国や王、皇帝の系譜や格式をめぐる継承、称号、正統性…に関する色々な話。

テーマが論者によって微妙にずれたり重なったりしていますが、「皇帝」の称号などを例にして『長い歴史や社会の中で、支配者や国の地位や格式、称号がどう定まっていったか、どのように変遷していったか』みたいな話をしたわけです。 国家や王家の正統性や系譜の議論は面白いですよね。
293
泉信行 @izumino

@gryphonjapan 私見ですが、文明レベルの制度をくつがえして権威を獲得するには、国をまたいだ実力(覇権)がまず必要なのであって、どうせ制度を無視して奪うのであれば、大版図の覇者が王になっても仕方がなかっただけではないかと。皇帝も王も元々簡単になれないのは同じな気がします

2015-11-08 11:53:59
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

さらに続きます。 小室直樹の本で読んだ記憶なんですが、ナポレオンが旧家の貴族に「ボナパルト王家の起源はどこなのですかな?」と思いっくそ皮肉で問われた時に、「わが王家の起源は明確だ、ブリューメルの月、広場の民衆の声から生まれた」と。 これは苦し紛れでなく本音? @izumino

2015-11-08 11:30:55
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

このあとも続けますが(笑)、突然お付き合いさせるのもまずいので以降はメンションを略します。失礼しました @izumino では続き。

2015-11-08 11:33:46
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

ナポレオンが例の、戴冠式のときにローマ教皇を呼んだにもかかわらず、王冠を教皇の手によって自らかぶり、ジョゼフィーヌにもかぶせたのは、周到にやはり考えたのですかね。 皇帝の権威の由来は教皇ではない、私自身やそれを押した民衆だ、と… twitter.com/izumino/status…

2015-11-08 11:37:46
泉信行 @izumino

ナポレオンがはっちゃけたことってのは、「ローマ皇帝以外にEmperorがいてもいい」ことではなく(それは騎馬民族や中国の存在ですでに崩れた後に生まれてる)、「権威ある血統がなくてもいい」と自分で実証しようとしたこと。むろん猛反発受けて一瞬で瓦解したが、皇帝の絶対性はすごい下がった

2015-11-08 11:20:40
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

「人民投票の結果を受けて皇帝となる」というのは、啓蒙思想と民主主義の過渡期の珍事のようにも見えるけど、皇帝のロールモデルがローマ皇帝なら、こういうことも、王冠を教皇でなく自らかぶるのもありそうな話ではある。 pic.twitter.com/sJv8yxwWwz

2015-11-08 11:41:01
拡大
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

togetter追加資料 池田理代子「エロイカ」より、ナポレオン戴冠。 「共和国の皇帝」があるのだから、某はてなブログで話題になった「血のつながった年下の姉がほしい」という要望だって案外ムチャじゃないのかも(笑) pic.twitter.com/8eYTJmKj08

2015-11-08 18:47:03
拡大
拡大
拡大
拡大
シバの殿下 @Mahal

「共和国の皇帝」こそ、ローマ的伝統では。 twitter.com/gryphonjapan/s…

2015-11-08 18:48:25
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

さあ、しかしこっからがおもしろい、そして重要。(テキ屋調) 以下の画像はムロタニ・ツネ象版の「世界の歴史」だが、カール大帝の戴冠は「今日項羽がいきなり不意打ちで戴冠させた」「大帝はそれがちと、気に入らなかった」という描写なんです 。 pic.twitter.com/j79VsOkwN6

2015-11-08 11:48:04
拡大
拡大
拡大

※「今日項羽が」⇒「教皇が」です(すいません笑)

gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

「教皇が勝手に戴冠」は、お姉さんが勝手にオーディションに応募して…的な、当人は無欲で謙虚だ、という逸話で、この教皇権威をめぐる葛藤は歴史を遡って意味づけただけの、ムロタニ氏一流の演出なのかもしれない。 どこまで事実なんでしょうかね? もし事実なら、ナポレオンの…

2015-11-08 11:55:15
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

(続く)ナポレオンの自分自身での戴冠は、カール大帝からの悲願を達成しただけ、という位置付けになる。 でもどうかな。 権威とは、わずらわしくもありがたいものであり、征夷大将軍だって「本当は実力で王になりたいのに、天皇からの任命なんて不満だなあ…」は後付けっぽい気がするでしょ。

