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orikadoyuki
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@orikadoyuki 「あんまり詳しいわけじゃないのよね、お酒。飲まないことはないけど」 詳しそうだなという顔で。 「お礼って、何の? わたし、ハーレーさんにここまでもてなされるほどのこと、した覚えはないけれど……?」 頭に疑問符。
2015-07-12 20:35:35![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「おいおい、冗談きついな。おまえさんはおれの命の恩人なんだ。お礼なんて、いくらしたってし足りねえくらいなんだぞ」 トントン、と自分の腹を指でつついて。 「せっかく守ったお家に、危うく帰れなくなるところだった」
2015-07-12 21:00:06![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「でもそもそもお腹ぶち抜いたのわたしじゃない……。それこそホントはわたしがいくら謝っても許されるべきじゃないのに」 ハーレーさんがお人好しだから、と呟く。
2015-07-12 21:06:43![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「くかか。お人好しはどっちだって。おまえさんは《it》を倒そうとした。それをおれが邪魔したんだ。それで自分が死にかけるだけならまだしも、おまえさんに、知り合いの腹をぶちぬくなんて嫌な経験をさせちまった。……お礼っつうか、詫びが先だな。これは」
2015-07-12 21:10:48![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「……じゃ、素直に今回はこの通り施されておくわ」 右手にピザを一切れ上げてみせる。 「その後、大丈夫なの? お腹とか、怪我とか」
2015-07-12 21:25:47![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「ああ、経過は良好だ。キスの魔法が効いたかな」 冗談めかして言ってから、ふと、思いついたように眉を上げ。 「あー…、やっぱ、ちょっと痛えかもしれん。もっかいキスしてもらえたら、すぅっと、たちどころに治っちまうかもな」 あいたたた、とダイコン演技。
2015-07-12 21:35:36![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki やれやれと肩をすくめて。 「おでこでいい?」 そう言って額を出させる。 ……指のスナップを効かせながら。
2015-07-12 22:01:25![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「うぎゃっ…!」 ズビシッ、と額に鋭い衝撃。ハーレーは悲鳴を上げて額を抑えた。 「うひゃあ、効くなあ~。腹の痛みなんざどっかへ飛んでいっちまう」 こういうところがイイ女なんだよなあ。なんて、口に出せば二発目をお見舞いされそうなセリフを飲み込んで。→
2015-07-12 22:17:33![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod やたらめったら嬉しそうに、グラスを差し出した。 「改めて、乾杯しようや。おまえさんに救われたおれの生命のこれからと、そしてなにより、おまえさんのこれからの人生が、愉快で楽しくて、幸せなものになるように、な」
2015-07-12 22:21:50![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「……はい。じゃあそのお腹の傷とおでこの痛みが一刻も早く治ることを願って、乾杯」 グラスが音を立てる程度にそっとぶつける。 まったく、このひとは楽しい人だなと思いながら、クスと笑う。
2015-07-14 15:18:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 一口でグラスを空けて、ぷはあ、と息を吐く。グラスをもつ手の人差し指でアヤメを指して、 「おまえさんは、このあとどうする予定なんだ?ああ、今夜って意味じゃなくて、明日からの生き方の話な」 要らない補足をわざとくっつけて、アヤメに今後の予定を尋ねた。
2015-07-14 21:43:18![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki うーん、と首を傾げて。 「まだ、よくは決めてないわ。ただ、今は"娘"とゆったり大陸を巡りでもしようかなって、ゆったり考えているところ」 そう答える。
2015-07-15 00:29:40![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「娘と一緒に、か」その娘について詳しく聞いてみたい気もしたが、やめておいた。今あえて聞くべきことではないだろう。 「いいな。特に、ゆったりってとこが良い。そうだな……10年くらいしたら、《ナナリー領》にも来てくれよ」
2015-07-15 07:50:58![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「10年くらいしたら……?」 随分と遠い未来話をするものだなと考えたところで思い至る。 「10年後の中立領、それがハーレーさんにとっての"元々いた場所"か……」 彼が未来からやってきた存在である以上、元いた自体があるはずだと、思っていたけれど。 (続)
2015-07-15 08:09:35![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「そっか。そうよねぇ」 彼にも帰るべき場所があるし、帰るべき時もあるのだろう。 それはつまり、この時代を発つという意味で。 「改めて考えると、やっぱりちょっと寂しいわね」 何が、は口にしないけれど。
2015-07-15 08:17:16![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「くかか!そう言ってもらえてなによりだ。去る者にとっちゃあ、最大級の送る言葉だよ。―――それじゃあ、ひとつ置き土産を残させてくれ」 グラスを置いて、テーブルの端っこに置いてあった小袋を手に取る。中身を取り出して、ことり、とテーブルの上に置いた。→
2015-07-15 12:52:05![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod それは握りこぶしサイズの水晶玉だ。ハーレーが手を触れると、表面に、どこかの田舎町の景色が映った。 「こいつには、おれの住んでる《ナナリー領》の景色が映る。きっと、おれやオルトンが出てくることもあると思う」 水晶玉を指で弾いて、アヤメの方へ転がす。→
2015-07-15 12:57:19![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「10年経ったとき。そこに映る景色が平和で、魅力的に思えたら、遊びに来てほしい。そのとき家族があるなら、みんなで。恋人がいるなら、そいつと。 10年後に元気にやってるおまえさんが見たいし、おまえさんに、おれの国や仲間を見て欲しいんだ」
2015-07-15 13:02:10![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「あわわわわ!」 転がる水晶玉が床に落ちないように抱える。 「……物語に出てくる占術師の水晶玉みたい」 そこに映るのどかな光景に、言葉をなくしてしばし。じっとその球を見つめて。 「……大事なものじゃないの? わたしが10年これをもってる保証もないのに」
2015-07-15 13:41:54![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 「こう言っちゃなんだが元々拾い物だし、これから国に帰るおれには使い道もねえ。失くされても怒ったりしねえさ。いずれどこかに居を構えることになったら、クローゼットにでも押し込んでおいてくれ。ときどき、衣替えのときにでも、手にとって思い出してくれたら十分だ」
2015-07-15 14:38:57![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「……そこまで言うなら、受け取りましょうか」 言っても聞かなそうだし、なんてことを思いながら。 「ま大切にしておくから安心してくださいね」 そう言って微笑み、大事そうに撫でやる。 「……ところで、ハーレーさん」 口調を少し変えて、問いかける。(続)
2015-07-15 15:18:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 「……自惚れなら笑って? あまりこう言ったことに慣れてないものだから」 そう前置きして。 「今日、サシで招待されたことと、ここで話した内容を考えると、その。……冗談じゃなくわたし、意識されてたり、する?」 自惚れだったら、本当に恥ずかしいけれど。(続)
2015-07-15 15:24:59![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@orikadoyuki 娘を連れていることを意識したり、ベタ惚れだなんて抜かしたり。 冗談みたいに言っているけれど。 そう"聞こえるように"言ってるんじゃないかなんて。少し、思ってしまうのだ。 わたしは言われたことはないけれど。 少なくとも、物語の男性はみな、そうなのだから。
2015-07-15 15:40:41![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@yakan_r_pod 危うく、手にしたグラスを落としてしまうところだった。思ってもみなかったのだ。アヤメのほうから、こんな話を始めるだなんて。 女好きのガンマンが、お礼を口実に食事に誘い、妙な土産を残していった。そんな話で片付けられてもいい。そう、思っていたけれど―――
2015-07-15 16:39:03