【鉄底の闇】

裁きを下すことが正しいという保証は無い
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雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

深瀧「海風隊はL地点で敵を引きつけている。この隙に飛行場を撃滅するのが目的だ」 神山「あのう、ルー…」 神山が意見しようとすると、全員が神山の方を見た。突然の視線に思わず尻込みしてしまう 神山「え、えっと。ルートはどうするんです?」

2015-08-23 23:55:32
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深瀧「うむ、ルートについてだが、二手に分けようと思う」 神山「二手?」 深瀧「もう一度海図を見てくれ」 ホログラムの海図に、黄色い線でルートが映し出される 深瀧「戦ったことがある者ならわかるだろうが、飛行場というだけあってその航空戦力は絶大だ」

2015-08-23 23:56:03
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深瀧「そこでD地点から、北上して北から攻める部隊、直進して真っ直ぐ進軍する部隊に分け、双方向から叩く。全員が一丸となっては一網打尽にされかねん」 神山「ほぉ〜」 深瀧「ただし、直進するルートに関しては問題もある。一昨年でも同じことがあったが…」

2015-08-23 23:58:30
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深瀧「直進ルート…E,G地点は、瘴気が非常に濃い。昼間であっても周りが見えなくなるほどにな。ここを進む場合、擬似的な夜間強襲の危険が想定される」 神山「夜戦…」 深瀧「直進ルートはここに集まった者達の中でも選りすぐりの精鋭に任せなければならん」

2015-08-23 23:59:23
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深瀧「一方で問題が起これば飛行場の制圧は困難になるだろう。その場合は撤退し、仕切り直す。双方の状況を常に把握するようにして欲しい」 大体の流れはわかった。思ったよりも激戦になりそうだ。さすがはアイアンボトムサウンドと言ったところか 深瀧「…以上だ。暁の水平線に勝利を!」

2015-08-24 00:00:19
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神山「というわけです。今度はちゃんと聞いてきましたよ」 神山は出撃の準備をする加古達の元を訪れ、会議の内容を報告した 加古「お疲れ様。で、どっちのルートにするんだい?」 神山「当然、北のルート。夜戦同然の戦いって聞くと周りが張り切っちゃってね。そっちは任せる事にした」

2015-08-24 00:00:57
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雪風「それもそうだけど、ほんとは「自分たちの失敗で撤退することになると嫌だから」だそうです」 神山「こらっ。余計なことは言わない!」 加古「まーんなこったろうと思った。夜戦だろうがなんだろうが結構やれるよあたしら」 能代「まあ、その方が提督らしいですよ」

2015-08-24 00:02:05
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笏楠花艦隊は既に準備を整え、いつでも出撃できる体制が整った。そこへ一人の来客が現れる 「やあ、神山さん」 神山「あ…ザハ提督!」 声をかけてきたのは、特徴的な帽子をかぶった男。会議の時も見かけた人だ。やはりあれはザハ提督だったのだ

2015-08-24 00:02:41
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赤城「ザハ提督も参加していたのですね」 ザハ「ああ。やはり、アイアンボトムサウンドと聞くと…ね」 神山(そっか、この人も…) ザハ「それにしても大変だね。瑠奈花さんがいきなり離脱してしまうとは」 神山「まあ…なんとかやりますよ。ザハ提督は中央ルートでしたね」

2015-08-24 00:03:19
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ザハ「うむ、それなりに戦力は充実しているし、旧友の深瀧の頼みなのでね。何があるかわからないが、互いに頑張っていこう」 神山「はい!」 ザハと神山は互いを激励し、ザハは霧雨の艦娘の元へ戻った 加古「ザハ提督もいるのか。なら安心できそうじゃん」

2015-08-24 00:04:00
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神山は少しホッとした。瑠奈花以外だと唯一の顔見知りだ。これ以上ないくらい頼りになる 神山「みんなも気をつけてね。赤城ちゃんがいてくれるから大丈夫だと思うけど…」 鈴谷「提督は心配し過ぎなんだって!」 加古「あたしもこうして改二になったわけだし、安心して待っててよ」

