黄昏町(九板)三十日目

九板ちゃんの美意識は、ちょっとおかしい。 初日/一日目→http://togetter.com/li/883761 前日/二十九日目→http://togetter.com/li/899712 翌日/三十一日目→http://togetter.com/li/902363
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@hiiragi_r_t_d

【三十日目】 【魂6/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) #hollytk

2015-11-13 22:10:16
@hiiragi_r_t_d

水音。水が川底の石に跳ね、波を立てながら下流へと流れていく。 わたしは誰もいない橋の下に座っていた。 夕陽に照らされ、橙色に輝く水面に石を投げる。波紋が広がり、波間に見え隠れしながら下流へと流されていく。 「はぁー……」 わたしは退屈していた。 01 #hollytk

2015-11-13 22:12:20
@hiiragi_r_t_d

「おや?」 何かが夕陽を反射して煌めき、わたしは川を覗き込む。橋脚の根元、周囲より一段深くなった水底に何かが沈んでいる。 わたしは目を細め、さらに水面を覗き込む。額の眼のおかげで、生き物ではないということは分かるのだが…… 足元の砂利が、不意に崩れた。 02 #hollytk

2015-11-13 22:14:44
@hiiragi_r_t_d

「えっ、うわっ、ああっ!」 バランスを崩し、わたしは川に転げ落ちる。冷たい水がわたしを迎える。 身体が沈む。そもそも、わたしはあまり泳ぎが得意な方ではないのだ。だからいつぞや池に沈められた時もあっさり脱出を諦めたのだが……今回はどうやら、勝手が違うようだ。 03 #hollytk

2015-11-13 22:16:29
@hiiragi_r_t_d

尾がうねり、水を掻く。 わたしは水底に立ち、周囲を見回した。息は苦しくない。ふと左腕を見ると、鱗が乾いた松ぼっくりのように開いていた。 「がぶごぼ」 ついうっかり開いた口から、言葉の代わりに泡が漏れる。 ……なるほど、この鱗で呼吸をしているのですね。 04 #hollytk

2015-11-13 22:18:21
@hiiragi_r_t_d

わたしは橋脚に歩み寄り、キラキラと光る「それ」を手に取る。 そしてそれを握ったまま、歩いて川辺に上がった。 05 #hollytk

2015-11-13 22:20:20
@hiiragi_r_t_d

わたしはびしょ濡れの服を橋の欄干にかけ、その下でのんびりと座っていた。 手の中のそれを夕陽にかざす。夕陽を受けて鮮やかな赤に輝く、小ぶりなブローチ。 「綺麗……」 これはわたしが小さい頃に欲しがっていたものだ。近所の雑貨屋の店先に、昔から飾られていた。 06 #hollytk

2015-11-13 22:22:11
@hiiragi_r_t_d

ガラスでできた紛い物の赤い宝石と、それをぐるりと囲む、蛇とも蜥蜴ともつかない生き物を象った真鍮の飾り。 わたしは買って欲しいと何度も親に頼んだが、手作り故の値段と不気味なデザインのせいでとうとう許してもらえなかった。 07 #hollytk

2015-11-13 22:24:10
@hiiragi_r_t_d

そうこうしている内に雑貨屋は店を畳んでしまい、わたしはその淡い願望を募らせながらも諦めるしかなかったのだ。 それが今、ここにある。 「変わった事もあるものですね」 わたしはパナマ帽に赤いブローチを留めて、大きく伸びをした。 08 #hollytk

2015-11-13 22:26:17
@hiiragi_r_t_d

──────── 【三十日目】 【生存】 【魂+2】 【魂8/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) 09 #hollytk

2015-11-13 22:27:12
@hiiragi_r_t_d

[町]川底に何か落ちている。今は何の役にも立たないが、この町へ入る前、君がほしがっていたものだ。《水耐性所持かつ探索1以上で発見【魂+2、不要な異形を1つ捨てることができる】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #hollytk

2015-11-13 22:27:30