 という値を、分数 200860100457/2493945312500≒0.0805390958054538 で近似している。何桁の連分数を展開してるんだあ!と悶絶
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
めちゃくちゃ精密な近似である。(もちろん真値が分かれば連分数そのものは難しい計算ではないし、近似が精密になるのは当然なのだが。。。)これをどうやって見つけたんだ!!!、というのが今の課題。10^(-10)のオーダーで近似するとはね。 pic.twitter.com/YTteV1mptE
拡大
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
ちなみに先ほどの分数の分母は 2493945312500=2^2*5^11*113^2 と素因数分解できる。この113という素数はπ=3.1415…を355/113で近似したことからおそらく説明可能。一方、分子の素因数分解は3*66953366819となり、11桁の素数が出現w
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
素数66953366819は、もしかしたら和算家が計算した素数の中では一番大きな値かもしれない。ただし、偶然たどり着いた計算結果だろうから、これを素数と意識していたかどうかは怪しい。(和算家たちは素数のことを「単数」と言っていた。)
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
他にも関孝和が近似した数値は以下。 arccos^2 (4/5)≒2974254163 / 7182562500 arccos^2 (3/5)≒686235249 / 798062500 arccos^2 (7/25)≒4130907926451 / 2493945312500
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
これをそろばんで計算していたとか
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
関孝和のやったことを「数学」としては理解できるのだが、「歴史」として見ると、まだ説明はつかない。今まで悩んでいたのは、数学のテクニックとしては「連分数」を使っていたのかな?ということ。予想はできていたのだが、1680年代にそれができていたのか?という疑問が、歴史の問題となる。
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
つまり、関孝和が連分数を使えた証拠のような物があれば、議論はかなり進展する。(全部解決とはいかないまでも。)最近、関孝和と同時代で、しかも彼と交流があったかもしれない和算家の史料に連分数と同じ計算技法があったことを確認したので、関がこれを使っていても不自然ではないな、と分かった。
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
そもそも、さっき話題にした関孝和の計算結果は、平成になってから自分が数学ソフトを使ってその近似の精度を確かめたもの。それまでは、その式は形式だけを見て数学的に間違っているはずと言われ、検算すらされてこなかった。ただ、それも仕方ないことで、電卓が使えてもこんな数値は扱いたくないw
Kenichi Tomura/戸村賢一 @kenichi_tomura
@ke_1sato 何百人もで手分けしてやってた可能性はどうなんでしょうか? 一人でやるもんじゃなさそうなので・・・
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
当時の状況を考えると、計算のできる人を集められても、良くて数名程度でしょうか。 RT @kenichi_tomura 何百人もで手分けしてやってた可能性はどうなんでしょうか? 一人でやるもんじゃなさそうなので・・・
Kenichi Tomura/戸村賢一 @kenichi_tomura
@ke_1sato ではあまり分業しても効果なさそうですねw 和算の人って根性アルというかなんというか・・・オイラーやガウスとは全然別なベクトルですごいことやってるんですね・・・
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
まあ、そのことについて考えていない時間の方が圧倒的に多かったけれども、20年前から気になっていた歴史的問題も、史料さえ出てくれば1週間で一気に解決の手前まできてしまう。それが歴史研究の面白いところではありますね。
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
ああ!まさに彼の名前を出すのがピッタリかもw twitter.com/gesrausesl/sta…
Tomohiro Takata @wingcloud
@ke_1sato でも連分数を使うと分母分子を求めるアルゴリズムに足し算が入るので、分母の素因数に法則性が見えるのが不思議な気がするんですが、なぜ連分数が使えるといいんでしたっけ?
Kenichi Tomura/戸村賢一 @kenichi_tomura
@ke_1sato 全然門外漢からの質問なのですが、和算が廃れたのって、西洋数学の影響ってあるんでしょうか? 18世紀になると解析学も幾何学もすごい発展しますので、オランダ経由でそれが届いて打ちのめされちゃったとか・・・
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
それで、まだ一意にアルゴリズムを確定できていないんですが、どうもπの補正計算を後からしているようで、必ず113が分母に因数として紛れ込んでいるんです。 RT @wingcloud でも連分数を使うと分母分子を求めるアルゴリズムに足し算が入るので、分母の素因数に法則性が見えるのが
Tomohiro Takata @wingcloud
@ke_1sato なるほど…5のべきがやけに多いのも気になりますね。
abigail9801(月光蝶G) @abigail9801
@ke_1sato ラヌマジャンの計算能力には、未だよくわかっていない部分があるんですが(要は、彼は一瞬で、複雑な計算を要するはずの答えにたどり着いていたように見える事が何度もあったようなので)…もしかしたら、関孝和もこの能力を持っていたのではないでしょうか?
