平成27年 予備試験 論文 民法 参考答案例 その2
なぜなら,贈与者Aの共同相続人らの登記移転債務は不可分なので,Eに帰責事由があるか否かは,Aの相続人であるC,D及びEらに帰責事由があるか否かによって判断すべきであると考えるからである。 以 上
2015-08-15 19:23:444 帰責事由 なお,Eの損害賠償責任を否定する理由として,登記手続債務の履行不能につき,Eに帰責事由がないことを挙げることはできないと考える。
2015-08-15 19:23:29この場合,民法第431条(可分債権又は可分債務への変更)後段により,不可分債務が可分債務となったときに当たるので,各債務者は「その負担部分についてのみ履行の責任」を負うことになる。
2015-08-15 19:22:553 損害賠償債務の性質 先述したとおり,登記手続債務は履行不能により損害賠償債務に転化したところ,損害賠償債務は金銭債務なので(民法第417条),性質上可分である。
2015-08-15 19:22:41登記手続債務は,債務の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分である場合(民法第428条参照)に当たると考えるからである。
2015-08-15 19:22:162 登記手続債務の性質 Bに対する登記手続債務は,Aの相続人であるC,D及びEらが負うので,債務者複数であるところ,分割債権債務の原則(民法第427条)の例外として,不可分債務になると考える(民法第430条)。
2015-08-15 19:22:04したがって,BのEに対する損害賠償請求は,民法第415条後段を法的根拠とするので,その要件(債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったとき)を検討する。
2015-08-15 19:21:39第2 〔設問2〕 1 問題の所在 Aの相続人Eは,Bに対して,甲建物の全部については所有権移転登記手続債務を負うところ,これがされていないことによって受けた損害についての賠償請求は,
2015-08-15 19:21:07他方でBも3分の1の持分登記を有するので,それぞれ共有持分権を主張できることになる。この場合,民法第249条により,少数持分権者も,共有物の全部について,その持分に応じた使用ができる。つまり,占有権原がある。したがって,FのBに対する【事実】6の請求は,認められない(判例)。
2015-08-15 18:40:573 Bの反論 Bは,Aもと所有の甲建物につき,Aから贈与(民法第549条・民法第176条)を受けているので,Aを起点とした二重譲渡の譲受人である。この場合,民法第177条により優劣を決するところ,一方でFは3分の2の持分登記を具備するが,
2015-08-15 18:40:382 Fの主張 Aもと所有の甲建物は,同人の死亡により,C,D及びEの共有となるところ(民法第896条本文・民法第882条),Fは,相続人の一部であるC及びDから買い受けているので(民法第555条・176条),
2015-08-15 18:39:58第1 〔設問1〕 1 問題の所在 FのBに対する【事実】6の請求は,甲建物の明渡請求であるところ,FB間には契約関係はないので,物権的請求,すなわち,甲建物所有権に基づく返還請求権としての明渡請求が認められるか。
2015-08-15 18:37:23