- arishima_takeo
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ポトラッチにおける贈与の応酬がどちらの共同体も壊滅させてしまうことがあるが、血讐も同様である。血讐が禁じられるのは、犯罪を裁く上位組織(国家)が成立するときである。逆にいうと、このことは、血讐の存在が国家の形成を妨げることを示している。by柄谷行人『世界史の構造』
2015-09-25 16:10:54定住は、死者の処理を困難にする。アニミズムでは一般に、死者は生者を恨む、と考えられる。遊動生活の場合、死者を埋葬して立ち去ればよかった。しかし、定住すると、死者の傍で共存しなければならない。それが死者への観念、および死の観念そのものを変える。by柄谷行人『世界史の構造』
2015-09-25 16:23:01マルクスが『資本論』で貨幣生成に関して述べたことと、ホッブズが『リヴァイアサン』で主権者の出現について述べたことの類似は明らかである。いずれもが、一者への権利の集中を、他のすべての者の権利の譲渡において見ているからだ。by柄谷行人『世界史の構造』
2015-09-26 07:53:40「価格の決定を、官僚ではなく市場に任せたということが、アルファベットの改良とならんで、ギリシアの民主政をもたらした要因だといわれる。しかし、それらはすべてイオニアで開始されたのである」(柄谷行人『世界史の構造』)。へぇー。
2015-09-26 15:51:32「ロールズは功利主義の基盤である資本主義経済を不問に付した上で、「善」を考え、分配による「平等」を考えた。そこでは、「自由の相互性」が考えられていない。ゆえに、それをカント的と呼ぶのは的外れである」(柄谷行人『世界史の構想』)。ウーム…。
2015-09-27 16:53:42とりあえず、ここでの「善」は「正」の方って書くべきなんじゃないだろうか。リベラリズムの原則って、正しさは善さに先立つってことでしょ?
2015-09-27 16:55:45柄谷行人『世界史の構造』読了。文庫版で再読。単行本と結構違うのか、大分イメージ違った。特に最初の方は前より面白く読めた(定住革命らへん)。ただ、(無論細部は改造されているのだろうけど)基本的にトラクリとか世界共和国へとか読んどけば、それでいい感。
2015-09-27 17:29:28ただ、『世界史の構造』が『トラクリ』よりいいのは、「未来の他者」とか言い出さないところだよな。統整的理念だけなら余り変な疑問出てこない。
2015-09-27 17:33:22あと、単行本との違いでいうと、もしかしてロールズ批判とか加筆してるんじゃないか? 昔の柄谷さんはもうちょっとロールズに同情的だった気がするが、この文庫版だと資本主義温存&福祉国家強化(=略取-再分配)を帰結させる偽カントとして結構弾劾してる。
2015-09-27 17:37:42しかし、漱石論でデビューした一文芸批評家が、「世界同時革命だっ!」とか「世界共和国ッ(キリっ)」とかいう本を書くに至る道のりって、よくよく考えてみればすごい話だよな。これ以上なにをやるべきことがあるんだろうか、というか、行くとこまで行った感。こういう人、他にいたっけ?
2015-09-27 17:43:16柄谷さんのお年から考えて、理論的更新はここで打ち止めで、あとは細かいところを各論的に広げていくだけなんじゃないかと思うが(柳田国男論、哲学の起源、帝国の構造…)、でもまぁ、こうも色んな話をよく書き続けれるなとは思いますよ。私個人は『探究』くらいが一番好きだけども、凄いは凄い。
2015-09-27 17:50:37