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
たしかに、そんな能力があったのではないかと思わせるような計算結果は幾つかありますね。 twitter.com/abigail9801/st…
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
関孝和の4~50年後の世代になると一つの塾で数十人の門人を抱えるような規模になるのですが、彼の頃はちょうどブームの先駆けで、マニアの数をそろえるのは逆に難しかった頃合いですね。それでも有能な弟子がいたのが関にとっては幸いでした。 twitter.com/gesrausesl/sta…
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato
そうそう。江戸時代にも数学の通信添削システムはありましたからね。 twitter.com/motoaki_226/st…
残りを読む(33)

コメント

セバスチャン小林(裏) @Dongpo_Jushi_x 2015年6月21日
球の体積の公式を求めるため大きな木の球を作り、それを輪切りにした、という話を聞いて「なんつー力技だ」と思ったものだけど、当然のようにその上がいたわけか。
Kei @dzx37 2015年6月21日
『天地明察』を読んだだけでも「スゴイ!」と思っていたが、改めて解説してもらうともう理解の範疇を超える。
しましま @jkgkikllh 2015年6月21日
当時の技術だけを使ってどうやってピラミッドを造ったのか。というのと同じようなものか
文里 @wenly_m 2015年6月21日
文系脳なのでイマイチ実感できないけど、本当に凄いと私のゴーストが叫ぶw
きゃきらん @kyakirun 2015年6月22日
本当に何をどうすれば見つかるんでしょうね
夕街昇雪⌬いえのかぎ🏳️‍🌈新作準備中☕ @ugainovel 2015年6月22日
すぎょいですよね、実は江戸時代の数学レベル
庭のふらここ @mizubasyo3004 2015年6月22日
ダジャレから始まるとこが佐藤先生らしい。
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2015年6月23日
だいたい把握されているのかと思っていた。「関孝和は『どう』解いたか」では、いまだに謎がいろいろあるのか。
遊佐飛鳥@漢晋春秋 @asukayusa3594 2015年6月23日
文系なので何がどうなのかサッパリなのがアレだけど(笑)、佐藤先生が注意すべきと考える点は実は歴史一般に言える事で、「当時の人が当時得られた情報・技術」で考えずに現代の歴史知識を混ぜ込む人は在野の素人はもちろん著名な研究者でもしばしばやらかす間違い。「その後」を知ってる我々現代人だから難しいし、気をつけないと。
くらげん(伴野鼎) @nora_kuragen 2015年6月23日
歴史的には「連立方程式による解法を知らずして鶴亀算を解く」、で良いんでしょうかね。
TOYODA Eizi @e_toyoda 2015年6月24日
数学史の問題としてはどのような方法を知っていたかが謎。連分数展開を知っていたらしい
Z-Pale Rider @MeierLink_Z 2015年6月24日
自分は使い方すら分からないので間違ってるかもしれませんが、例えばソロバンにしても当時は球数も違うし、道具も算盤(さんばん)や算木を使えば、あるいはこのような複雑な計算も労力が少し変わってくるのでは…と思ってみたり。
smw @Shi_MeiWo 2015年6月24日
ラマヌジャンの名前を久しぶりに聞いた気がする。早く生まれすぎた大数学者。
山吹色のかすてーら @sir_manmos 2015年6月24日
nora_kuragen 少数(アラビア数字の記法)を使わずに、利子の計算をしていた古代ローマ世界とか考えるとちょっとおもしろいかもしれません。
居酒屋狸 @Atoll_Cobra 2015年6月24日
算額についてググるだけでも「だれがここまでやれといった」レベルの問題が奉納されてたりしますから、明治開闢で一気に廃れたのがほんとにもったいない( ´Д`)=3
お猿さん@轟驫麤 @mamachari3_Jpn 2015年6月24日
関孝和、ラマヌジャン、チューリングの脳味噌構造解析したい
佐野まさみ @gameperson_sano 2015年6月24日
和算は結構レベル高いのよね。体系化が遅れてしまったのが悔やまれる。
Naoki_O @nananao2236 2015年6月24日
ふと、何かで読んだサヴァンの兄弟を思い出したり。ふたりだけで交互に何か数字の羅列を口にしているのだけれど、調べてみると全て素数だったと。で、その筆者がかなり桁数の大きな素数で語りかけると、ちょっと考えてからにっこりされる。そう言う才能があって、なお、社会に許容された人が、こうした功績を残すのかなと
のぶさ@MR2(SW20V型Gリミ) @nobu_azuma 2015年6月25日
上毛かるたで「和算の大家 関孝和」と詠われる方ですね
yamazaks @yamazaksv2 2015年6月25日
和算の歴史おもしろい! 科学史も背景まで考慮するとすごくおもしろいんですよねー。
伍長 @gotyou_H 2015年6月25日
なんか、「江戸時代、戦国時代の人は現代人よりバカに決まっているのに、なんでこんな事ができたのか不思議!」って言ってるような違和感を感じた。
