「倫理学の話」の書評：新世代教科書

江口某 @eguchi2014

なんというか、「倫理学長く授業しているとこういう話をこういう順番でしたくなる」みたいなのがすげーよくわかる。

江口某 @eguchi2014

古典落語みたいな感じ。何回もしゃべってるうちに完成されました。

江口某 @eguchi2014

でもまあp.98とかの表現は品川先生らしい高尚なもので、一般読者が理解できるものとは思えない。

江口某 @eguchi2014

レトリックうますぎる。

江口某 @eguchi2014

「……人間はまだ完全には実現されていない人間のあるべきあり方をめざすことによってのみ人間であるということにほかなりません。現にそう「ある」(存在)ということが「べし」(当為)を含んでいる──ここに超越があります」みたいな。

江口某 @eguchi2014

こういうの読むとなんかぼーっとしてるうちにだまされちゃうのが一般読者。

江口某 @eguchi2014

っていうかまあ専門家も。

江口某 @eguchi2014

これを「大事だ」って思って線引く人は多いだろうが、「意味わからん!」と思える人間はそんな多くない。

江口某 @eguchi2014

いやなに言いたいかわかるけど。

江口某 @eguchi2014

反感を感じるのは、「現にそうあることがべしをふくんでいる」という表現があいまいなのと、「超越」が唐突だってのの二つか。

江口某 @eguchi2014

「人間って特別で、自分はこうありたいとか、こうあるべきだとか考えるところが特別だよね」ってのが「存在が当為を含んでいる」みたいな抽象的な表現になるときになにがねじまげられているか。

江口某 @eguchi2014

「超越」もまあ説明されてないように思うし。

江口某 @eguchi2014

「いまある〜」じゃないものはぜんぶ「超越」だとかってそういう意味ではないだろうし。

江口某 @eguchi2014

「べし」とか「価値がある」とかで示されるものがぜんぶ超越なのかどうか。

江口某 @eguchi2014

数ページうしろでは、「人間の尊厳という観念は、人間を超越した神の権威から独立します。しかしながら、人間のなかの超越──人間として存在しているとは人間のあるべきありようをつねに求められていることである──というその核心は残ります」とかって形で出てくる。

江口某 @eguchi2014

んじゃ「人間ってのはつねに自分のあるべき姿を考えているっていう点で超越を含んでいる」みたいなかたちで使えるんかな。

江口某 @eguchi2014

「まだ自分じゃないもの」が超越なの?

江口某 @eguchi2014

まあ実はこの「超越」っていうのは30年の間、ほとんど具体的なイメージがつかめない言葉ではあったなあ。

江口某 @eguchi2014

妖怪定言命法とか名付けていると怒られそうだ。

江口某 @eguchi2014

「自分一己を超越したあるべき人間のありようをみずから思い描き、それをめざし、それに従いうる存在としてのみ人間は尊重されるということにほかなりません。」p.100

江口某 @eguchi2014

「一己」かっこいい。

江口某 @eguchi2014

「みんな努力してがんばってよくなることができるから尊厳があるんだよ」説。

江口某 @eguchi2014

まあこういうの、カント先生やっぱり魅力あるし、倫理学の授業では1回はとりあげたいわよねえ。

江口某 @eguchi2014

そんでも2章分になっているということは、先生も授業2回は必要だ、ってことなんだろうな。

江口某 @eguchi2014

90分ではおさまらないけど、120分、60分2回ならなんとかなる、みたいな感覚なんかな。