2015-11-08 11:57:07
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

上のムロタニ・ツネ象氏が描いた「カール大帝は、レオ教皇による戴冠が内心不満だった。教皇が皇帝人事介入を警戒した」「本当なら皇帝が皇帝を戴冠させ、教皇の権威を入れたくなかった」というのは、何かの記録上の裏づけがあるのですかね。 twitterで書いた理由のひとつはこれ聞きたいから。

2015-11-08 12:01:24
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

togetter用追加資料 ムロタニ・ツネ象「世界の歴史」とは(動画) youtube.com/watch?v=w5JP0R…

2015-11-08 19:00:23
拡大
リンク YouTube ムロタニ・ツネ象「世界の歴史」 1990年代に公刊された学研まんが「世界の歴史」を執筆したのはベテラン漫画家のムロタニ・ツネ象。着目点やエピソードの選定などに独自の切れ味を発揮し、異彩を放つシリーズでした。全15巻ある中で、印象的な場面を紹介します。BGMは「時の河」(FENCE OF DEFENSE)。
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

blog.goo.ne.jp/dokudami3377/e… 『…ハムレットの最後の台詞は「余もまた末期の一票を投じよう」である。 王政では父が死ねば子が位を継ぐ、これが当時の現実である。しかし「たてまえ」としては、あくまでも《王は選挙で選出されたのである》から、あの台詞が出てくる』 (続く)

2015-11-08 12:04:32
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

(続き) 『一方、日本では逆で、秀吉はあくまで実力で関白になったのであって、家柄のゆえ関白の位を受け継いだのではない。しかし秀吉は、「たてまえ」としては、関白の位を受け継いでいる。それでも「関白は/位によると/聞きつるに/金にてなるは/これぞ金箔」という落首が記された』 (続く)

2015-11-08 12:05:46
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

(続き) 『…「たてまえ」の主張であって、家系によらず実力でなったものは、関白とは認められない、金箔だということであろう。 一方は、実際には家系でありながら、あくまでも選挙という「たてまえ」をとる。 一方は、実際には実力でありながら、あくまでも家系という「たてまえ」をとる。』

2015-11-08 12:06:38
リンク gooブログ 雑想ー『冷蔵庫に鍵と新ハムレット』 - センブリとドクダミ [イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』〜〈あとがきー末期の一票〉]からであります。 【どこの国でも現実の背後に「たてまえ」があり、その「たてまえ」と「現実」とには誤差がある。 従って現実が同じでも「たてまえ」の方向は全く逆で、「現実」を「たてまえ」に近づけていけば、日本と全く正...
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

この文章を読んだ後、高校の世界史で「選帝侯」という言葉をきき、さらに実際に一票を投じて皇帝が生まれるのを知って、なんか複雑だなー、と感慨深かったっけ。 まあ日本だってくじびきで将軍決まったりしたけど。(ちがうわ)

2015-11-08 12:08:54
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan

togetter資料 実際に本を読むと「皇帝は教皇に任命されるのか?」という問題や「シチリア王を兼ねる」という肩書きの話とかが重要になってる。 「征服なき十字軍」の皇帝の手腕とは~「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」(塩野七生) - d.hatena.ne.jp/gryphon/201506…

2015-11-08 22:51:23
リンク はてなダイアリー 「征服なき十字軍」を成し遂げた皇帝の手腕とは〜「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」(塩野七生) - 見えない道場本舗 UFC188 in メキシコ ヘビー級王座統一戦 収録場所/メキシコ・メキシコシティ メキシコシティ・アリーナ h..
泉信行 @izumino

@gryphonjapan ところでナポレオンの兄弟はナポレオンの帝政期にさらっと国王になってましたね 。簡単に王になってる…? ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8…

2015-11-09 01:13:40

中国とモンゴル

泉信行 @izumino

遠く離れた中国だと易姓革命の思想があるので血統主義はゆるくてナポレオンがやりたかったことに近かったのに対して、地理的に近い、モンゴル帝国由来の各国ではチンギス血統主義が非常に強かった(ティムールが王ではなく王婿なのもそのため)、というのも権威の在り方を示す話として面白い

2015-11-08 11:28:19