津田敏秀氏の論文を補正してみた

津田敏秀氏の論文 http://journals.lww.com/epidem/Abstract/publishahead/Thyroid_Cancer_Detection_by_Ultrasound_Among.99115.aspx を次の3つの点で補正しみた。 1) がんセンターの罹患率データを年齢別に詳細化した 2) 地域間の年齢構成のずれを補正した 続きを読む
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上海II @shanghai_ii

津田さんは論文で非常にザックリと比較してExternal Comparisonを20-50倍としていますが、ここ(twitter.com/shanghai_ii/st…)で求めた年齢区分別の津田式期待値を基に各地域のExternal Comparisonを再計算してみると、約半分になる。

2015-10-10 01:55:06
上海II @shanghai_ii

県民調査の年齢区分に合わせて、区分別に平均値を求めて年齢区分別の期待値とする。 pic.twitter.com/FmfKdkvEzt

2015-10-09 22:50:09
上海II @shanghai_ii

津田式期待値より、再計算してみた各地域のExternal Comparisonの倍率。 pic.twitter.com/jxCiyQwtIk

2015-10-10 01:55:51
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上海II @shanghai_ii

津田論文批判として、韓国の2012年のデータを当てはめてみて、どれぐらいの倍率になるかを見てみる。韓国では若年層のスクリーニング率はそう高いとは思えないんだけど、それでも日本よりかなり高い。 pic.twitter.com/qyH0lgjrAA

2015-10-10 01:58:04
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上海II @shanghai_ii

韓国2012データを用いて津田式External Comparisonをやってみた結果はこう。(さきほどUPした再計算の全体数値が間違っていたので、そちらも修正しました) pic.twitter.com/WdQWkjx8hm

2015-10-10 02:07:04
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上海II @shanghai_ii

検診の影響の大きさが分かるのではないでしょうか。

2015-10-10 02:08:18

H25県南地域を県内比較の基準としたことについて

T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

他の方がご指摘済みだけれど、県内比較の基準を県南地方にとった(相馬、新地がゼロなので倍率が取れないから二番目に低いところと説明)県南も放射性物質汚染が低いところだったけれど会津はさらに低い。原発に近いところで最も高い多発があったとして線量との相関を匂わせているのだけれど・・・

2015-10-10 00:03:20
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

津田氏にとって会津調査結果は不都合な真実のようだ

2015-10-10 00:04:28
上海II @shanghai_ii

全くそうだな。対照として使うならば、ヨウ素土壌検査データで他地域に比べて相当低い会津を選ばない理由はない。また、対照としてではなく検査の時間的中央を取るならばH24地域から選ばないとアカン。低いから選びましたというのは意味不明だ。

2015-10-10 02:32:12

地域間のタイムラグを補正する

上海II @shanghai_ii

2次健診の地域間のタイムラグについて。細胞診実施推移が大事なんで、細胞診実施数を配布資料ごとにグラフにした(各配布資料間の差分を取った)。 pic.twitter.com/Xqts2AhYHI

2015-10-10 11:43:26
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上海II @shanghai_ii

どこまで精密に補正するのがええのか分からないけど、半年程度ずつのずれがあるので、補正は必要。特に本格調査(2巡目)は2年後というインターバルなんで、半年というのは大きい。

2015-10-10 11:45:13
上海II @shanghai_ii

こちら(twitter.com/shanghai_ii/st…)の津田式期待値の数値のうち0-5才が間違えていました。ただしくは0.12です。(この年齢区分は殆ど影響ないので全体の数値は殆ど変りませんが)

2015-10-10 12:01:56
上海II @shanghai_ii

試しに、先行調査の細胞診時をH23地域を事故後2年、H24地域を2.5年、H25地域を3年と仮定して、津田論文の数値を補正してみました。(全体については重み付け無しに2.5年としたのでこの数値は参考です) pic.twitter.com/dXT6t5kr0W

2015-10-10 12:18:54
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上海II @shanghai_ii

補正のポイントは3つ。 1) がんセンターの罹患率データを年齢別に詳細化した 2) 地域間の年齢構成のずれを補正した 3) H23-H25地域の細胞診実施時期のずれを補正した(ただし小さな地域間のずれは補正していない)

2015-10-10 12:20:32
上海II @shanghai_ii

表が見にくいんで2分割します。まずは年齢構成部分。 pic.twitter.com/WXM9SPqXd9

2015-10-10 12:24:31
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2つの補正が相殺し合ったのでたまたま過誤にはなってないようだ

上海II @shanghai_ii

地域間の年齢構成のずれ補正と、タイムラグのずれ補正が相殺して、期待値としては、全地域に大きな差がなくなりました。

2015-10-10 12:25:51
上海II @shanghai_ii

こうしたずれは検査の設計時から分かってることなんで、うまく相殺できるように各地域を選択したのかもしれない(もしそうだとしたら凄くよくできた設計ですわ)

2015-10-10 12:26:59
上海II @shanghai_ii

津田さんの論文は余りにもザックリし過ぎていたんだけど、補正部分については、「たまたま」大きな過誤には至っていないようです。

2015-10-10 12:28:36

まとめ

上海II @shanghai_ii

以上、沢山ツイートしてきましたが、もう一度を何をやっていたかまとめると、 津田さんの罹患率x4=有病率という仮定の下に期待値を年齢別に求め、地域間の年齢構成と細胞診実施時期のずれを補正し、津田論文の数値を精密化しました。

2015-10-10 12:36:23
上海II @shanghai_ii

結論としては津田さんの20-50倍というのは過大で、同じ考えで再構成したところ10-30倍になった。しかし、地域間の誤差はうまく(たまたま?)相殺され、地域間の比較に関しては大きな過誤は無かった。

2015-10-10 12:37:36
上海II @shanghai_ii

補足しておくと、津田さんの挙げた4年には殆ど根拠がありません。例えば、韓国の甲状腺がんデータを見れば(そのデータがほぼ検診率UPに拠るものだろうということを受け入れる場合)、それは明らかだと思います。

2015-10-10 12:51:43