集団的自衛権の行使容認について主に安全保障と憲法の観点からみてみる
- 内閣官房HP
平和安全法制等の整備について
政府の権限を拡大するときは「政府にそんな権限を委ねても大丈夫か」ってことを考える必要がある。政府が広大な権限を行使できるようになった結果どんなことが起きうるかは、70年前に日本やドイツなどが経験済みでしょ? 委ねる権限によっては、わたしたち国民にとって不幸な結末を招くことがある。
2015-09-19 18:58:42ちなみにわたしは政府の権限が狭すぎて招く不幸よりも、政府の権限が広すぎて招く不幸のほうが深刻なものになりやすいと思っている。個別的自衛権の行使を認めないとか極端な例を除けば、ね。 政府は領域内で最強の組織だから歯止めをかけにくい。結果、権限が広いとそれだけ酷いことも起こしやすい。
2015-09-19 19:16:03もちろん、だからと言って政府の権限を権限に縮小させればいいかっていうと……それも行きすぎたら不幸を招きやすい(不幸を放置することが増える)だろうね。政府には生存権をはじめとする国民の人権を保障していく責任もあるから、権限を制限し過ぎるのは権限を広く認めすぎるのと同じく問題がある。
2015-09-19 19:25:09政府にどんな権限を付与するのが適当かバランスをとるのは難しいね。幅広い意見を取り入れて、冷静にじっくりと議論していく必要がある内容かな。
2015-09-19 19:28:43その3
集団的自衛権の行使を認めるべきかどうかを考えるときに取ったほうがいい(…と、わたしが思っている)思考手順を簡単に示してみようか。 きのう成立した安全保障関連法(特に、集団的自衛権の行使を認める部分)が妥当なものかを考えるときの一助にしてもらえれば幸いだよ。
2015-09-20 23:27:19集団的自衛権の行使を認めるべきかどうかには、少なくとも4つの段階があると思う。 (1)安全保障政策上、集団的自衛権を行使できるようにすべきか。 (2)国際法上、集団的自衛権を行使できるか。 (3)憲法上、集団的自衛権を行使できるか。 (4)行政法上、集団的自衛権を行使できるか。
2015-09-20 23:30:06(1)まず、日本が安全保障政策上、集団的自衛権を行使できるようにすべきかを考える必要がある。 行使できなくていいのならわざわざ行使のための法制度を整えるまでもないし(労力の無駄だし)、行使できるようにすべきでないのなら行使のための法制度も作るべきでないってことになると思う。
2015-09-20 23:35:20(2)安全保障政策上、集団的自衛権を行使できるようにすべきだって結論になったと仮定しようか。すると次は国際法上、集団的自衛権を行使できるかを考える必要が出てくる。 国際的に認められていないことをしたら国益を損ねることも多い(特に実力の行使についてはそうだろう)し、要検討だろうね。
2015-09-20 23:39:19(3-1)集団的自衛権は国際慣習法上、確立した権利として認められていて、その行使についても一定の要件のもとで認められている。 ってことで、今度は国内法のレベルで…まずは憲法上、集団的自衛権を行使できるかを考える必要が出てくる。
2015-09-20 23:41:42(3-2)憲法は国内的には最高法規だし、権力が暴走しないよう歯止めをかける防波堤ともいえるルールだから、軽々しく考えるのはもってのほかだよ。 集団的自衛権を行使できるなら政府の権限が増すわけだから、本当に行使できるか、できるとして何か制限があるかは、慎重に考えていく必要がある。
2015-09-20 23:48:30(4)憲法上、集団的自衛権を行使できるって結論が出るか、集団的自衛権を行使できるように憲法改正をして、やっと次の段階…行政法上行使できるかって段階に移れる。 行使のための組織や行使の根拠となる法規定などが整っていれば改めて整える必要はなくなるし、整っていないなら整える必要がある。
2015-09-20 23:56:59(補足)憲法学者や弁護士などの法学系識者の多くは、現政権や安保法賛成側が(1)と(2)の段階は経ても(3)の段階をおろそかにして(4)の段階に飛ぶことを怒っていると思うんだ。 たとえば憲法学者・南野森教授によるこんな意見 bylines.news.yahoo.co.jp/minaminoshiger… があるね。
2015-09-21 00:01:32集団的自衛権の行使を認めるかどうかの議論について改めて言いたいのは(1)安全保障政策上の話、(2)国際法上の話、(3)憲法上の話、(4)行政法上の話は分けて考える必要があるということ。 これらを混同したら議論にならないし、これらのうちどれを軽視しても不幸な結末に至りやすいと思う。
2015-09-21 23:56:03