2015-08-24 00:04:52
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能代「私が言うのもなんですけど、前みたいに司令部を飛び出したりとかしないでくださいね?」 神山「うん…じゃ、いってらっしゃい!気をつけて!」 雪風「しれえ!行ってきます!」 神山はみんなを見送ると、司令部室に戻った。今度は皆に指示を出さなければならない

2015-08-24 00:05:47
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〜アイアンボトムサウンド海域・L地点〜 「はぁ…はぁ…岸波は退避した?」 「うん、行ったみたい…」 「よかった…山風、次はあなたが」 「ううん、海風を置いてはいけない。最後まで一緒に戦うから…」 「作戦が始まりさえすれば…助けがくるはず…それまで耐えるのよ…」

2015-08-24 00:06:45
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〜笏楠花の司令部室〜 神山「ああ…心配だよお…」 神山は司令部室で丸くなっていた。その隣には舞風と高波がいる 舞風「…てーとくぅ。心配なのはわかるけどさ」 高波「3分ごとに通信を取るのは流石にやりすぎかも…」

2015-08-24 00:07:43
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これまで大規模作戦は瑠奈花と共に戦ってきた。ほぼ瑠奈花に頼りきりだったと言ってもいいだろう。練度はそれなりに十分なはずだが、瑠奈花がいないだけでここまで不安になるとは思わなかった 普段は神山を巡って言い争っている舞風と高波も、互いに目を合わせて不安そうに神山を見つめた

2015-08-24 00:08:47
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神山「レーべ。レーべをもふもふしたい。レーべはどこ」 舞風「レーべは初動作戦に参加してるよ」 神山「秋雲!次の創作について話し合おう!そうしよう!」 高波「秋雲さんは機動部隊の護衛に…」 神山「るなたそ…早く帰ってきてぇ」 高波(思ったより重症かも)

2015-08-24 00:09:40
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神山「…散歩してくる。何かあったらすぐ知らせて」 気を紛らわすため、神山は司令部室を出た。残された舞風と高波は顔を合わせた 高波「今は…」 舞風「お互い、やれることをやろっか」

2015-08-24 00:10:38
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

外に出たはいいものの、そんなことくらいでは不安な気持ちは拭い去れなかった 神山「霧雨の司令部室に行こう。あ、でも今は迷惑かな」 神山が歩いていると、物陰に人がいるのが見えた。帽子を被っているが、ザハ提督ではなさそうだ 神山はなんとなく、こっそりと近づいてみた

2015-08-24 00:11:44
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

人影は総司令官の深瀧だ。会議の時にいた深瀧の艦娘の声も聞こえる 神山(こんなところで何を話しているのやら…) どうせ秘書艦との密会か何かだろう、と神山は思った。あの二人はお揃いの指輪をつけている。作戦中だというのによくやるものだ が、聞こえてきた会話は…

2015-08-24 00:12:27
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

深瀧「海風隊が救援を?」 「はい、退避してきた岸波の要請です」 神山(救援要請…?海風隊に何かあったのかな) 「長時間に渡る戦闘で弾薬も物資もそこを尽きかけていると。北上部隊の艦娘を向かわせますか?」 深瀧「…だめだ」 神山(え?)

2015-08-24 00:13:34
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深瀧「相手は飛行場姫。奴の堅牢さは俺もよく知っている。奴を倒すには今持てる最大の戦力が必要なのだ。本部隊を減らすわけにはいかない」 「しかし…」 深瀧「今度こそ…俺は奴を倒す。なんとしてもだ。海風隊には今しばらく耐えるように伝えろ」 神山(こいつ…!)

2015-08-24 00:14:58
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神山「舞風!」 舞風「ぎゃあ!?びっくりした!」 神山は猛スピードで司令部室に戻った。いきなり戻ってきた神山に驚き、舞風は腰を抜かせた 神山「至急加古と連絡を取って」 高波「また…ですか?」 神山「今度はマジ。緊急事態よ」

2015-08-24 00:15:54
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高波「わかりました…!」 高波は無線を加古に繋げた 加古『にょろ提督?今度は何さ』 神山「加古、今どこ?」 加古『H地点で、直進部隊が飛行場にたどり着くまで待機してるとこだよ』 神山「それは好都合だわ。そこから東寄りの南東の方角をスキャンして」

2015-08-24 00:16:57