れもたろ@5/4月西2し34b @remotaro 2015年6月25日
天地明察にも出てきた関さんのお話。よくわからないけどすごいらしい(よくわからないけど)
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato 2015年6月25日
まとめとコメント、ありがとうございます。 このあたりを研究している者の気持ちとしては素直に数字を見ているだけで、感嘆こそすれ、過去の人たちを別にバカにしているつもりは毛頭無いので、そのあたりのご斟酌を頂ければ、と。 あ、それから『天地明察』のネタ元は拙著ですw
JojoTomochan @JojoTomochan 2015年6月25日
バカにしてるって思う人は自分のものも見方をこそ反省すべき。
Tokyo23hour @Tokyo23hour 2015年6月25日
これらをすべて漢数字で計算していたとか、本当に想像外の世界です。現代では西洋の数学で補完できていますが、ある意味ロストテクノロジーでもあるんですよね。歴史の浪漫を感じます。
あっと寿司 @atsushi015 2015年6月25日
積分や級数展開の計算にはそろばんは便利
あっと寿司 @atsushi015 2015年6月25日
一応、級数については、前項の値を残しておけば計算は楽になるだろうけど、ただその後は気合いかなあ。
Kaz IWASAKI @iwachan77 2015年6月25日
nobu_azuma ぐんまーの誇りですね。そしてぐんまー県人はみな「せきたかかず」ではなく「せきこうわ」と呼ぶw
しぇりりん(休職中) @m_sheririn 2015年6月25日
なるほどわからん。と言うかこんな高度な計算があった日本が何故ここまで数学後進国になってしまったんだろう…話は凄く面白いんだけども理解するには学力が足りない
としきん @toshikin3 2015年6月25日
江戸時代、和算は純粋な趣味だったのでこれほど高度な進化を遂げたんだな 現代のオタクたちが「単純に楽しいから」「仲間がいるから」高度なお絵かきしているのと構造的に相似形
菌象(牛歩堂) @giwhodaw 2015年6月25日
「重機どころか自動車や削岩機すら無かった時代にどうやってこんな山の上にこんな石垣や巨大な殿舎を築いたんだ!?」というのは自動車や削岩機の無いことを馬鹿にしてるのではなくて人力手作業でやってのけたことに感心してしまってますよね?
菌象(牛歩堂) @giwhodaw 2015年6月25日
きちんと勉強するとこういう話の面白さがきちんとわかるというのはこの勉強が「本人にとって役に立つ」ということですよなあ
nomad(のまd) @nomaddaemon 2015年6月25日
今年は僕が「八方塞」の年だとかで相模原の寒川神社にお参りに行きました。したら天文所があったとのことで、ひょっとして陰陽道に通じてる所?と思ったらズバリで。資料館に立ち寄ったら天文観測と暦から派生した和算の問題集が奉納されていて、もう、もう、歴史と文化と過去の天才たちの功績にめまいがいたしましたよw
タスク平文 @taskheibun 2015年6月26日
研究者レベルの話をするなら日本は別に数学後進国じゃないよ?そりゃアメリカ、イギリス、フランスなんかと比べたら格段に落ちるけど、それを言ったらほとんどの学問でそうだし。
木登りヤギ@メタアクアリウム @kinoboriyagi 2015年6月26日
まとめを更新しました。末尾にだだだーっと和算・数学関係のオススメ本を追記。こんなにまとめが広がるのなら、もっと早くやっときゃよかった。エルデシュとラマヌジャン読んで! 読んで! 読んで!!!
鮎麻呂 @aymro 2015年6月27日
解答は公表するのに解法は秘伝化されて文献が見つかりにくいんでしょうね。部外者に技を詳らかにする発想が不足していたのかと。《算法少女》の主題の一つでもあって、門閥意識・流派抗争と一体の「芸事」となる運命だった和算には停滞と凋落と自滅の未来が仕込まれていたんだな。
ラスカる@C98抽選落ち @Not_Araiguma 2015年6月27日
人の情熱は道具の良し悪しによらず
saebou @Cristoforou 2015年6月27日
ラマヌジャンも小説が一応、出ております。 http://amzn.to/1LuDKXj
Hiroyasu Kamo ((φ→ψ)→φ)→φ @kamo_hiroyasu 2015年6月29日
和算が秘密主義というのは、明治になってから作られた神話で、ほとんどの和算家には詳細を発表するメディアがなかっただけだと思っているのだけど、数学史家の見解はどうなのでしょう。 算額はスペースが足りません。ジャーナルはまだありません。自費出版はむちゃくちゃ金がかかります(そこは今と変わらない)。商業出版は版元が売れると判断してくれないと無理です(そこも今と変わらない)。普通に考えて、ひとにぎりの優秀でしかも裕福な人以外が詳細を公表できるメディアがないでしょ。
ボリゲル @borigeru 2015年8月23日
昔のNHKでもやってた。研究者がプリント何百枚分もの量になる計算をコンピュータでやらせてやっと解いたような問題もあるそうですね。後にほんの数枚分の計算で解くことができたらしいけど、それでも現代の知識で可能だったことでしょうし…。まさにロストテクノロジー、オーパーツと呼ぶにふさわしい感じ…(文系並みの感想
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする